2011年12月30日金曜日

メシールのテニス(54) レディーポジションにおけるラケットの位置(ラケットヘッドの向き)

今回は、レディーポジションにおけるラケットの位置(ラケットヘッドの向き)について書きます。

テニスでは、初心者があるレベル以上になると、レディーポジションでは、必ずラケットを両手で持つようになります。

いきなり余談ですが、市民大会やその他の機会に、初めての相手と対戦することがあります。その相手の技術レベルを早く理解することが、ゲームを有利に運ぶポイントの一つです。(相手を過小評価しても、過大評価しても、試合にとってよいことはありません。)

私程度(中級~中上級)のレベルの場合、レディーポジションにおいて片手でラケットもつ相手であれば、まず負けることはありません。これは、とても分かりやすい「相手の技量を判断する指標」の一つです。

さて、このレディーポジションでのラケットの位置について考えます。

図を見てください。ラケットヘッドが、10時の方向を向いているか、0時の方向を向いているか(図では0時少し前になっていますが。)。メシールのテニスでは、0時の方向が正解です。0時の方向にラケットヘッドが向いているのは、フォアハンド・バックハンドのバランスという意味で当然のように思いますが、メシールの場合は、もう一つ、フォアハンドストロークにおいて、とても重要な理由があります。

それは、フォアハンドデーボディーターンを使ってテイクバックを取るかどうか、ということです。メシールのテニス(53)において、テイクバックが3段階からなることを書きました。この2段階目から3段階目でのテイクバックは、右図に示すように直線状になります。ラケットヘッドが下を向いたまま体のそばを直前上に通ります。

体の横(3時側)でラケットが直前上に移動するためには、図に示すように、レディーポジションでラケットヘッドが左(10時方向)を向いているのはまずいのです。この場合は、ボディーターンがそのままテイクバックになりますので、どうしても、ラケットは体のそばを通らず、体の軸を中心に円状に回転してしまうからです。

ラケットヘッドが0時方向を向いていると、テイクバック第1段階でボディーターン(足と腰だけを回転:肩や腕は回転しない)で図の☆のところまで体を回転させたあと、第2段階から第3段階へと肩と腕を使ってラケットを後ろに引きます。これにより、直線状にテイクバックを取ることができます。これがメシールのフォアハンドのテイクバックのシーケンス(手順)です。

2011年12月26日月曜日

メシールのテニス(53) 訂正 ←メシールのテニス(52)基本中の基本

「メシールのテニス(52) 基本中の基本」で、以下のように書きました。

②フォアハンドのテイクバックでは、ラケットヘッドを下げない(むしろ上を向けるイメージ)です。スイング全体でラケット面を「縦に使う」という意識が有効です。面を横にしてスイングすると、スイングが横振りになります。メシールのフォアハンドは、「縦振り」なのです。

あまりに大きな間違いなので、訂正します。

メシールのフォアハンドでは、テイクバックでは、ラケットヘッドは下を向きます。これは、絶対に守らねばなりません。(なぜ、上のように書いてしまったのだろう?)

これに従って、腕(特に手首から肘まで)は水平よりも下向きになります。

テイクバックは、3段階からなります。

第1段階は、足と腰を回す(肩と腕は回さない)段階です。第2段階は、肩を回します。腕も、引き始めます。第3段階は、腕のテイクバックです。体の後ろの方で、腕をある程度自由に使い、テイクバックをします。この時、ボールのタイミングに合わせてループ状(場合によっては直線状)に腕をまわします。

ラケットヘッドが下を向くのは、主に、第2段階です。(第1段階でも下を向き始めてもよいですが。)この段階で、ヘッドが下を向くことが、第3段階、さらにはインパクトに対して、重要な意味を持ちます。これについては、分析がまだできていないので、理解できたらまた書こうと思います。

ちょっと気になって、フェデラージョコビッチリ・ナのスイング(スローモーション)をYoutubeで見たのですが、テイクバックで、ラケットヘッドはみんな上を向いています。たまに、メシールに似ていると言われるマレーですら、全く、ラケットヘッドは上を向いています。

現代テニスから見たら、すでに、メシールは前世代のテニスということになるかもしれません。しかし、アマチュアテニスから見たら、十分に使えるフォームですし、また、だからこそ「美しい」のかもしれません。

なお、注意すべきこととしては、第3段階においては、ラケットヘッドは上を向いても構わないのです。そうしないと、第3段階でラケットはループを描くことが出いません。ラケットヘッドが下を向くのは、あくまで第2段階の話です。

2011年12月19日月曜日

メシールのテニス(52) 基本中の基本

今回、2つの、基本中の基本を書きます。これらは、メシールのテニスというよりも、フラット(またはフラットドライブ)系プレーヤーにとっては、基本中の基本です。

こんな基本ができていなくても、中級ぐらいのゲームでは勝てるのですが、あるレベル以上には絶対になれないという、まさにその典型例と言ってよいでしょう。

①スイング始動について:スイングの始動を、肩や腕から始めてはなりません。足と腰の回転からスタートせねばなりません。テニススクールの初心者クラスで、一番最初に習うのが、「まず横を向いて、それからラケットを引く」というレッスンです。この、基本中の基本が、実は、とても重要なことです。まず横を向く(足と腰を回す)。次にラケットを引く(肩を回す)。フォアハンドも、バックハンドも、この点では同じです。(私は、バックハンドはできているが、フォアハンドが、これが守られていない。)
メシールがラケットを両手で持ってテイクバックするのは、ある点では、これを徹底するためです。ラケットを両手で持つ限りは、肩を回すことができない(難しい)ので、足と腰を回して、ボールを打つ場所と体勢になるまでは、ラケットを両手で持つのがよいのです。そこから、肩甲骨(肩)を回して、テイクバックを始めるのです。

ここから先は、私の脳内イメージですが、フォアハンドでは、ラケット面が今どこにあるかを意識するのがコツだと、最近気が付きました。スイングの間、テイクバックからフォワードスイングで、ラケット面の位置と向きを意識し続けるのです。ラケット面とその方向が正しくないと、ボールはラケット面に厚く当たりません。厚い当たりは、メシールのグランドストロークの基本です。(スピンボールであっても!)

今回の話題は以上ですが、そのほか、気が付いた点を、メモしておきます。

②フォアハンドのテイクバックでは、ラケットヘッドを下げない(むしろ上を向けるイメージ)です。スイング全体でラケット面を「縦に使う」という意識が有効です。面を横にしてスイングすると、スイングが横振りになります。メシールのフォアハンドは、「縦振り」なのです。

③ボレーのときには、肘を伸ばしきってはいけません。ドライブボレーも同じです。これらのショットでは、肘に余裕を持たせます。それによって、柔軟性があり、ミスの少ないショットになります。