2022年1月25日火曜日

Mecir's Tennis (291) インサイドアウトのインパクトのために

フォワードスイングの基盤となるのは右足(右ひざ)の「蹴り」。したがってテイクバックの最後に右ひざが折れ込まれており、フォワードスイングで伸びあがる必要がある。テイクバックの最後で膝が伸びているとそこから膝を織り込むため膝の力が地面の方向を向いてしまうため、ボールが上に上がらない。

インパクトにおいてラケット面が開いたり、スイングがアウトサイドインにならないための工夫(イメージ)は次の通り。

  • フォワードスイングでラケットのフレーム上側からスイングする。ラケット面が体の方を向いてスイングするイメージ。
  • ボールはラケット面の手元に当てるイメージ(手元で当たったボールがラケット面をトップ側に転がっていくイメージ)。
  • 肩や腕の力を極力抜いて、腕全体を鞭のようにしならせる。腕とは別に手首を柔らかくして自由に手首を使うイメージ。
インサイドアウトのために重要なのはスイングをゆっくりと振ること。ゆっくりしたスイングのためには早いテイクバックが必須。テイクバックを早くするためにスイングをゆっくりにすると言ってもよい。ゆっりとしたスイングで(ラケット根元で)ボールを「深く」打つイメージ。ゆっくりしたスイングのためには、上記の腕や手首に力が入っていないことが大切。

2021年11月30日火曜日

Mecir's Tennis (290) フォアハンド・ぶれない軸のために

フォアハンドで大切なこと。

  • 軸がぶれないこと
  • スイングの際に体重が前(ネット方向)にかかってしまわないこと。
  • 両腕に力が(いっさい)入らないこと。スイングに力を入れないこと(速いラケットの動きはNG)

では、なぜ軸がぶれるのか?なぜスイングの際に力が入って前に体重が流れるのか?なぜ腕に力が入るのか(なぜラケットスイングスピードが速すぎるのか)?

答えは「正しいフォームのフォアハンドでないから」。正しいフォームで打っていない場合、体の力が正しく(効率的に)ボールに伝わならない。しかし、プレーヤーは相手コートにボールを打ち返さなくてはならないために、補おうとする。その結果、上のような問題が起きる。スイング(フォーム)の力が正しく(効率的に)ボールに伝わっていない。

ボールがネットする、またはすれすれでネットを越える場合は、これらの問題が起きていると言える。

正しいフォームとは何か。フォアハンドスイングで体の力がボールに伝わるためには、次を(少なくとも)みたす必要がある。

  • テイクバックでは右腰と右腕を一体では引かない。まず、右腰を回す。それに右腕が(腰から離れずに)ついていく。右腰が回りきるまでは右腕は動かさない(右腕に力を入れない)。右腰が回りきってから、初めて、右腕のテイクバックを開始する。(右腰のテイクバックと右腕のテイクバックの2度のテイクバックがあるイメージ。)なお、右腰のテイクバックの間、腕は(できるだけ)腰に近いところにある。(離れていると腰のテイクバックで腕を使ってしまったり、右腰と右腕を同時に(独立に)回してしまいがちなので。)右腰のテイクバックでは右腕に一切力を入れないイメージが大切(腕に力が入ると、腰のテイクバック中に腕が動いてしまう。)
  • スイング中を通じて、右腕には一切力を入れない。ボールへのパワーは、足が担う。膝をしっかり曲げて、足をしっかり踏み出す、または足をしっかり運ぶことでボールに力を与える。
  • テイクバックでは右手は右肘から引く。つまり右肘を折って、右肘から引いていく。(レンドルのテイクバックのイメージ)。右腕を折りたたみながらテイクバックするという表現でも良い。
  • フォーワードスイングを開始するのは、オープンスタンス、クローズドスタンスに関係なく、右足である。フォワードスイングは、右足が起点となる。腰や肩、腕でフォワードスイングを開始してはいけない。
  • もう一つ、フォワードスイングを開始するのは左肩である。または左腕である。右足と左肩でスイングを開始することで、体の左右のタイミングは一致する。また、左肩手動でフォワードスイングを開始するすることが、左手の壁を作ることにもつながってくる。
  • ボールをよく見て、正しいタイミングでボールをラケットでヒットする。ボールをよく見るためには、ボールがバウントするところを見る。そのためには、顎(あご)を引おて左肩越しにボールを見る。正しいタイミングでヒットするためには、ボールがバウンドするタイミングでテイクバックは完了していなくてはならない。ボールが地面にバウンドするタイミングでフォワードスイングを開始する。
  • ボールをよく見て、正しいタイミングでボールをヒットするためには、ボールがバウンドするまでにボールが打ちやすい位置に足を運ぶことが必須。ずぼらをして足を止めてはいけない。例えば高く上がったボールに対しては、必ず打ちやすい高さの場所まで移動してボールを打つこと。ボールが遅いからと言って、足を止めて、高い打点でボールを打ってはいけない。
  • ボールがバウンドするまでに右腰のテイクバックは終わっていなくてはならない。なぜならそのあとに右腕のテイクバックがあり、そのあとでフォワードスイングが始まるから。つまり、右腰のテイクバックはボールがバウンドするまでに右腕のテイクバックを行う時間だけ早く完了していなくてはならない。右腰のテイクバック完了とボールのバウンドが一致している場合、右腕のテイクバックの時間が無くなってしまう。
  • ボールが飛んでくる間(=テイクバックの間)、左肩を入れて、左手でボールを指す。ボールを指すのは左手の人差し指とは限らない。左ひじや前腕(肘から手まで)で刺してもよい。大切なのは、ボールが近づいてくるのに合わせてボールを指す左手も動かすこと。つまり、テイクバック方向に指す腕も動く。言い換えると、ボールが近づいてくるのに合わせて、だんだんと左肩が入ってくる。
  • フォワードスイングで大切なのは、テイクバックと同様、右腰が先に回転して、右腕はそれについていくだけ(力を入れていないので)だということ。つまり、テイクバックでもフォワードスイングでも右腰が動き、力を入れていない右腕は遅れてその動きについてくる。これがボールにインパクトを与える。右腕のスイングの速さではなく、この微妙な時間差こそがボールを強くたたくエネルギー源になる。
  • フォロースルーにおいて、左手による壁ができる。この壁を作るためには、フォワードスイングにおいて左手が「使われている」必要がある。正確には、肩を回す大きなスイングの中で肩を介して左肩、左腕も動いている。この動きがないと左手の壁を作るのは難しい。言い換えると、テイクバック時の左肩と左手によるボール指し、早いテイクバックと右足によるフォワードスイングのキックオフ、体全体によるスイング(フォワードスイング)、速すぎない(ゆっくりとした)フォワードスイングなどの結果として、左手による壁ができる。壁を作るのは目的ではなく、結果である。言い換えると、左手による壁ができるのは必要条件であって、決して十分条件ではない。
上記を実現するために大切な脳内イメージは次のとおり。
  • 大きなフォーム。大きな動き。「テレビで見るようなメシールのおおげさな動きをマネする」と言ってもよい。ボールをヒットする際には、必ず「微調整」が必要となる。フォームが大きい方が微調整はしやすい(大きな流れの中でその動きを調整できるため)。また、テイクバックが遅れると微調整はその分だけしづらい。微調整をフォームではなく「力」で行おうとして、余分な力が体のどこか(特に腕)に入りやすくなり、その結果、力が効果的にボールに伝わらなくなる。また、テイクバックが遅れるのは致命傷である。ボールのバウンドに合わせてフォワードスイングが開始できないと、その分を「力」や「スイングの速さ」で取り戻そうとしてしまう。したがって、早いテイクバック(と、それに伴う右足によるスムーズなフォワードスイングの開始は、余計な力を入れないためには重要(必須)である。
  • 大きなスイングでは、「野球のピッチャーの動き」をイメージするとよい。体全体を使てピッチングをするフォームと、体全体を使う大きなスイングのイメージは似ている。体のどこかだけを動かす(意識する)のではなく、まずは体全体でスイングする。すべてはそこから始まる。
  • 大きなスイングでは、右サイド(右腰・右手)と左サイド(左肩・左手)が同期すること。そのためには、両方の腰(つまり骨盤)と両肩の線を同時に回転させるイメージが良い。特に両方の肩が独立に動くと、バランスが取れなくなり、どこかに余分な力が入る。逆に、体の左右を同期させるために良いのは、大きなスイングを心掛けること。体の部分(例えば右腰)に気持ちが集中すると、大きなスイングができない。そのために、右腰と左肩の同期が難しくなる。まずは体全体を同期させる大きなスイングを行い、その中で体の各部のチェックポイントを確認する。
  • 左右が同期する大きなスイングでは、上体が立っていることが望ましい。体が傾いていると左右の動きがバラバラになりやすい。状態が地面に垂直の場合、体の回転が明確になる。体を垂直に保つことでボールからの距離が離れるように感じるが、実際には問題はない。当然、垂直になった体の上に頭が位置しており、その頭は(体の垂直が保たれているのだから)ぶれることはない。
  • ラケットをゆっくりと振ること。ゆっくりとしたスイングを心掛ける。スイングがゆっくりだと飛び出すボールのスピードが遅くなるように感じるが、それは間違い。ゆっくりしたスイングの方がボールに力が伝わりやすく、またボールの軌道は安定する。早いテイクバックにより、ゆっくりとしたスイングが可能となる。(テイクバックが遅れると、それを補うためにスイングが速くなる。)速いスイングのボールはネットすれすれとなりやすく、ネットする危険も大きい。

2020年10月22日木曜日

Mecir’s Tennis (289) フォアハンドストロークのサマリ:フォアハンドで強くボールをたたく方法

 これまでのサマリのため、強くボールを打つという視点で、グランドストローク(フォアハンド)のポイントを整理しましょう。結論から先に言うと、ボールを強くたたく力は腕ではもちろんなく、背筋でもなく、両方の肩甲骨です。これはメシールのフォアハンドでは上体が地面に対して垂直に立っていることと関係があります。

  • テイクバック
    • テイクバックはラケットを手で引かず右腰を回転させます。それに伴い肩や手が回転します。そのために、右手(ラケット)は右腰に追随させるイメージが重要です。侍が刀を抜くイメージです。右腰の回転に合わせて後述の左肩の回転も重要です。右腰につられて右肩が回転しますので、右肩と左肩の直線状態を維持するためには左肩も回転せねばなりません。
    • テイクバックではひじからラケットを引きます。ただし、手で引くのではなく、右腰の回転で引きます。その結果、右腕は、体の近くに”くっついて回転(ぴったりくっつけるわけではない)”します。レンドルのテイクバックでも見られるラケットの引き方です。
    •  テイクバックの際には、右肩甲骨をできる限り引きます。ここが重要です。右ひじを引くのにあわせて、右肩甲骨をしっかりと引きます。(これもレンドルのテイクバックでよく表れています。)
    • テイクバックにおいて、左肩は右肩と直線を維持するため、一緒に回転します。テイクバック開始時に左手をラケットに一定時間は添え続けることで右肩と左肩の同時回転を支持します。(左手をラケットに添えることを怠ると、右肩と左肩がバラバラに動いてしまい、安定感を欠くフォームになります。)例えば左手をボールの方に伸ばすイメージは必ずしもよくありません。スペインのフェレールのフォアハンドに安定感を感じないのはその理由です。ただし、いったん左手を添えてテイクバックをしてから左手を前方に伸ばすことは問題ありません。低くばウドするボールに対しては有効でしょう。(ソウルオリンピックの試合前練習のメシールのフォアハンドなど。)
    • テイクバックが完了したときには、左肩は1時の方向(右肩が7時の方向にある限り12時の方向よりも深く入る) を向いています。右肩甲骨は背中側に押し出され(そのために上体が立ち)、右ひじも背中側に突き出しています。
    • 両肩甲骨を引くことで、上体が自然に地面に垂直に立ちます。なぜだか理屈はよくわかりません。両方の肩甲骨を引くイメージを持つと、自然に上半身が地面に垂直に立ちます。この状態がまっすに立った形で(右ひじを伸ばさず)スイングすると、ボールをしっかり打つことができます。力加減をする必要がありません。背筋に力を入れません。あえて言うなら首の後ろあたりの筋肉に力を入れます。
    • テイクバックトップでは左肩が入っており、右腰が引かれているので、いかにもボールを呼び込むようなイメージになっています。この呼び込むイメージも重要です。相手のボールが速い場合にはこのイメージを作る余裕はないのですが、可能な限りボールを呼び込んで打つことが有効です。
  • フォワードスイング・インパクト
    • 折れた右ひじをまっすぐ伸ばさず、右ひじを折り畳んだ状態で体と一緒に回転させたままフォワードスイングします。体の回転に対して右腕を固定しているイメージです。強くボールを打ちたい場合にどうしてもここで右ひじを伸ばしてしまいがちですが、できるだけ右ひじを伸ばしてはいけません。
    • インパクトにおいて、右ひじを伸ばすこともできますし、右ひじが曲がったまま打つこともできす。ここで初めて、右ひじに自由度が与えられます。相手のボールが遅い場合はインパクトで右ひじを伸ばすイメージですし、速い場合には右ひじは曲げたまま打つイメージです。
    • フォワードスイングからインパクトにおいて、上体を立てます。両肩甲骨に力を入れると、自然に上体が立ちます。この状態が立つという点がメシールのフォアハンドでは重要です。
    • フォワードスイングの最後には、背中側に引かれた右肩甲骨はリリースされていますが、その代わりに左肩甲骨を背中側にぐっと引きます。右肩甲骨を左肩甲骨で入れ替えるイメージです。その結果、左側(左肩)にいわゆる「壁」ができます。メシールのフォアハンドでは、左側の壁は肩甲骨で作るのです。メシールのフォアハンドにおいて、どのような場合でも左肩甲骨での壁(=左肩甲骨と左ひじが背中側に引かれている)状態が崩れている例はありません。
    • 頭や目を含めて上体が立つことをイメージしてスイングします。その結果、ボールを強く打ってもバックアウトしません。また、自分が思う方向にボールを運ぶことができます。肩甲骨に力を入れることで、上体を立たせることができます。上体が立ったまま体を回転するイメージを身につけます。
  • 相手のボールが遅い場合の対処法(例えば遅いセカンドサーブのリターン)
    • 時間に余裕がある場合には、まず先にテイクバックを開始して、ラケットをテイクバックトップの状態に固定(セット)してしまいます。ここで無理にラケットスイングを始動する必要はありません。右肩甲骨と右ひじが引かれた状態で、左肩が1時の方向(右肩は7時の方向)に固定した状態を先に作ります。そのあと(またはその作業と並行して)、フットワークを使って打ちやすいところにステップワークします。そうすると、すでにテイクバックされた状態で、ボールを打つ態勢が完成します(ボールが遅い場合は、まだボールはこちらまで来ていません。)これは、いわゆる「間」となるわけです。余裕がある場合には、ボールを呼び込んで打つイメージとなります。なお、テイクバックは完成しているので、そこで余計な動きは不要です。タイミングに合わせてフォワードスイングを開始するだけです。上記の通り、力(フォワードスイングのパワー)は肩甲骨からもらいます。右肩甲骨を戻す力です。さらに、左肩甲骨を引くことで左側に壁ができるので、オーバースイングの心配がありません。
    • 相手のボールが極端に遅くない(通常のスピード)であっても、この「テイクバックセット」は有効です。イメージとしては、ボールの飛球線上にラケット面がセットされているとわかりやすい(ただし実際にはそうではない)と思います。これにより、いつでもフォワードスイングをスタートできる精神的安心感を得ることができます。
    • 重要な脳内イメージとしては、足を動かして良いポジションに入ってからテイクバックの形を作るのではなく、先にテイクバックを作ってから移動します。ステップワークよりも先にテイクバックを作っていまうというイメージです。足を動かして良いポジションに入ってからテイクバックの形を作る場合、「もしステップワークが間に合わず、正しいテイクバックをとる時間が確保できなかったらどうしよう」という不安が常に付きまといます。その結果、遅いボールに対してスイングがバラバラになってしますというリスクジレンマがあります。後者では、すでにテイクバックしているのですから、その心配がありません。あとはどれだけよりよいポジションにステップワークできるかだけです。100点のポジションまでは至らない場合でも、ベストエフォートのポジションからフォワードスイングに入ることで、80点とか60点のスイングを確保できます。

2016年2月8日月曜日

Mecir’s Tennis (288) レディーポジションでラケットが水平よりも上を向くこと

「フォアハンドのテイクバックではラケット、前腕、上腕、体幹で台形を作る」は、実はレディーポジションでも重要です。特に、ラケットと前腕で台形の一部を作ると、どうなるか。

メシールのレディーポジションで見ると、ラケットヘッドはまっすぐ横から少し上に向いています。下は向きません。これは、ラケットと前腕で台形の一部を作っている効果です。

同時に、この形でレディーポジションを作ると、ラケットヘッドはネット方向を向きやすくなります。レディーポジションでラケットがネット方向を向くことは重要です。試してみればわかりますがラケットヘッドが水平よりも上に向けた状態では、ラケットヘッドは11時や10時方向を向きにくいのです。

また、テイクバックで軽く右ひじを締めるというのもレディーポジションでラケットヘッドがネット方向を向くにはよい方法です。

Mecir’s Tennis (287) 左腕主導のフォアハンド

フォアハンドのパワーは左肩または左上からもらうことを書きました。そのためにいくつか、注意するポイントがあります。

  • スイング中に、左手のひらが上を向かないこと。(できれば、地面方向を向いていること。)
  • スイング中に、左脇が(やわらかく)閉まっていること。左脇が開かないこと。
これらを注意することで、体の左側から力が逃げてしまわないようになります。

2016年2月7日日曜日

Mecir’s Tennis (286) フォアハンドとバックハンドの違い(3) レディーポジションでラケットヘッドをネット方向に向けること


フォアハンドとバックハンドの違い(1)で、テイクバックの始動ではラケット(つまり腕)ではなくまず体を回転することを書きました。この際、ラケットヘッドがレディーポジションで横を向いていたらどうなるでしょうか。

テイクバックで体が横を向く(肩がネット方向を向く)ためには、ラケットは大きく回転することになります。しかも、これはまだテイクバックの完了ではありません。ここから腕でラケットを引くわけです。

一方で、適切なラケットの回転で体の線とラケットの線を平行にするとどうなるでしょうか。この場合は、中図の通り、肩がネット方向を向きません。

したがって、小さなラケットの回転で肩がネット方向を向くためには、右図で示すようにレディーポジションでラケットはネット方向を向かねばならないのです。右図で体の回転量とラケットの回転量を比較してみてください。体はほぼ90度回転しますが、ラケットの回転はわずかです。この差が「ラケットを残して体だけを回転する」ことを意味しているわけです。テイクバックの最初にラケットと体を一体で回転すると、ラケットは横方向(2時から3時方向)を向いてしまいます。これではいけないのです。

あらかじめラケットをネット方向に向けておき、テイクバックのはじめにラケットと体の角度に差が生じることが、そのあとのテイクバックをスムーズにしてくれます。

Mecir’s Tennis (285) フォアハンドとバックハンドの違い(2) ボールが飛んできたらすぐに横を向く(初心者?)

テニスを習い始めた時に、多くの人が「ボールが飛んできたらすぐに横を向くように」と言われました。その理由を、「テイクバックを早くするために」と教わったはずです。

しかし、それは一方で、どんなボールに対しても横を向いて、まるでカニのように(?)ボールを追いかける「典型的な初心者スタイル」のような気がする人もいるでしょう。

フォアハンドとバックハンドの違い(1)で、テイクバックの始動ではラケット(つまり腕)ではなくまず体を回転することを書きました。

したがって、「ボールが飛んできたらすぐに横を向くように」という初心者指導は、実はこういうことだったのです。ボールが飛んで来たら、腕を動かさずにまず体を横に向けること。腕と体をすぐに横に向けるということではないのです。



Mecir’s Tennis (284) フォアハンドとバックハンドの違い(1) フォアハンドテイクバックのはじめでは腕を残す

フォアハンドとバックハンドのテイクバックには、決定的な違いがあります。それは、腕の使い方です。図で説明します。

レディーポジションからそのまま体をフォアハンド側またはバックハンド側に回転することを考えます。この場合、もし、腕を全く動かさないと、体の線(図の青い点線)とラケットの角度は同じ状態になります。

一方、これに腕の動きを入れるとどうなるでしょうか。図を見ればわかるように、フォアハンドとバックハンドでは、腕の動きはこの角度に対して反対の効果になります。

フォアハンドでは、腕を回転方向にひくことで、角度はより広がります。一方、バックハンドでは、腕を回転方向にひくことで、角度はより狭くなります。

これはどちらが良いことでしょうか。正解は、バックハンド側でです。ラケットと体の線に角度がつくと、フォワードスイングでそれだけラケットが遠回りします。言い換えると、ドアスイングになります。したがって、テイクバックではフォアハンドもバックハンドも、ラケットの線と体の線は、できるだけ平行になることが望ましいのです。
そのためにはどうすればよいでしょうか。それはフォアハンドのテイクバックの開始では腕を残して先に体を回転させることです。腕を残して体を先に回転を始めるイメージはこちらです。動画像の最初のコマと二コマ目を見ると、腕が残って先に体が開店をはいじめていることがわかります。その結果、テイクバックの途中で、ラケットと体が平行になっています。つまりラケットヘッドがネット方向(正確には1時方向)を向いています。

フォアハンドではこのような複雑な動きが求められますが、バックハンドはそれよりもはるかに簡単です。体と腕を一体に回転させてもよいが、腕を使えばそれだけ体とラケットが平行になります。本来の腕の回転方向に自由に腕を使えるのですから、それだけ腕はシンプルになります。(フォアハンドのようにバックハンドで腕を残して体を回転させると体とラケットに角度がついてしまいますが、そのような複雑なテイクバックをする人はいないでしょう。)

私は、フォアハンドがバックハンドよりも難しい理由は、ここにあるのではないかと思っています。

2016年2月2日火曜日

Mecir’s Tennis (283) テニスはボールをネットを越えて相手のコートに打つ競技

気を付けの姿勢でまっすぐ立ってみてください。そのまま、背筋を伸ばしたまま、しかも体を前傾にせずに、上体をまっすぐ立てたまま膝を屈伸していってみてください。

膝を曲げていくと、どうしても上体を前に倒したくなります。そのほうが楽だからです。この場合、足の裏の体重は、当然ですが指先側にかかります。

上体を直立したまま膝を曲げようとすると、足の裏の体重を指先側ではなく足の裏全体にかけることになります。どちらかというとお尻を突き出した形で、やや後ろ体重になっているのではと思うような形での沈み込みとなります。(しかし、実際にはのけぞるようにはなっていないものです。)

これが、メシールのスタイルです。見ようによってはやや不格好に見えるかもしれませんが、一方で、メシールのフォームを美しいと思う(上体がまっすに伸びた)フォームの基本形です。

これは、テニスはボールをネットを越えて相手のコートに打つ競技出会えることを考えると、理にかなったフォームです。なぜでしょうか。

もし、あなたが下から上にボールをこすりあげて回転をかけ、ネットを越えたボールが相手コート側でドロップするように打つなら、このような直立の上体にこだわる必要はありません。むしろ、それは、打ちづらくなるでしょう。

しかしもしあなたがラケットでボールを運ぶように打つメシールのようなテニスをするならば、このフォームは有効です。理にかなっています。なぜでしょうか。

このフォームでは、なんとなく体がのけぞってしまい、ふんぞり返ったような印象を受けるかもしれません。もし、ふんぞり返ってボールを打つと、打ったボールはどちらに飛んでいくでしょうか。まっすぐ横(地面に平行)でしょうか、地面と平行よりも下を向くでしょうか、逆に平行よりも上を向くでしょうか。

答えは、上を向くです。ふんぞり返っているのですから。そして、それでよいのです。

フラットドライブ系のストロークで悩ましいのは、意識がつい、ボールを地面と平行に打つイメージを持ちやすいことです。当然それではボールはネットを越えにくくなります。フラットドライブでは、どうしてもネットすれすれのボールになりやすく、その点がリスキーになってしまいます。

お尻を突き出し、上体を立てることで、ボールを打つ方向のイメージが自然にネットより高いところになります。言い換えると、上り坂に対してボールを地面(上り坂の斜面)に平行に打つようなイメージになります。

あくまで上り坂に平行なのであって、平坦な地面に対して上向きに打っているわけではありません。平坦な地面に対してえ上向きに打つのは、スピンボールのイメージです。

フラットドライブ系は、フォームを少し間違えると常にネットを意識させられます。スピンボールでネットすれすれを打つのは難しいのですが(回転量と方向を少しでも間違えるとネットしてしまうため)、フラットドライブ系はまっすぐ横に打つのはそれほど難しくありません。だからこそ、逆に、常にネットの上(たとえば1mぐらい)を狙って打つことが大切なのです。それにより、脳内イメージで随分と暗転したストロークを打つことができるようになるのです。


2016年1月17日日曜日

Mecir’s Tennis (282) フォアハンドのテイクバックではラケット、前腕、上腕、体幹で台形を作る


メシールのフォアハンドのテイクバックで、ラケットヘッドが0時から1時ぐらいの方向を向いています。つまり、ラケットヘッドはネット方向を示しています。

これが何を意味しているのでしょうか。「フォアハンドのテイクバックではラケット、前腕、上腕、体幹で台形を作る」ということです。テイクバックでは、この台形が維持されます。

イメージとしては、ラケット、前腕、上腕、体幹が作る台形(を含む平面)でテイクバックするイメージです。そのために、ラケットは写真のタイミングではまだネット方向を向くわけです。

ここで大切なことが数点あります。

まず大切なのは、肘の角度を変えないということです。この写真でも、上腕と前腕の角度は120度ぐらいですが、この角度を維持します。決して90度またはそれよりも小さい角度に腕をたたんではいけません。テイクバックが完了したら、つまりフォワードスイングに入ったらその限りではありません。

もう一つ重要なのは、ラケット面がこの台形の面内にあるということです。つまり、手首の角度は、内側に曲がりすぎても、外側に曲がりすぎてもいけません。ラケット面が台形内になるようにまっすぐにします。これは、言い換えると、レディーポジションでラケット面が10時から11時ごろの方向を向くことになります。上腕と前腕を含む面内にラケット面を置くと、その方向になるはずです。

フォワードスイングでは腕の角度は変わります(角度が大きくなります)。また、ラケット面はこの台形面から後ろ側にずれます。(ラケット面が台形面に対して遅れます。)しかし、この台形面のイメージはフォワードスイングでも維持します。それによって、スイングが安定します。

繰り返しになりますが、大切なのはテイクバックにおいては腕を線(または折れ線)で意識するのではなく、面で意識することです。腕を面で意識することでテイクバックでのラケット面が安定します。また、フォワードスイングでも腕のぶれが小さくなります。

このイメージの時に、右わきは開くでしょうか、閉まるでしょうか。答えは、「ケースバイケース」だということです。ボールが低い場合は脇は閉まりますし、高いときはやや開くでしょう。ことさら脇の開きを気にする必要はありません。打ちやすいように脇を開ければ(または閉じれば)よいのです。



2016年1月9日土曜日

Mecir’s Tennis (281) 疲れてきたときに注意すべきこと

長い時間練習していると、体力がなくなってきてだんだんとスイングがおかしくなる(ブレてします)ことがあります。自覚できるぐらいフォームが崩れ、スイングの力がどんどんボールに伝わらなくなるのがわかります。スイングの力がボールに伝わらないため、その分無理にスイングします。スイングに無理が生じると、正しいスイングからずれてきます。ずれてくると、インパクトでボールに力が伝わりません。

悪循環です。どうしてそうなってしまうのでしょうか。

理由の一つとして、「テイクバックでラケットヘッドが上がってしまう」ということがあります。言い換えると、テイクバックで腕を使ってしまうのです。

本来は、テイクバックでは腕を使いません。体の回転に引っ張られてそのまま腕も後ろに回転します。しかし、疲れてくると、この原則がぶれてきてしまうのです。

しかし、疲れてきてインパクトが弱くなったりぶれたりすると、それを補って強い球を打とうして、無意識にだんだんとテイクバックで腕を使ってしまうようです。

もう一つの理由として、フォワードスイングで腰の回転と腕の回転が一致してしまうということがあります。腰の回転に対してわずかに腕が遅れることで、ボールにパワーを伝えることができることを以前書きました。(同時に、腕が遅れることで腕でスイングをコントロールできます。)これをつい忘れてしまい、腰と腕が同時に動くため、パワーが伝わらなくなるのです。
  • 腕を使わず腰の回転でテイクバックをしているか
  • テイクバックでラケットヘッドが下がっているか(上がっていないか)
  • 腰の回転にわずかに腕が遅れて出ているか(腕が腰の回転に同期していないか)
をチェックするのがよいと思います。

2015年12月29日火曜日

Mecir’s Tennis (280) スルメのようなメシールのプレー

1988年ソウルオリンピックのテニス男子決勝のビデオを見ていると、解説の坂井利郎さんがメシールを評してこう言っていました。メシールのプレーは、どちらかというとスルメの様にふにゃっとしている(が、すごいボールを打ってくる)、と。

確かに、メシールのプレーは、どちらかというとルーズでいい加減な打ち方、ふにゃっとしていてとらえどころがない、そんなイメージがあります。

一方で、メシールのビデオを見る限りメシールのストロークはたいへんきれいで、きちんとしたフォームであることがわかります。当時のマッケンローの感覚だけに頼った雑な打ち方と比較すると、丁寧さが際立ちます。むしろ当時の他のプレーヤーよりもきちんとしたフォームでボールを打っているように思えます。

この2つの矛盾したイメージがどこから来るのか、私には長い間よくわかりませんでした。

しかし、分析していくうちに、カチッとしているのはテイクバックまでであることがわかってきました。つまり、テイクバックまでをカチッとする(つまり腕には自由度を与えない)ことで、そのあとのフォワードスイングからの腕の動きに自由度が与えられていたのです。

もし、テイクバックから腕に自由度を与えるならば、逆にフォワードスイングでは腕の自由度を失うでしょう。今は厚いグリップ全盛期ですが、厚いグリップのフォアハンドがそうです。テイクバックに自由度がある分、フォワードスイングでは腰の回転と腕の回転が一体化します。(ボールをヒットする直前あたりまでは、両者はほぼ一緒に動くように見えます。)

メシールの自由なフォアハンドは、つまりフォワードスイングでは腕を腰から解放してやらねばならないのです。フォワードスイングでもテイクバック同様に腰と腕を連動させてしまうと、メシールのじゆでふにゃっとしたスルメのようなスイングは成立しません。




Mecir’s Tennis (279) 侍の刀のようにテイクバックしよう(2) フォアハンドでは左肩を「入れる」

グランドストロークでは、①上体をしっかりと立てる(体幹をまっすぐにする)こと、②状態の力を抜く(腕の力を抜く)ことが重要です。これを実現するためには、ボールが飛んで来たらまず左肩を0時の方向に向けることです。いわゆる「左肩を入れる」ことが大切です。

フォワードスイングでは腰の回転と腕の回転はずれが生じるのですが、腕の回転の力を利き腕を使いたくありません。利き腕の役割はボールにパワーを与えることではなく、ボールをコントロールすることだからです。

では、腕のスイングのパワーはどこからもらうか。一番良いのは、左肩です。または左腕です。左腕が肩の回転を引き出して、その回転で右腕も(少し遅れて)出てくるのが一番良いのです。

そうすることで、右腕(利き腕)に力を入れる必要がなくなります。

しかも上体が立っており顔が動きませんので、目はボールをしっかりとらえることができます。

後は右腕は、ボールを自由にコントローすればよいのです。ただし、そのためには、それまでのおぜん立てのバランスがすべて整っている必要がありますが。腰の回転、左腕の回転、右腕が遅れてくるタイミングなどにアンバランスが生じると、その結果、利き腕は正確にボールをヒットできなくなってしまいます。

話を戻しますが、右腕(利き腕)の負担を軽くするためにも、「ボールが飛んで来たらまず左肩を入れる」ことを条件反射にせねばなりません。

Mecir’s Tennis (278) 侍の刀のようにテイクバックしよう(1) 腰と腕の微妙な関係

以前、構えるときに侍が刀を構えるようにと書きました。フォアハンドのテイクバックでも同じです。右腰の刀と同じようにラケットを右腰においてテイクバックします。つまり、テイクバックでは腕を使わず、腰の回転によって腰の位置に置いたラケットが(つまり腕が)一緒にテイクバックします。

その分、フォワードスイングは「懐が深く」「ラケットが遅れて出てくる」イメージになります。ラケットがまるで体の後ろ側にあるようなイメージがするかと思います。

その際に気を付けることがあります。それは、フォワードスイングでは体の回転(腰の回転)と腕の振りを完全に一致させてはいけないということです。

テイクバックでは両者が一致しているので、ついフォワードスイングも同じように考えてしまいがちですが、そうではありません。

フォワードスイングで腕の振りが体の回転についてくる(少し腕が腰の回転よりも遅く出てくる)のはよいのです。腕の振りはあくまで腰の回転に引きずられて(先導されて)スタートします。絶対に腕を独立に動かしては(フォワードしては)いけません。

ただし、腕の回転は腰の回転に対して少しだけ遅れて出てきます。そこに腰の回転と腕の回転の「ずれ」が生じます。

その「ずれ」を作るためには、テイクバックの際にそのことを意識しておく必要があります。テイクバックの段階で「今は腰と腕は一緒に動いているが、フォワードスイングでは少しずれが生じるんだぞ」と意識せねばなりません。

このことを忘れると、ドンピシャのタイミングのボールについては打ちやすいが、それ以外のボールには対応できないスイングになってしまいます。どんなにスピードがあってもまっすぐに飛んでくる相手のボールは打ちやすいが、スピードはないのに高く弾んだような緩やかなボールが打てない、というようなことが起こるのです。

まとめると、腰と同時に(腰に引っ張られて)テイクバックする腕は、しかしテイクバックの最後で腰の動きから独立になります。とはいえ、フォワードスイングでは腕は腰に引っ張られて出ていきます。フォワードスイングの最初、腕の力は使いません。が、腕は、ボールコントロールする分だけは自由度を持っていなくてはなりません。

フォワードスイングでは、この微妙なずれの感覚(腕の自由度の間隔)が重要なのです。

なお、テイクバックからフォワードスイングにかけて、腕が腰から解放されるためには、腕の力が抜けていることが必要です。腕の力が入っていないと、まず腰の回転があり腕がそれに(力が入っていないので)ついていきます。しかも、腕に力が入っていないので、腕は軽やかに自由に動き始めることができるのです。

Mecir’s Tennis (277)  勇気をもって上半身の力を抜こう(2)

上体の力を抜くためには、膝が柔らかく使われていることが必要条件となります。もし、フォアハンド・バックハンドで体の部位を意識するなら、まず最初は膝です。例えば、レシーブのレディーポジション(=構えているとき)では、膝を意識します。ストローク練習でも、相手が球出しする際には、まず膝を意識します。

構えているときに膝を意識するということは、一言でいうと、膝を折るということです。極端に言うと、そのまま膝を曲げていくと膝が地面につくような形で、「膝を前に折り込む」のです。

メシールのビデオを見ると、試合前の練習ではそこまで膝を折り込んでいません。が、試合になるとしっかりと織り込んでいます。特にレシーブゲームでは明瞭にそれが見て取れます。その他、グランドストロークでも、相手がボールを打つ直前にしっかりと膝を折り込んでいます。

相手のボールが速くないときはそこまでする必要はありません。が、相手のレベルが高く、相手のボールが速い時はこのことが重要です。

その後、ボールを追いかえる際も、膝を意識します。フットワークでは、膝が伸びないことが大切です。メシールのプレーを見ても、前後左右にフットワークする際には膝が折れています。そのおかげで、上体はぶれず、地面に垂直の状態を維持できます。その結果、ボールをヒットする際にも上半身に力を入れる必要がなくなます。同時に頭の位置がぶれないのでボールコントロールが正確になります。

フットワークで膝を使う(意識する)ことは、このようにいいことずくめなのです。

Mecir’s Tennis (276)  勇気をもって上半身の力を抜こう(1)

メシールのフォームを見ていると、上体(上半身)の力がとても抜けていることに気が付きます。その代わりに、何度も書いていますが、上半身(体の軸)がまっすぐです。突っ立っているようにすら見えます。

上半身の、特に腕の力を抜くのは勇気がいります。一つ間違えるとボールを強く打つことができない気がするからです。

もし、上体の力を抜いてもパワーのあるボールを打つことができないとすると、①正しいフォームでボールを打っていない、②上半身(腕)以外に力を入れるべきところ(例えばひざとか腰とか)を正しく使うことができていない、ことが理由と考えられます。

とくに、フォアハンドでは、ボールを打つ際に上半身で気を付けることは、次の通りです。

  • 高い打点と低い打点で手の中で力を入れる場所を変える。
  • 腕の力を抜くことで腰(および肩)の回転に対して少しだけ腕が遅れて出てくるようにスイングする。
高い打点の場合には、掌の人差し指側(親指側)に力を入れます。逆に低い打点の場合には、薬指側(小指側)に力を入れます。腕に力を入れていない分、てのひらの使い方を間違えるとラケット面が微妙にずれやすいので、この点は重要です。

腕が少し遅れてくることで体のフォワードスイングと腕のスイングに微妙なずれが生じます。これが、ボールへのパワーになります。腕に力が入っていなくても、このずれからパワーをもらうことができます。

しかも、腕が遅れて出てくることで、腕の動きは体の回転から自由になります。ボールを操作することができます。スイングは体の回転で打つ・腕を使ってはいけないとよく聞きます。いわゆる「手打ちはよくない」というあれです。しかし、それは嘘です。体の回転に引っ張られて後から出てくる腕(手)は、自由に使ってよいのです。手打ちすることで、ボールを好きな方向に打ち分けることや、微妙なラケット面操作が可能になります。

繰り返しますが、それらを許しているのは、上半身・腕の力が抜けていることと、体の軸がまっすぐであるということが条件となります。

そして、上体(体の軸)がまっすぐになるためには、膝を柔らかく使うことが必須です。

2015年7月18日土曜日

Mecir’s Tennis (275)  ボールから離れてインサイドアウト(逆クロスにボールを打つイメージ)

フォアハンドでは、常に逆クロスにボールを打つ体勢を作ってそこから逆クロス、ストレート、順クロスにボールを打ち分けます。順クロスに打つ体勢から逆クロスに打つことはできません。(これはバックハンドも同じです。)

そのためには、ボールから距離を取るようにします。浅い球でも、深い球でも同じです。

ボールとの距離を取ると、自然に左手が前に出ます。左手が前に出ることで、肩の回転でスイングをすることができます。左手が遊んでいると、右手だけでスイングすることになり、力をうまくボールに伝えることができないうえに、右腕の負担が大きくてラケット面がぶれやすくなります。

肩で回転するスイングでは、フォロースルーが大きくとれます。フォロースルーが大きくとれると、インパクトからフォロースルーにかけてのスイングをゆっくりと振ることができます。早いスイングをしなくても、大きなフォロースルーがボールに厚い当たりを作ってくれるからです。

その結果、深くて重いボールを打つことができるのです。

インパクトからフォロースルーまでの一連の動作はすべては連動しており、ボールとの距離を取ることから始まっているのです。

Mecir’s Tennis (274)  もじもじポーズに加えて右腰にラケットをセットする

フォアハンドでは、右腰にラケット(正確には右腕)を「セットしてしまう」のがよいです。右ひじあたりがちょうど右腰のところに来ますので、その両者を一体化させてレディーポジションからテイクバックを行います。

テイクバックの間は、右腰を動かす(回す)だけで、右手は動かさないイメージです。右手は、右腰についていくだけです。肘から先の前腕部も動かしません。(ただし、高いボールの場合は前腕部は使ってもよい。)

これにより、テイクバックでは腕を動かすことができず、腰の回転主導でテイクバックができます。腕が動かないので、ラケットも動きません。

そうすると、テイクバックでラケット面が動かず、薄めのグリップでも精度の高いラケット面が作りやすくなります。その結果、大きなフォロースルーで強くボールを打ちやすくなるわです。


2015年6月30日火曜日

Mecir’s Tennis (273)  視線を高くできるか・視野の外に手がある違和感に慣れる

メシールのテニスでは、レディーポジションで「女の子のもじもじポーズ」ということを何度も書いています。そして、グランドストロークでは、フォアでもバックでも背筋をしっかり伸ばします。

これらは何を意味しているでしょうか。

一つ目は、目線です。背筋を伸ばしてボールを打つということは目線がその分、高いところにおきます。あたかもダンプカーを運転しているような、高いところに目線が来ます。顎が上がるわけではないのですが視線が高いところから見下ろすような感じになります。これは、高いボールを打つ場合には違和感ないのですが、低いボールを打つ際には目線とボールに距離感じます。

二つ目は、手の位置です。目線が高く、一方で手の位置は(もじもじポーズであるために)下の方になりますのでその距離が随分と離れているような感覚になります。しかも、目線と手の位置が離れているために、手が視野に入りません。視野の外、下の方に手があるイメージです。

これらは慣れないと違和感を感じます。しかし、慣れなくてはなりません。メシールのテニスを追及するのであれば、視野の外(下側)に手があるイメージに慣れる必要があります。


2015年6月16日火曜日

Mecir’s Tennis (272)  トロフィーポーズの理由

メシールのサーブでは、というよりも一般にテニスのサーブでは、トスアップの後でトロフィーポーズになります。それはなぜでしょうか。

ごく基本的なことですが、大切なことです。

よく知られていることですが、テニスのサーブでは、身長が高い人であってもインパクトポイントはネットよりも「低い」のです。つまり、インパクトポイントとネットの一番高いところを結ぶ線の延長戦は、サービスラインを超えます。つまり、インパクトポイントから直線でサーブを打っても、サービスエリアにはボールは入りません。まして、重力がある限り、直線でサービスエリアに向かうボールは、必ずネットするかアウトするのです。

つまり、どんな長身なプレーヤーであっても、身長190㎝のメシールであっても、サーブでは上にボールを打ちあげなくてはならないのです。スピンであっても、重力であっても、ボールは上に打ち上げて、その後でボールは落下して、初めてサービスエリアに入ります。

つまり、サーブは、打ち下ろすことは絶対にない、必ず打ち上げるのです。となると、トロフィーポーズには合点がいきます。トロフィーポーズで左手(右利き)が指さしている方向が、まさにその打ち上げる方向であるわけです。

トロフィーポーズを含めて、サーブで重要なことをまとめておきます。
  • トロフィーポーズでは、両肩と左手は真っ直ぐになりますが、その直線は右肩の方に傾きます。両肩が地面に並行になってはいけません。
  • トロフィーポーズでは体重は、7:3か6:4ぐらいで右足にかかります。右足荷重の右肩下がりです。ずいぶんと体の右側が後ろに傾いているようなイメージですが、それでよいのです。何しろ、左上にボールを打ちあげるのですから。
  • トロフィーポーズは、右腰主導です。手で主導してはいけません。レディーポジションは、ストロークと同じく、もじもじポーズです。
  • トロフィーポーズの前後では、右ひじを蝶番(ちょうつがい)として、体に並行に前腕を使います。体に垂直方向に動かしてはいけません。脳内イメージとしては、お金持ちが内輪で仰ぐようなイメージです。