2013年10月31日木曜日

Mecir's Tennis (202) 来年もメシールデビスカップ監督(スロバキア)

私はスロバキア語は読めないのですが、Googleの自動翻訳によると、メシールは2014年もスロバキアのデビスカップ監督を続けるようです。(ニュースソースはこちら。)

スロバキアがチェコから独立(分裂)して以来、メシールは監督なのですが、スロバキアの成績は必ずしも良くありません。メシールがスロバキアの英雄であることも理由でしょうが、他に候補者がいない人材の薄さを意味しているのかもしれません。

いずれにしても、いつか、メシールをデビスカップで(監督として)見ることができるかもしれません。楽しみです。

スロバキア語が読めないのですが、自動翻訳のおかげで、こんな記事もありました。スロバキアの男子ランキングです。たぶん、2012年の情報だと思います。

現在のランキングスロバキアSINGLISTOV

30 (26)マーティンKližan1190
81 (81)ルーカスLacko 627
162 (169)カロル·ベック328
173 (175)アンドレイ·マーティン282
230 (229)ポールČervenák206
327 (335)ヨゼフKovalik 128
348 (411)マレクSemjan 119
351 (354)ノルベルトのGombos 117
365 (366)ミロスラフメチージュミリリットル。111
397 (400)エイドリアンシコラ98
400 (379)イボケージ96
441 (346)カミルČapkovič83
ランキングエミレーツATPダブルスランキング(ダブルス)

1 (1)マイク·ブライアン(USA)と(1)ボブ·ブライアン(米国) - 11,520ポイント両方
3 (3)マルク·ロペス(スパ)6390
4 (4)マルセルグラ·プジョル(スパ)6300
5 (5)ダニエル·ネスター(CAN)5860
6 (7)ロバートLindstedt(スウェーデン)5630
7 (6)マックスミルニ(BLR)5390
8 (8)リーンダーパエス(インド)5245
9 (10)ホリアTecau(ROU)5220
10 (11)マヘッシュブパティ(インド)5165
現在のランキングスロバキアDEBLISTOV

第36回 (33)フィリップポラーシェク1940
47 (48)ミハルMertiňák1490
93 (94)イゴールZelenay 867
116 (110)マーティンKližan650
171 (194)カロル·ベック401
254 (243)アンドレイ·マーティン254
257 (266)カミルČapkovič250
326 (329)ルーカスLacko 190
402 (396)イボケージ146
416 (407)ポールČervenák140を

Mecir's Tennis (201) (かなり重要)右手の肘の角度が変わらないこと

このブログでは、メシールのテニス技術、特にフォアハンドを分析してきましたが、これまであまり議論してこなかった重要な技術があります。それは、右肘の使い方です。右肘の使い方はメシールのフォアハンドの最も重要な特徴です。そして、現代テニスではほとんど使われない技術でもあります。今回は、日本の錦織との比較で、フォアハンドの右肘について述べたいと思います。

まず、錦織とメシールのフォアハンドのテイクバックを比較してみてください。全く異なっていることが分かると思います。以前、メシールとフェデラーのテイクバックを比較して、ラケットヘッドの向きについて述べました。メシールのテイクバックでは、ラケットヘッドが下を向きます。(真下という意味ではありませんが、水平よりは下を向きます。)一方、フェデラーのテイクバックではラケットヘッドは上を向いていました。厚いグリップの錦織の場合は、それはもっと顕著です。ラケットヘッドは、テイクバックでほぼ真上を向きます。錦織だけではありません。現代テニスの厚いグリップのフォアハンドでは、ほとんどのプレーヤーのラケットヘッドは上を向きます。


これがどのような影響(効果)があるか。それは、フォワードスイングで分かります。メシールは、フォワードスイングで、肘の角度が殆ど変りません。これは、肘を挟んで腕を一体化させ、肩を支点にして腕を使っていることを示しています。写真を見てください。(分かりやすいように、腕の角度を線で示しました。)






そして、ラケットは下から上に振り上げられます。まるで、ボーリングのようです。繰り返しになりますが、肩を支点にして腕の角度を変えず、ラケットを下から上に振り上げています。そのためには、ラケットヘッドが下を向いていることが望ましいのです。

現代テニスは、テイクバックからフォワードスイングにかけて、ラケットの(ヘッドの)軌道がループを描きます。メシールのフォアハンドでは、ラケットヘッドが振り子のように下を向いて、テイクバックとフォワードスイングで同じ軌道を描きます。なんという、簡単で素直なスイングでしょうか。

Mecir's Tennis (200) 古いテニス雑誌のメシールの記事(200回記念!)


このブログではメシールのテニス技術を分析してきたのですが、気が付くと200回になりました。同じことを繰り返し書いていたり、以前書いたことを後で修正したりと、必ずしも整理された内容ではないですが、読んでいただいている方には本当に感謝いたします。

いつか、内容をきれいに整理しようともっています。また、実は英文にして海外の方にも読んでもらえるようにしようかと思っています。いつか、メシール本人にも読んでもらえるとうれしいですね。

さて、今回は、200回記念として、1980年代後半のテニス雑誌のメシールに関する記事を掲載しようと思います。このころの雑誌は、もう古本屋などにもないので、メシールファンには貴重な資料だと思います。

Tennis Journal(テニスジャーナル)などの日本の雑誌の記事が中心ですが、一部、海外の雑誌の記事も掲載します。フランス語の記事は私も読むことはできないので、どなたか通訳してくださるとうれしいのですが…。

Tennis Journal


French (Coup de Poing)

Tennis Journal

2013年10月30日水曜日

Mecir's Tennis (199) Youtubeより

Youtubeに載っているメシールに関する動画像をいくつか紹介しておきます。

Miloslav Mecir動画像
多くのYoutube上のメシールの動画像を一つにまとめた。

添田豪対ミロスラフ・メシールJr.(2013年全米オープン予選)
メシールジュニア(息子)の方のゲームです。メシールの息子は、おなじMiloslav Mecirで、プロテニスプレーヤーです。残念ながら、お父さんの往年のプレースタイルとはかなり違うのですが。辛口のコメントが付いていました。In 1986, Miloslav Mecir beat Mats Wilander, Joakim Nystrom and Boris Becker on Louis Armstrong Stadium to reach the final of the US Open before falling to Ivan lendl. Now, 27 years later, his son plays on the same court where the father enjoyed such spectacular successes. But Mecir Jr. lacks the same amazing skills as his dad, and as you can see here, he makes so many unforced errors that it wouldn't matter even if he did.『1986年にUSオープンで、ミロスラフ・メシールはマッツ・ヴィランデル、ヨアキム・ニーストロム、ボリス・ベッカーに、ルイ・アームストロングスタジアムで勝利して、決勝戦に進んだ。決勝では、イワン・レンドルに対戦し敗れた。(訳注:この時、ミロスラフ・メシールはノーシードからの勝ち上がりだった。)そして、27年後に、メシールの息子が同じコートですばらしい勝利を挙げた。とはいえ、残念ながら、メシールの息子は父ほどのすばらしい技術を持ってはいない。そして、この映像でも多くのアンフォースド・エラーがみられる。』

ソウルオリンピック

2013年10月21日月曜日

Mecir's Tennis (198) フォアハンドは阿波踊り(マニアには垂涎モノ?の連続写真)

今のテニス雑誌には、もちろん、ミロスラフ・メシールのことが掲載されることはありません。私は、何度かスロバキアに行きましたが、首都ブラチスラバの大きな書店に行ってスポーツ書籍や雑誌のコーナーで探しても、テニスに関する書籍でメシールの名前をみつけることはありませんでした。スロバキアでは、メシールは、今でも有名人だそうですが。


この写真は、1980年代終わりごろのTennis Journalの雑誌をスキャナで読み取ったものです(1989年6月号)。こんな連続写真も、もう、雑誌に掲載されることはないでしょう。

Mecir's Tennis (195) 左手主導ではない!」において、メシールのフォアハンドでは左手主導ではないことを書きました。それを説明できる連続写真を探していたのですが、古いテニス雑誌(別稿で紹介します)の画像をスキャンしました。

それが上の連続写真(の一部)です。下に、そのうちの2ショットを示します。どちらのコマにおいても、右手と左手が平行になっているのが分かると思います。最近のフォアハンドの写真と比べてみれば、その違いは一目瞭然です。


下の写真ではスイングの間、ほとんどで両手が平行になっています。


最後のフレームなどは、明らかに「阿波踊り」のように両手が平行になっています。



特に、最後のフレームなどは、明らかに「阿波踊り」のように両手が平行になっています。また、Youtubeの連続写真の映像(アンドレ・ゴメスとの試合前の練習)でも「阿波踊り」がはっきりと確認できます。

メシールのフォアハンド(イースタングリップのフォアハンド)は、右手が主導するのでも、左手が主導するのでもありません。両手を平行にしたまま両腕でスイングするのです。

Mecir Tennis Forehand Tennis Classic Back Number Photo

2013年10月17日木曜日

Mecir's Tennis (197) 背中を伸ばして打つこと(自分を信じることの大切さ)

Mecir's Tennis (175) 背中を丸めないこと」において、ストロークにおいて、背中を丸めてはいけないという事を書いた。

プレーヤーはどういう時に背中を丸めてボールをヒットしてしまうのでしょうか?

それは、「十分な体勢でボールが打てないが、それでもボールを安全に打ちたい場合」です。言い換えると、「安全に相手のコートにボールを打ちかえす」場合に、プレーヤーは背中を丸くしてボールを打ってしまいます。

ボールを強く打つことは後回しで、まずは相手のコートに(狙った場所に)ボールを運びたいとき。そういう場合に、往々にしてプレーヤーの背中は丸くなります。

そして、これは、絶対にしてはならないことなのです。絶対に、背中を丸めてボールを打ってはいけません。

背中を丸めてボールをヒットすると、ボールを狙った場所に強く打つことはできません。どうしても、ボールを「置きに行く」打ち方になってしまうのです。

さて、では、どうすれば背中を丸めずにボールを打てるのでしょうか?

大切なことは、振り遅れないことです。構え遅れないことです。構えが遅れると、振り遅れます。背中を伸ばしてボールを打つ場合に、振り遅れてしまうとボールはまともにヒットできません。(逆に背中を丸めれば、多少の遅れには対応できます。)

振り遅れずに、準備を早めにして、ボールをしっかり打つ。これが大切です。

もう一つ、大切なことがあります。それは、精神的に受けに回らないという事です。常に攻撃します。常に次のボールを待ちます。ボールを打った瞬間に、それがネットしたりアウトしたりするのではという気持ちを、一切持ってはいけません。自分が打ったボールは絶対に相手のコートにバウンドすると信じます。それによって、相手のボールへの準備が早くなります。

準備が早くなると、振り遅れにくくなります。背中が丸まりにくくなります。よい方の循環が出来上がります。

初級であろうが、中級であろうが、上級であろうが、プロであろうが、レベルに関係なく共通していることなのです。「自分の打ったボールは必ず相手のコートに突き刺さる」と信じてボールを打つのです。

2013年10月15日火曜日

Mecir's Tennis (196) テニスの難しさ(ピースが一つだけ足りないジグソーパズル)

テニスのスイングはゴルフのショットや野球の打撃などと比較して、フォームのセオリーが確立していないスポーツだと言われています。止まって打つことができるゴルフや野球のバッティングと違い、移動してから打つ(または移動しながら打つ)ことや、ボールを打つ範囲が広いこと、また飛んでくるボールを打つことなど、ボールとスイングの関係が複雑だからでしょう。

空間3次元と時間(つまりタイミング)の4次元でボールを打ち返す正確さがスイングに求められるのがテニスの特徴であり、また難しさです。

多くの教科書はあるものの、実はそれらもまだ試行錯誤の段階であり、絶対的な教科書がないのが世界のテニス界の現状です。実は、テニスの教科書はトップ選手を追いかけます。教科書がトップ選手を作るのではなく、トップ選手たちが教科書を作っているのです。正しいフォームを身に着けたらトップランカーになるのではなく、トップランカーが正しいフォームを決めているのです。そのために、テニスの技術には「流行」が発生します。つまり、その時その時で、時代とともに教科書の内容は変わり、いまだに何が正しい技術なのかを理解している人がいないのがテニスです。同じサイズのコートで、同じ規格のボールを使い、同じ規格のラケットを使っているにもかかわらず、です。(ラケットはずいぶん進化しましたが。)

このブログでは、現在の教科書を追いかけるのではなく、1980年代後半のメシールのテニスを分析してきました。そして、私自身がその技術を実証するために、コート上で試行錯誤してきました。

その経験の中で最も難しいと感じることの一つは、「ピースが一つでも足りないジグソーパズルは未完成である」ということです。部分部分は正しいフォームであっても、たった一つが足りないために、スイング全体としては0点になってしまうことがあります。

これは、特にテニスという複雑なスイングにおいては無視できないジレンマです。どこかで妥協して60点のスイングで納得するか、あくまで100点を目標にしてそれまでは0点でも我慢するか。

先日、あるテニスのインストラクターと話す機会がありました。そのインストラクターは、私に前者を勧めました。おそらく、ほとんどのインストラクターやコーチは、前者を勧めるでしょう。そして、60点を70点に、70点を80点に積み上げていけばよい、と言うでしょう。

が、私はそれを良しとしません。なぜならば、60点のフォームを70点にアップグレードすることはそんなに簡単ではないからです。多くの場合、60点のフォームを70点にするために、一度0点に戻すか30点に戻すか、これまでのフォームの多くの部分を解体しなくてはならないことがあります。

テニスのフォームは、積み上げ型ではありません。積み上げ型であれば、10点分を単に足し算すればよいのですが、そんな単純ではないのです。60点のフォームを完成させれば、多くの場合はそのまま60点のフォームでテニスをすることになります。70点に、80点に上げるためには、一度グレードダウンをする覚悟が必要です。その難しさを理解せずに、テニスの上級者は簡単に「上達」という言葉を使います。

テニスのフォームを理解する際に大切なのは、最初から「ピースが欠けたジグソーパズルは0点になる可能性がある」ことを知っておくことだと思います。「理屈では正しいはずなのに、ボールが思うように飛ばない」のであれば、ほかに修正個所があるということです。そこで、せっかく正しい部分を調整して、結果的に60点のフォームにならないように気を付けたいのです。

正しいフォームを一つ一つ積み上げること。そして、完成までは安易な妥協をしないこと。これがテニス技術習得において重要なことなのではないかと考えています。

2013年10月14日月曜日

Mecir's Tennis (195) 左手主導ではない!

ちょっとしたことですが、とても大事なことがあります。タイトルの「左手主導ではない!」は、右利きのフォアハンドについてのメッセージですが、そんな「ちょっとしたことだけれども大切なこと」の一つだと思います。

最近の多くのテニスプレーヤーのフォアハンドストロークは(右利きの場合は)左手主導型だと思います。つまり、フォワードスイングで左手がまず前に出て、それに引きずられて右手が出てきます。左手が体の回転とスイングを誘導するのです。

例えば、下のナダルのフォアハンドです。右腕(右利きであれば左腕)で体を回転させた後で体は正面を向いていますが、ラケットを持つ左腕(右利きであれば右腕)はまだインパクトすらしていません。おへそはネット方向(12時方向)を向いているが、ラケットを持つ手はまだインパクトをしていないのです。つまり、ラケットを持つ腕が体の回転(フォワードスイング)に対してかなり遅れて出ていることがわかります。


さて、メシールのフォアハンドはどうでしょうか。フラットドライブ系のメシールのスイングは、最近のスピン重視のスイングとはちょっと異なります。脳内イメージで言うと「左手主導型」ではなく、「左手と右手が一緒に動く」イメージです。

左手が主導しないので、スイングの意識は右手で振る(より正確には両手を同時に振る)イメージです。両手で同時に振るというのは、例えばハンマー投げのイメージかもしれません。

言い方を変えると、徳島の阿波踊りのように両手が平行にうごく脳内イメージです。(とはいえ、これはあくまで脳内イメージであって、実際のスイングでは両手が平行に動くことはありません。)



この脳内イメージを別の表現をするならば、右腕主導でスイングするが、左手も動かすという事になります。右手だけでラケットスイングをして、左手は死んでいる(たとえば垂れ下がっている、折れ曲がって体にくっついているなど)状態はNGです。

あくまで、右腕が動きながら左腕も同じ方向に動く(回転する)のです。もちろん、その際、両肩がそれと一緒に動きます。以前書いた、「えもんかけの理屈」です。

スピン系のボールは、インパクトよりも前にラケットスイングが加速します。加速する途中でラケットはボールをヒットします。この場合は、左手で先にスイングを開始し、ラケット速度を稼いでから、右手でインパクトという手順で打つことができます。

一方、イースタングリップなどの厚い当たりのフォアハンドは、インパクトよりも先にスイング加速が始めるイメージではありません。ラケットをボールに当ててからボールを強く押し出すイメージです。したがって、インパクト前にラケットスイングを加速してしまうと、インパクト後に大きなフォロースルーが取れないフォームになってしまいます。

これが、両腕が平行になる、左手主導にならない理由です。

この「阿波踊りスイング」のためには、テイクバックで左手が体の前に来なくてはなりません。つまり、フォアハンドテイクバックで左手をラケットに添えておくのです。そうすると、自然に左手は体の前に来ますので、その後フォワードスイングで両手を同時に回転させればよいのです。

実際にスイングをしてみればわかりますが、両腕を同時に使うとメシールの打ち方では力の使い方がとても効率的です。腰の回転と両腕の回転が同期しますので、力の制御がしやすいのです。薄いグリップのプレーヤーは試す価値があると思います。

メシールのフォアハンドはスイングが(驚くほど)ゆっくりだと言われていました。その理由も、左手と右手が腰や肩の回転と一緒に行われることによるものだと思います。



2013年10月10日木曜日

ガエル・モンフィス ~今、ナダルに勝てるプレーヤー~

今(2013年)の現役のプロテニスプレーヤーで、ミロスラフ・メシールに一番近いと思うのは誰か?
今(2013年)の現役のプロテニスプレーヤーで、私が見ていて一番楽しいのは誰か?

私には、この二つの質問の答えは、同じです。

ガエル・モンフィス。フランスの黒人テニスプレーヤーです。

現在行われている上海での大会で、モンフィスはフェデラーに勝って4回戦に進みました。私は、モンフィスのプレーを見るのが好きです。怪我が多くて、なかなか上位ランカーになれないモンフィスですが、現在のトップ選手の誰にでも勝つ力を持っていると思います。

プレーが柔軟で、イマジネーションにあふれていること。
相手のボールの力を一度ラケットが吸い取って、力をのあるボールを打ち返す技術。
無駄な力が一切なく、体を効率的に使って打つことができる。

こんなところが、メシールとそっくりで、そして魅力的です。

無駄な力が少なく、生きたボールを打つことができるのは、ナダルと正反対です。150の力で150のボールを打つナダルと、80の力で120のボールを打つモンフィス。

いつかモンフィスは、ナダルに勝てるような気がします。ナダルのような力のテニスを、技のテニス(と言ってよいでしょう)のモンフィスが打ち破るところを、是非見てみたいです。

ナダルがこれでもかという力で打ち込むボールを、その力を吸収して、ナダルが嫌な場所に軽々と運ぶモンフィス。そんなシーンが目に浮かぶのです。そのテニスは、ジョコビッチにも、マレーにも、すべてのプレーヤーに対して有効な技術となるでしょう。

2013年10月8日火曜日

Mecir's Tennis (194) 結局スイングは膝主導・膝が使えないとネットが増える

グランドストロークは腕で打ってはいけないと言います。背筋を使うのが効果的だと言います。肩をえもんかけのようにして回転すると言います。スイングを主導するのは腰の回転だと言います。

しかし、一番の主導、そして主動となるのは膝です。膝がスイングを支配します。ニーワークです。

面白いことですが、テニスでグランドストロークの技術は、末端の技術ほど上級者とそうでない人で差が際立ちます。末端というのは、つまりスイングの中で一番最後に来るものということです。

スイングでは、最後に手がラケットを振ります。その前が腕です。そして肩の回転です。その前に来るのが腰です。膝は一番最初です。

グリップや腕の振りは個性が出ます。また、技術も明確に出ます。肩の回転や腰の回転は、腕の振りほどではないですが、タイミングなどは技術が出ます。

それらと比べると、膝は地味です。違いも分かりにくい部分があります。

が、膝は最も重要です。腕の振り方、肩のまわし方、腰の回転などの「目に見える技術(スイング)」が見に着いたら、つまりそれらを意識せずにも正しいスイングができるようになったら、プレー中の意識をすべて膝に置きましょう。

ステップワーク、ボールの高低への対応、スイングのタイミング、これらはすべて膝によって主導します。

膝が使えなくなったら、結果にすぐに表れます。ボールがネットし出します。私事ですが、先日、ある大会で敗退した後、知り合いに「前半はネットが多かったね」と指摘されました。私は、なるほどと思いました。自分ではネットが多いと意識していなかったのですが、確かに膝が使えていないなとゲームの後半で気付いたからです。

私は、「テニスからテニスへ」というブログを愛読しています。技術的には素晴らしい解説が、そこでは展開されています。そして、膝が使えないとネットが増える、というそのままの記事を見つけました(記事はこちら)。