2012年3月29日木曜日

メシールのテニス(60) 再びフォアハンドの基本(テイクバックでのタイミングの取り方 その2)

テイクバックでのタイミングの取り方は、メシールのフォアハンドでは、意外に難しいのです。実は、メシールのフォアハンドテイクバックは、2段階から構成されます。

メシールのテニス(59)で書いた大きなテイクバックと、その後の小さなテイクバックです。

相手のボールが遅くて余裕があるときには、メシールのテニス(59)で書いた大きなテイクバックを取ります。相手のボールが速くて余裕がない時には、大きなテイクバックを取る時間的余裕がありません。

どちらの場合にも、小さなテイクバックを取ります。小さなテイクバックというのは、拳銃の引き金のように、ボールを打つ直前に、体(肩)を時計方向(ボールをヒットするのと逆方向)にひねります。その反動で体は時計反対方向(フォアハンドを打つ方向)に回転し、その勢いでボールを打ちます。

この小さなテイクバックは、ショートラリーの時でも、速いサーブのリターンでも、行います。(メシールのフォアハンドリターンでは、速いサーブの場合であっても、小さなテイクバックなしのブロックでリターンしてはいけません。)

小さなテイクバックでは、背筋を使います。
小さなテイクバックでは、自然と左腕が先導します。

2012年3月27日火曜日

メシールのテニス(59) 再びフォアハンドの基本(テイクバックでのタイミングの取り方 その1)

フォアハンドストロークを改造中です。年がら年中改造中なのですが、マイナーバージョンアップではなく、メジャーバージョンアップです。

どこを改造中か。

テイクバックを大きくとり、大きくスイングするフォームに改造中なのです。

メシールのフォアハンドのイメージは、小さなテイクバックでラケット面を作り、ボールを運ぶように打つというものですが、実はこれは、全く間違いです。

確かに、多くのスピン系プレーヤーほどの大きなテイクバックではないですが、しかし、たとえばコナーズやマッケンローのような小さなテイクバックで、ブロックするようなフォアハンドとは、本質的に異なります。

小さなテイクバックのフォアハンドには、スイングを相手のボールに合わせる必要がないという利点があります。テニススクールでよく言う「ボールが飛んできたら、早くラケットを引きましょう」という必要がないのです。

スピン系プレーヤーは、ボールに合わせて大きくテイクバックを取りますので、「早くラケットを引いてボールに合わせてスイングする」というのは、基本中の基本です。

メシールのようなフラット系フォアハンドは、フラットであるにもかかわらず(コナーズやマッケンローと違って)ボールに合わせてラケットを引く必要があるのです。そこが盲点で、このことに、案外気が付かないものです。

メシールのフォアハンドでは、「早めにラケットを引き、テイクバックのタイミングを、ボールを打つタイミングに合わせる」打ち方がポイントになります。

つまり、「スイングでタイミングを取る」ことが必要なのです。

そのために、いくつか気を付ける点があります。これまでにも何度も書いていることもありますが、まとめてみます。

1)ボールの飛球線に対して、体を十分に左側に持ってくること。テイクバックでは、両肩を結ぶ線とボールの飛球線が平行になるイメージです。

2)体の中心を背中の腰骨あたりにおくこと。背筋でもなく、足でもありません。意識を、腰骨に置くのです。これにより、背筋でボールを打つことと、上体を寝かさないことが、無意識にできるようになります。

この1)と2)は、同時にフォワードスイングを左手で主導することができるようになるという点で有効です。フォワードスイングは、絶対に、どうしても、左手の先導(船頭?)が必要です。右腕でボールを打つと、右腕に推進力とコントロールの2つの役目を負わせることになり、その分だけコントロールが不安定になります。

上記の1)と2)に加えて、「早くラケットを引きテイクバックでタイミングを調整する」「ボールをヒットする際に左足を踏み出す」などを加えることで、きれいで無駄のない、力の入らないフォアハンドストロークが完成します。

そうです、スイング中には腕に力が入ってはいけません。

腕に力が入らないためには、①レディーポジション(テイクバックでも)で肩の力を抜く、②ラケットを両手で持ち、できるだけ下の方で構える(腕をだらんと下げる)などが重要です。②は、より正確に書くと、へその前に両手のグリップを置くということです。常に、右手と左手は、へその前になります。

これにより、スイング中に背筋をたっぷり使い、できるだけ腕の力を使わないスイングが完成します。試合(ゲーム)でこの打ち方をするのはなかなか勇気がいるのですが、練習で意識することで、このような打ち方が段だできるようになるのです(なるはずです・・・)。

上記のすべてが、無意識にできるようになった時に、この、メジャーバージョンアップは完成と言ってもよいでしょう。それは、メシールのフォアハンドの完成に、限りなく近いのではないかと思います。

メシールのテニス(58) ドロップボールの処理(フォアハンド)

メシールのテニスの特長(特徴?)の一つは、ラケットが(異様に)重いということです。重いラケットでボールにパワーを与えます。メシールのテニスを目指す私のラケットは400gですが、もう少し重くてもいいかなという感じです。そのせいで、よく、周りの人に「軽く打っているように見えるのにボールが重い」と言われます。

これは、重いラケットの利点の一つです。しかし、重いラケットには、弊害もあります。その弊害の一つが、ネット際のドロップボールの処理です。

軽いラケットで強いスピンをかけて打つプレーヤーであれば、ネット際のボールをスピン系で強く、深く打つことができるでしょう。

しかし、私のようなフラット系でしかも重いラケットでは、速くラケットを振る(しかも、ボール進行方向に垂直に振る)ことは難しいのです。

その結果、ボールの処理は、どうしてもスライス系になり、ボールの滞空時間が長くなります。相手が、私の頭の上をロブで抜くには、絶好のボールになってしまいます。

ドロップボールをドロップボールで返すというのも一つの方法ですが、ボールに十分に追いついていない場合には、自分のネットに向かう勢いがボールのスピードを殺すことを難しくします。悲しいかな、年齢を重ねると、脚力もだんだんと衰えてきます。(歳をとってもドロップボールを打つことはできますが、拾うのが難しくなるのです…。)

さて、ではどのような対策があり得るのか。正直なところ、よく分かりません。

今、考え着くのは、次のいくつかの方法です。

1)できるだけ長く左手でラケットを持つこと。これにより、走りながらでもラケット面がぐらつきにくく、ボールを思う場所に運ぶことができる。
2)品位に欠けるのでいやなのですが、ラケットを短く持つ。これで、ボールをコントロールしやすくなります。
3)ボールの飛球線に対して、体を十分に外に持ってくること。ボールの打点が後ろになるので、その分だけ時間を稼ぐことができ、また、ボールの方向を隠すこともできます。

1)~3)のどれが有効なのか。今度、テニスコートで試してみます。

メシールのテニス(57) グリップの握り方(フォアハンド)

たかがフォアハンド・・・なのに、いくらでも書くことがあります。不思議です。

今回は、グリップの握り方について書きます。

皆さんは、フォアハンドグリップで、小指の外側に、どの程度ラケットエンドを余らせているでしょうか。または、どのぐらい、グリップエンドいっぱいまで握っているでしょうか。

現役時代のメシールのラケットは、驚くほど重かったそうです。私は、日本人男性としては平均か少し小柄な方(身長は168㎝)ですが、それでも、400gぐらいのラケットを使っています。おそらく、メシールは、450gとか、もしかしたら500gとかだったのではないかと思っています。(メシールの使っていたラケット、目の前にあったのに、ガラスの中でした。持ってみたかった…。)

私は、メシールは、ボルグと同じように、ラケットエンドを手で包み込むようにもって、ラケットの重さを最大限使って、遠心力でボールを加速してヒットしていると思っていました。ボルグのそして、自分でも、同じようにラケットエンドが小指の付け根あたりにあたるぐらい(=ラケットエンドが掌の中に来る)ように、フォアハンドグリップを握っていました。

しかし、あまりにボールが不安定であったため、ふと、逆に、少しだけグリップエンドを余してラケットを持ってみたのです。で、試にコートでボールを打ってみたら…。

驚きました。ボールのコントロール性がとんでもなく良くなったのです。手首はあまり使えなくなりましたが、手のひらの小指と薬指の付け根あたりがしっかりとラケットグリップ面を感じて、スイングでラケット面のぐらつきがはるかに少なくなったのです。

極端に言うと、ボールを打つ時に、ほぼ思ったところにボールを運ぶことができる感じ…というと、言い過ぎかもしれませんが、それに近い感じです。特に、ネットを挟んでのショートラリーで、その効果がはっきりとわかります。

手首を使ってヘッドスピードを出すことができなくなったために、心なしかボールスピードは落ちたかもしれません。しかし、その代わりに得たフォアハンドストロークの安定感は、多少のスピードを犠牲にするだけの価値があるモノでした。(もともと、ラケットが十分に重いので、その程度のヘッドスピードの犠牲は、たいしたことはないと思います。)

今まで、どうして、こんなことに気が付かなかったのか、不思議でしょうがありません。どこか、ボルグのフォアハンドのイメージが頭にあったのでしょうか。

もしかしたら、現役時代のメシールのフォアハンドは、ボルグと同じグリップの握り方だったのかもしれません。もしそうだとして、私は、この握り方については、自分の見つけた握り方で打ちます。メシールのテニスは、100%メシールをコピーすることが大切なのではありません。それほどまでに、今回の発見は、“目からうろこ”でした。