Mecir's Tennis (222)で、腕が遅れて出てくることを書きましたが、このうち方のよい点の一つは、最後に腕が出てきたときに、その腕を自由に使えることです。
腰の回転と腕によるスイングが一体になると腕の自由度が下がります(腰に連動せねばならないため)。逆に腕が後から出てくると、そのまま腕を使って自由な打ち方ができます。
メシールのフォアハンドが、しばしば「自由な打ち方」と言われるのは、その理由です。たとえば、ぎりぎりまで打つコースを隠すことができるのも、この自由さがあるからです。
このように腕を自由に使うためには、フォワードスイングがドアスイングになってはいけません。フォワードスイングの前半では、腰の回転に合わせて腕も一緒についてくることが必要です。Mecir's Tennis (179) 腕が遅れて出てくることと打点が後ろになることは別の話なのです! で書きましたが、右腕は右胸の前でセットされていなくてはなりません。
腰回転の後でボールを打つ段に、自由なスイングをするために大切なことが2つあります。
一つ目は、腕に力を入れないことです。極端に言うと、腕の力をほとんど抜きます。これは、腕をぶらぶらさせるということとは別です。Mecir's Tennis (179)で書いたとおり、腕の位置は右胸(右腰)の前に固定します。ラケットヘッドはネットの方向を向きます。腕をそこで固定した状態で、腕の力を抜くのです。実際には全く腕が動かないわけではなく一定のテイクバックがありますが、その場合でも極力、腕には力を入れません。
もう一つは、肘をわずかに曲げておくことです。スイングの途中で右ひじを伸ばしてはいけません。インパクトでボールを捉えるまでは、右ひじを少し曲げておくことで「遊び」を作ります。この遊びにより、微妙な調整やコントロールができます。そして、ボールをインパクトした後に、その右ひじを伸ばしていきます。今度は、ボールに体重を乗せ、ボールを前方に運んでいくのです。
メシールのスローモーションのフォアハンドの映像を見てみてください。テイクバックからフォロースルーで腕の力が抜けて、さらにボールヒットの前後でも右ひじがわずかに曲がっていることがわかります。これがスイングのゆとりを生んでいるのです。
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