2012年5月6日日曜日

メシールのテニス(67) フォアハンドでは腕に力を入れない

今まで、メシールのフォアハンドの上体の動きを丁寧に追いかけてきました。その分析は、おおよそ的確であったと思っています。私自身、その技術を、数年かけて身に着けてきました。ビデオを観ると、初期のころと現在では、私のフォアハンドは、かなり異なるフォームになっています。つまり、改善され、メシールの技術を身に着けてきているということっです。

コート上では、しかし、それが逆効果になることがあります。正しい上体の動きを身に着けたことが、逆に、正しくボールを打つことができない原因になりえるということです。

それは、膝の使い方です。実際に飛んでくるボールをヒットする際には、上体だけが正しいフォームになっていても、ボールを安定にヒットすることができません。膝の使い方、いわゆるニーワークが必要です。

これは、わかっているようで、実は、大切なことを意味しています。

フォアハンドにおいて、フォワードスイングでは、利き腕(右腕)に力を入れる必要はありません。大げさに書くと、腕には全く力を入れなくてもよいぐらいです。(もちろん、これは比喩ですが、脳内イメージでは、そのぐらいまで腕を脱力してもよいのです。)

ではどこに力が入るか。①膝のばねを使う、②背中(背筋)でボールを打つ、の2点が重要です。さらに、③左手が体を回転させる先導力となります。④ラケットワークでは必ず、ボールを打ち出す方向に押し出します。

上記の①~④だけを考えて、コート上ではボールをヒットすればよいのです。あとは、⑤ボールが飛んでくるのに合わせてテイクバックをし、ボールがバウントしたところからフォワードスイングをスタートする(=振り遅れないように、自らボールを打ちに行く)ことが大切です。また、⑥ボールは右腰で見ます。左手と右腰で体の回転を先導します。①~⑥を守れば、ラケットを振る腕に力を入れる必要はないのです。

今まで、①の膝を使うという点を、明確にはしていませんでした。しかし、よほど打ちやすいボールではない限り、ニーワークなしではボールをヒットする際のアドジャストメント(調整)が困難です。私のミスは、この調整を、上体の正しい動きだけで行おうとしてきた点です。


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