2012年ウィンブルドン男子決勝であるマレーVSフェデラー戦の、リアルタイムレポートです。
第1セット。セットの序盤でフェデラーのマシンはマレーのボールへの調整に時間がかかったが、第3ゲームか第4ゲームあたりから足(フットワークも)の微調整も完了。3-3あたりから、フェデラーペースになってきた。フェデラー4-3からのマレーのサービスゲームがデュースに。マレーは、いいファーストサーブを入れ続けないと苦しい状況に。せっかくのゲームポイントでマレーのドロップショットは拾われる。ショートゲームは、よほどでないとフェデラーには通用しない。フェデラーが再度ブレークされてから、フェデラーはバックハンドをハードヒットする作戦に。第1セットはフェデラーが落としたが、このスタイルの変更が、第2セットにどうつながるのか?
第2セット。フェデラーはバックを強打し続けるが、むしろ、フォアハンドがやや打ち負けてきている。マレーがブレークポイントをここまですべてしのげているのは、まさに英国民の後押しか?マレーは、第2セット、ミスが少ない。本来は、フェデラーの方がミスをしてはいけないのだが、マレーのプレーの堅実さが目立つ。ポイントを取られる時も、最低限の抵抗をしている。自分からミスをしない。一方で、フェデラーの深いボールが、やはりまだアウトする。
解説で言っている通り、マレーのコーチであるレンドルはついにウィンブルドンをとれなかった。マレーの夢は、レンドルの夢でもある。マレー5-6の15-0からのショットは、そんなレンドルの想いがこもっているのかもしれない。その後、30-15から珍しいマレーのミスショット。こうなると、深いボールがアウトになるかインになるか、その違いですべてが決まる。しかし、最後、素晴らしいラリーからフェデラーが一本でセットを取る。先日のジョコビッチの時と同じプレーだ。
フェデラーが強いマレーのハードヒットショットに振り遅れることなく対応した時、予想通り、フェデラーのペースになる。第3セットの最初のマレーのプレーがカギとなる。このフェデラーに翻弄されてしまっているか。それとも、自分のプレーを辛抱強く続けることができるか。ミスさえ減らせば、マレーのプレーはフェデラーに十分に通用する。
第3セット。フェデラーの攻撃が多彩になる。解説の土橋さんが言うように、フェデラーのスピンボールの質がよくなって、ボールがバックアウトしにくくなってきている。マレーは、それに合わせてはいけない。正攻法が一番の攻撃力となる。フェデラーがなどのマレーのサーブでブレークポイントまで追い詰める。しかし、マレーはサーブ力で逃げる。このあたりは、力の勝利だ。クレーコートではありえない展開。しかし最後は、フェデラーが逃げ切った。マレーのファーストがかなりの確率で上がらないと、マレーは苦しい。
第4セット。2‐2からフェデラーがマレーのサーブをブレーク。最後のポイントは、第3セットの最後のポイント同じせめぎ合い。このせめぎ合いになると、フェデラーは世界で一番うまいように思う。最後のフェデラーが放ったバックハンドパッシングショットは、このショットを打つためにフェデラーはいったい何本の練習をしてきたのかと思わせた。何本ラリーが続いても、フェデラーはこのバックハンドショットを必ず打つことができる。マレーは、このままワンブレークで敗れてしまうのだろうか。
第4セットの5-3からのマレーのサーブ。よくキープしたが、そこまで。流れを食い止める雰囲気には全くならず、フェデラーの集中力は決勝でも十分に発揮された。アウエーにもかかわらず、このプレー。素晴らしい王者だと思う。ロジャー・フェデラー。
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