2014年7月23日水曜日

Mecir's Tennis (235) 左肩がオープンなフォアハンド・左肩がクローズドなフォアハンド(1)

メシールのフォアハンドで、時々、肩(左肩)がオープンのままボールを打っているシーを見かけます。もちろん、足もオープンスタンスなのですが、体全体が前を向ているようなケースです。正面を向いて、ボールが体の右側にあるイメージです。

一方で、左肩が入って、両肩がボールに対してクローズドになることもあります。横を向いて体の正面ネット方向を0時とすると、体に対してボールが3時の場所にあるイメージです。

この二つの打ち方を、メシールはどのように使い分けているのでしょうか。一言でいうと、バウンドする場所の違いです。

ボールが深くてベースライン近辺でバウンドする場合には、前者の打ち方をすることがあります。(後者の打ち方の場合もあります。)

一方、ボールが浅い場合(サービスラインあたりでバウンドする場合)や、やや深めでもゆるく高く弾むボールなどの場合には、絶対に前者の打ち方はしません。必ず、体をボール飛球方向に対して9時側に移動し、横を向いて打ちます。

特に、浅くてボールが弾む場合、つまりチャンスボールでは肩は必ず0時と6時を結ぶ方向になります。肩が開くことはありません。

以前、Mecir's Tennis (225)でフォアハンドチャンスボールの打ち方を説明しました。右腰を前に突き出すのですが、その場合ですら左肩はネット方向(0時の方向)を向きます。左肩が0時方向で右腰を突き出すので、かなり体をひねっていることになります。

浅くバウンドするボールの場合に肩を開いた打ち方ができないのは、この打ち方ではタメが作れないからです。「ぱっと来てぱっと打つ」場合にのみ、左肩を開いてボールを打つことができます。多少、バウンドが浅くても、相手のボールが速い場合にもタメは作れませんので、この打ち方ができます。

相手の技量が高ければ高いほど、深いボール、速いボールが来ますので、この打ち方をする機会が増えます。一方、相手の技量が見劣りする場合には、逆に浅いボール、高く弾むボールがよく来ます。その場合には、絶対に左肩を開いて打ってはいけません。タメが作れませんので、本来は易しい球を逆に難しくしてしまうことになります。

相手のボールが浅い、ゆるく跳ねるなどの場合には、これでもかとボールの9時側に回り込んで、しっかりと左肩を入れてボールを打ちます。左肩を開くのはもちろんNGですが、左肩が入りきらないだけでもNGです。つまり、左肩が9時方向はNGですが、10時でも、11時でもNGです。しっかりと、12時方向を向けなくてはなりません。

相手のボールが速い場合にはオープン左肩で打つのであまりステップが必要ありませんが、相手のボールが緩い時にはボールの9時側に回り込み、勝左肩を十分に入れるため、ずいぶんと忙しくなります。動きも大きくなり、ステップ数も格段に増えます。遅いボールを打つプレーヤー(一般にはよりレベルが高くないプレーヤー)ほど、メシールの側は足を動かさねばなりません。

一般の人がメシールのフォアハンドでボールを打つのが難しく、特に遅い球に意外に弱いのは、上のことを忘れてしまい、遅い球でも左肩を入れずにフォアハンドを打ってしまうためです。特に、一級前のボールが速区、次の球が遅い場合に、ミスをしがちです。速い球に通用する打ち方が、遅い球にも通用するとは限らないのです。一球、一球のボールごとに打ち方を変えて対応しなくてはなりません。

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