2012年12月28日金曜日

メシールのテニス(94) 一般的なスピン系のフォアハンドとのフォワードスイングの違い

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)


メシールのフォアハンドは、「手が遅れて出てくるように見える」とよく言われます。そして、それは正しいのです。

私は、いろいろな人からフォアハンドについてアドバイスを受けましたが、どうしてもそれが自分のものになりませんでした。なぜなら、アドバイスは、「今時のスピン系の打ち方」を前提としているからです。上図のように、腕が体と連動して(巻き付いて)フォワードスイングをする打ち方です。

この打ち方では、下の図に示すように、薄いグリップの場合は、ボールが左方向に飛び出してしまいます。そのため、体全体を1時~2時方向に向けることになってしまい、相手に背中を見せるような不安定なフォームになってしまうのです。

これを避けるためには、まず体を回転させ、その後から腕を振るイメージが有効です。図に、イメージを示します。腕が遅れて出てくる(腕のフォワードスイングが体のフォワードスイングの後になる)ので、少し、「手打ち」のように見えます。実際、スピン系のうち肩と比べて、腕のフォワードスイングで腕を(多少)使いやすいのが、メシールのフォアハンドの利点です。(ボールコントロールの余裕ができるのです。)

ここで大切なのは、体の回転のタイミングは、スピン系の打ち方よりも早い(速いではなく早い)ということです。スピン系と同じタイミングで体を回転させると、腕はそれよりも遅くなります。つまり、振り遅れてしまいます。腕を振るタイミングがスピン系と同じになるのです。言い換えると、体の回転のタイミング、すなわちフォワードスイングの起動は一般よりも早くなります。

先に体を回転してフォワードスイングをリードして、(腕には力を入れず)腕を体の回転で引き出してくるようなイメージが近いかもしれません。フォワードスイングを体の回転が支配しますので、腕で振るという感覚はないはずです。

したがって、テイクバックでラケットを引きすぎるのは禁物です。(メシールの静止画像で、テイクバックでラケットが背中側に回っているのは、テイクバックからフォワードスイングに切り替える際の、車のブレーキでいうところの「あそび」の部分なのです。)




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