メシールは現役時代、解説者から「スイングスピードが信じられないぐらい遅い」と言われていました。「精密に測定したら、ラケットのガットにボールが接している時間がコンマ数秒長いのではないか」と言うコメントも効いたことがあります。
ゆっくりラケットを振ってボールをしっかり押し出す。まさに「一昔前のテニス」の基本通りです。
しかし、ゆっくりラケットを振るという事は、実は、速くラケットを振るよりも忙しいのです。
ゆっくりラケットを振ろうと意識すると、それまでの準備もゆっりになってしまいがちです。が、それは正反対です。
ゆっくりラケットを振ることができるのは、ラケットを振る準備が十分にできているからです。つまり、速くラケットを振る場合よりも準備を急がねばならないわけです。
早くステップワークをして、早く構えて、早くテイクバックをして…やっとゆっくりとラケットを振ることができるわけです。
ゆっくりとラケットを振るメシールのフットワークや準備が、決して忙しいように見えなかったわけ。実際には、ゆっくりと準備をしていたわけではありません。では、なぜ、準備もゆっくりしているように見えたのか。
それについては、別項で書きたいと思います。
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