2013年5月6日月曜日

Mecir's Tennis (151)  最近のテニスには使えない打ち方?!

このブログは、スロバキア(選手時代はチェコスロバキア)のプロテニスプレーヤーであるミロスラフ・メシール(メチール)のテニスについて考えるブログです。メシールは、最近では主流ではないイースタングリップのフォアハンドプレーヤーであり、フォアハンドについては最近のテニススタイルとは異なる点が多々あります。

今回は、その中でも恐らくかなり現在のテニススタイルとは異なるフォアハンドの打ち方について書きます。したがって、メシールのテニスに興味のない方には参考にならないと思います。参考にならないというよりも、最近のテニス理論とはかなり違うので納得がいかないかもしれません。

いつも通り、これは脳内イメージですので、実際にはこの通りになっているわけではありません。「方法」と「結果」の違いでも書きましたが、大切なのは方法の説明であって結果の解説ではないことを思い出してください。

さて、メシールのフォアハンドですが、まず、そのスイングスタイルを分かりやすく例えるならば、何に近いかを考えてみました。良い例がなかなか浮かばないのですが、一番近いのはボーリングの投げ方だと思います。フォアハンドストロークの打ち方がボーリングのボールの投げ方に近いのです。ウソのようですが、かなり近いと言ってもよいと思います。以下に、その脳内イメージを説明します。


メシールのフォアハンドでは、まずラケットを持つ右肘を緩やかに曲げます。右肘はまっすぐではだめですし、曲げすぎて力が入りすぎるのもダメです。自然に緩やかに曲がった状態です。(原則的には、スイングの間、右肘はずっと緩やかに曲げておきます。)

上腕部、肘から先、ラケットは同じ面内におさまります。これは、つまり、手を甲側や掌(てのひら)側に曲げないという事です。イメージとしては、運動会の行進の時の手の使い方に似ています。

さらに、ラケット面も同じ面内になります。この面は、地面に垂直に近くなります。(体の構造上、完全に垂直と言うわけではありません。)この場合、親指はこの面内で前方向(スイングする方向)にあります。


さらに、スイングですが、この面内で行います。つまり、親指方向にそのままラケットを下から斜め上方向に振り上げます。肘も軽く曲げたままです。そうすると、ラケットは面でなくフレームでボールを打つことになってしまいますが、これはあくまで脳内イメージです。実際には、ラケット面でボールを打つはずです。この点は、正しいサーブを打つ「コツ」(2)で書いたとおりです。どうも、人間の本能で、上図のイメージでラケットを振っても、実はラケット面側でボールを捉えるようなのです。(その理由は、私にはよく分かりません。)

上図で示したスイング面ですが、図では地面に垂直になっていますが、実際には多少傾くはずです。完全に地面に垂直ならずに、ボールに合わせて傾いた面内でスイングしても構いません。ただし、傾いていてもよいのでその面内でスイングをすることが大切です。スイング面とラケット面がずれてはいけません。

また、その面は、ネット方向から傾くこともあります。インサイドアウト方向やアウトサイドイン方向など、打つボールのタイプや方向によって異なります。(下図を見てください。)

このスイングで(と言うよりも、どのスイングでもですが)大切なことは、フォロースルーまでしっかりと振り切ることです。また、フォロースルーではできるだけ長くスイング面とラケット面を一致させることも大切です。(つまり、ラケット面をこねないようにするという事です。)スイング中に力を入れる必要はありません。むしろ、ラケット面でボールをしっかりと触り、そのままフォロースルーまで大きなスイングでボールを運ぶイメージが有効です。もし、力を入れるのであれば、どちらかと言うとフォロースルーの時に入れる方がよいぐらいです。


この稿で書いたことをまとめてイメージすると、まさにボーリングの投法に似ているように思います。(と言っても、私はボーリングの正しい投げ方を知りませんので、ボーリングの専門家には「全然違う」と言われるかもしれません。そのあたりは、野球の投球フォームとテニスのサーブが違うというのと同じですね。)

なお、アプローチショットはラケットを横に振るで説明した打ち方は、この打ち方をそのまま使います。つまり、体の前にこの面を置いて、親指方向にラケット面を面内においてスイングします。方向がちょっと違いますが、車のワイパーのようなイメージです。繰り返しますが、スイング面内にラケット面が含まれており、親指からスイングします。

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