2013年7月15日月曜日

Mecir's Tennis (172)  サーブのフォームと野球の投球フォームの違い(サーブではどこに力を入れるか)

これまで、何度か、テニスのサーブのフォームと野球の投球フォームの違いを書いてきました。
ちょっと考えると分かるのですが、サーブと野球の投球フォームでは、決定的に違うことがあります。それは、野球では左足(右投げの場合)を上げてボール投げるが、テニスでは足を上げないという事です。

そんなの当り前…なのですが、これが、いろんなことを示唆しているように思います。

まず、テニスのフォームで(野球の)ピッチングをしたらわかるのですが、いわゆる「女の子投げ」になってしまいます。左足が地面に着いたまま(またはほとんど着いたまま)では、下半身が使えないので、上体だけでボールを投げざるを得ません。

にもかかわらず、テニスでは、力強いボールを打たねばなりません。さて、どうすればよいか。

多くのポイントがあると思いますが、いくつか、挙げてみたいと思います。
  • 腕や肩に力を入れない。
腕や肩に力を入れると、ボールを打つ力がそこに集中してしまいます。下半身が使えないテニスのサーブでは、局所的に力を入れることは、フォームが不安定になります。一球、二球はよい球がいっても、連続で打ち続けることは容易ではありません。
  • 右手首を使わない
野球の投球フォームとの大きな違いの一つは、右手首の使い方(右利きの場合)です。テニスでは、フォワードスイング(インパクト直前)までは右手首を使いません。しかも、手のひら側に曲げるので、(野球経験者はとくに)手首は固定しておくほうがよいのです。野球では、「スナップを効かせる」という言葉がありますが、手首を手の甲側に曲げて投げます。ボールをリリースする瞬間に、手首を今度は手のひら側に倒します。この癖があると、テニスではかなり苦労します。フォワードスイングで手首が手の甲側に倒れると、ラケット面が開いてしまいます。そうなると、ラケットはネット方向にスイングされ、フラットボールしか打てなくなるのです。
  • 体全体を使う
したがって、テニスの場合には、できるだけ体全体を使ってサーブを打ちます。クイックサーブは(フラット系の場合を除いては)好ましくありません。大きなフォーム、とくに大きなフォロースルーでボールを打ちます。
  • 右手首だけ、または右肘より先にだけ力を入れる。
体全体に力を抜くのはよいのですが、ラケット面の微妙な違いがボールの安定感につながります。
前述のとおり、手首を手の甲側に倒すのは、テニスのサーブでは絶対にしてはいけないことです。フォワードスイング(のインパクトに近いタイミング)までは、右手首は手のひら側に倒しておきます。このことを考えると、手首にだけは少し力を入れてラケット面を固定することが有効になる場合があります。(特に、無意識に手首を功側に倒してしまう野球経験者には有効です。)さらに、右肘から先にだけは少し力を入れて、スイングの間はラケットから腕までを固定するとサーブが安定します。
  • テイクバックでは特に腕に力を入れない
サーブでは、テイクバックで、ラケットヘッドが地面を向くぐらい下に落とします。これは、スピン系の回転のかかったサーブを打つ場合には必須です。腕に力を入れず(むしろ抜いて)、これによりラケットを担いだ時にラケットヘッドが下に落ちます。
  • ボールを打つ時は背中に力を入れる
ボールをヒットする際に力を入れるとすれば、背中(背筋)です。背中に力を入れる分には、入れすぎるという事はありません。ラケットヘッドが下に落ちているという事は、そこからラケットを振り上げなくてはなりません。それは背筋の仕事です。

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