2013年9月9日月曜日

Mecir's Tennis (183) オープンスタンスのポイント:左ひざを折り込む

メシールは、プロテニスプレーヤーの中で初めてオープンスタンスを主体としてフォアハンドを打った選手だと言われています。より正確に言うと、ほとんどのボールをフォアハンドで打った初めての選手がメシールです。実際、メシールのビデオを観ていると、短いボールなどを除いては、ほとんどのフォアハンドショットをオープンスタンスかセミオープンスタンスで打っています。

今は一般的なこの打法ですが、メシールが活躍した1980年代は、フォアハンドは左足(右利きの場合)踏み込んで打つというのが基本であり、常識でした。メシールの同時代にもっとも強力なフォアハンドヒッターであったイワン・レンドルなどがその典型でしょう。レンドルはオープンスタンスでボールを打つこともありましたが、パンチ力のあるボールを打つ時にはしっかりと左足を踏み込んでいました。

オープンスタンスでフォアハンドを打つ場合に気を付けることはなんでしょうか。いくつか重要なポイントがありますが、そのうちの一つが左足です。

写真は、メシールのフォアハンドのテイクバックです。オープンスタンスです。左足に注目してください。この時、左足は、①膝が折れて沈み込んでいる、②膝が前ではなく横方向(2時~3時方向)を向いている(そのために左のくるぶしがネット方向を向いている)ことが分かります。それに合わせて、③右足も折れている状態となります。③は、左足が折れていますので右足が伸びていると、両肩が地面に水平にならないという点で必要です。

写真を見ると、両足のつま先がネット方向ではなく、横方向(2時~3時方向)を向いていることが分かります。つまり、体全体が横方向を向いているわけです。

この、左足の膝を内側に折り込む(絞り込む)状態を作ることが、オープンスタンスのフォアハンドでは重要です。脳内イメージとしては、膝の外側をネット(相手方向)に向ける感覚がよいかもしれません。

この姿勢を作ることで、自然に体の全体が横を向き、左肩が前(ネット方向)に出て、左手が前(体の前)に伸びる上体が出来上がります。骨盤が時計方向に回転し、その後のフォワードスイングの準備が出来上がります。体が横を向いているので、体が開きにくい上体です。しかも、そのまま、インサイドアウトでラケットを振ることができます。(⇐インサイドアウトのコツ





このフォームは、左足を踏み出して打つ場合(スクエアスタンス)には不要です。あくまで、オープンスタンスで打つ場合のポイントとなります。

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