それは、メシールは(ちょうどレンドルのように)「どたどた」「どたばた」とは走らず、むしろ「すっ」と、別の擬音語を使うと「するする」と動いていたという事です。
メシールのビデオをみて、メシールの『最初の動き』をよく分析してみました。相手がボールを打った時に、どのようにメシールの体が反応しているか。今と違い、クオリティーの低いビデオの時代のプレーですので、正確な分析はできません。
が、よくよく見てみると、メシールのプレーでは、相手がボールを打つとまず足が動き始め、ボールがバウンドしてインパクトを迎えるまで、少しでも良い体勢で打つように足を動かし続けています。一方で上体は最小限の動きしかしておらず、かなりコンパクトなスイングです。(メシールのプレーをご存知の方であれば、このコンパクトさはよく分かると思います。)
最初の一歩目が極めて早いという事はありません。「アンティシペーション(anticipation:予測)がすばらしい」と評されていたメシールですが、相手が打つボールを予測して動いているようには見えません。
ただ、相手のボールがネットを超える前から、最初の一歩目を動かしています。速い時には、ボールがネットを超えるまでに2,3歩も動くことがあります。
動かす足にルールはなさそうです。右足から動くことも、左足から動くこともあります。
メシールのフットワークのルールを、ビデオを観る中でまとめると、次のようになりそうです。
- 相手ボールがネットを超える前には足が動き始める。最初に動く足にルールはない。
- (ランニングショットを除くと)ボールがバウンドするまでに足の位置(特に軸足の位置)を決める。
- 上体はシンプルに使う。ボールの変かは、基本的には下半身の動きでコントロールする。
とくに、2がメシールがビッグキャットと呼ばれている理由ではないかと思います。ボールがバウンドした時点で軸足ができており、メシールはそこ(=ボールがバウンドしたタイミング)からフォワードスイングに入ります。それは、まるで、ボールをフトコロに呼び込んで、自由自在にボールを打ち分けているように見えます。
相手がボールを打ったら(ボールがネットを超えるまでに)素早く動き始め、ボールがバウンドするときには軸足を決めている。これが、メシールのフットワークのポイントのようです。
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