2014年1月20日月曜日

Mecir's Tennis (213) バックハンドでラケット面が開かないこと

フォアハンドの技術についての話題が圧倒的に多いこのブログですが、今回はメシールのバックハンドについて書きます。

フォアハンド同様にバックハンドもテイクバックでラケット面が開く(上を向く)のはよくありません。よくないというよりも、ラケット面は絶対に上を向いてはいけません。

ラケット面がテイクバックで真上を向く人はいない(真上を向いたらスライスしか打てません)ですが、上を向いてはいけないというのはそういう意味ではありません。ラケット面の法線方向は、常に水平よりも下を向いていなくてはいけないということです。

これは、フォアハンドと全く同じです。テイクバックでラケット面が上を向いてしまうと、ラケット面はそのまま下から上の軌道を取った時に、順回転のかからない全くのフラットボールを打つことになります。

両手バックハンドは片手で打つフォアハンドと比べてスイング中にラケット面がぶれにくいので、それでもフォアハンドほどは不安定になりません。また、両手バックハンドは片手で打つフォアハンドのように腕でスイングすることができない(体の回転でしかスイングができない)ので、スイングスピードもフォアハンドほど出ませんので、フラットにボールを打ってもボールがすっ飛んでしまいにくいという特徴があります。

とはいえ、それでもラケット面(の法線)が水平よりも上を向いてはよくありません。何よりも、順回転がかかったフラットドライブボールを打つことができません。(ましては、ヘビースピンは打てません。)

では、どうすればよいか。ここでは、ラケットを縦に使う脳内イメージを活用します。つまり、ラケット面上で縦方向(ラケットのブリッジ=付け根方向からラケットのトップ方向)にラケット面上でボールを転がすイメージです。順クロス、ダウン・ザライン(ストレート)、逆クロスのそれぞれについてこのイメージでスイングをします。ボールを運ぶ方向に、いわゆる「縦振り」をするわけです。

これにより、スイングはグリップ側から出て行ってラケットヘッドが遅れ出てくるイメージになります。また、(縦に長い)ラケット面を活かすことで、よりうまくラケット面上で回転をかけることができます。

何よりもラケット面がテイクバックで開きにくくなります。ラケット面がテイクバックで開いていると、逆クロスには打つことができません。この、「ラケット面を縦に使って縦振りする」脳内イメージにより、逆クロスバックハンドも打つことができるようになります。

「バックハンド縦振り」の弱点は、スイングスピードを速くすることができないことです。縦方向に長くスイングするのが目的ですから、逆いうとスイングは長く大きくなります。「じんわり」と押し出していくようなイメージです。

が、それでよいのです。メシールのグランドストロークは、鋭く早くスイングすることでスピンの効いたボールを打つタイプではありません。ラケット面上で長くボールをホールドしてフラットドライブでしっかりと打ち出すのがメシールのグランドストロークですので、ラケット面の縦使いはまさにメシールのテニスなのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿