2013年1月8日火曜日

メシールのテニス(103) 高いボールは打点は前・腰の高さのボールは打点は後ろ


メシールの薄いフォアハンドグリップは、打点が(一般的なスピンボールと比べて)後ろだと思われています。それは正しいでしょうか。

正解は、YESでもあり、NOでもあります。打つボールの種類によって、打点が異なります。

腰の高さのボールを仮定すると、スピン系のボールになるほど(当然ですが)打点は前になります。これは、グリップに関係なく、一般的なことです。メシールの場合も、同じです。

ボールに押し込まれて、またはわざと打点を遅くして打つ場合は、(バギーホイップなどの打ち方をするのでなければ)ボールはフラット系の厚い当たりになります。この打ち方は、厚いグリップのスピン系では難しいため、どうしてもメシールのフォアハンドはこのイメージが付きまといます。

そのために「メシールのフォアハンド=打点が後ろ(遅い)」と思われがちです。「攻める時は打点は前、守るときは打点は後ろ」というのが正しいイメージでしょうか。

アプローチショットや低いボールをすくい上げる場合、高い打点の場合などは、メシールでも打点はかなり前になります。特に注意すべきは、高い打点です。高い打点ではフラット系では打てない(ワイパー系でしか打てない)ので、メシールの場合も必ず打点は前になります。




GIFアニメーションはこちら。
Youtubeはこちら。

Mecir's Tennis (102) Mecir's Forehand #2 -Gif Animation (movie)


2013年1月7日月曜日

メシールのテニス(101) フォアハンドテイクバックでは右腕をたたみ気味に

メシールのフォアハンドでは、テイクバックの後半で右腕がたたみ気味になっています。 左前方から撮影した映像(GIFアニメーションはこちら/Youtubeはこちら)では、ちょうど、体の向こう側にラケットが隠れています。

この後、テイクバックのトップで右腕とラケットが背中側から見えていますが、かなり小さなテイクバックであることが分かります。

これは、メシールのフォアハンドテイクバックが小さいことを示しています。コートで試してみればわかりますが、このテイクバックは脳内イメージとしてはかなり小さいことが分かります。ほとんど、右腕を右肩の前で折りたたんでいるかのようなイメージです。



その後、メシールのテニス(99)で書いたように左腕・左肩主導でフォワードスイングが始まりますが、次に、右腕によるフォワードスイングとなります。この時、たたまれた右腕はだんだんと前に伸びていくことになります。脳内イメージとしては、ボクサーのパンチの様のまっすぐ押し出すイメージです。(実際には、それでも、中心軸に沿って回転します。)


図に、右腕の押し出すイメージを示しました。図で注意していただきたいのは、ラケット面が外に向かないという事です。右腕を押し出すのではなく、腕で振るとラケット面が外(ネット方向を0時とすると、0時よりも1時の側)に開いてしまいます。メシールのビデオを注意深く見ればわかりますが、メシールのフォアハンドではラケット面は外を向きません。


なお、右腕を押し出すという事は、インパクトは体よりもネット方向(前方)になります。「前の方でボールを打つ」という意識も大切です。

メシールのテニス(100) フォアハンドでは左脇をあける<重要>

メシールのフォアハンド(GIFアニメーションはこちら/Youtubeはこちら)では、テイクバックの終わりに左手の肘(指先)でボールを指さします。この際に、上から見ただけでは区別がつきませんが、横から見た時に肘がボール方向を向いていなくてはいけません。言い換えると、左脇は開かなくてはなりません。左脇が締まったテイクバックはNGです。どうしてでしょうか?


メシールのフォアハンドでは、フォワードスイングは左肩の回転(えもんかけの回転)で行います。そのための力(遠心力)が必要です。脇が締まってしまうと、遠心力が使えないので、右手の力で打つことになってしまいます。



フォワードスイングはボールを打ちに行くタイミングですので、意識はどうしてもボールを打つ右腕に行ってしまいます。プロのフォアハンドでも、左脇が締まって打つ選手はたくさんいます。(たとえば、こちらの映像のビヨン・ボルグなどは、はっきりと左脇が締まっており、右腕主導でスイングしています。また、相手のジミー・コナーズは右手(左利きですので利き腕ではない方の手)が前に出てボールを指していますが、フォワードスイングの回転は肩・腰が一体となって行っており、右腕の遠心力を使っていません。)

右腕を意識したいフォワードスイングの前半で左腕と左肩を主導にしている点が、メシールのフォアハンドが難しく、また美しい理由の一つです。

メシールのテニス(99) コンパクトなフォアハンドテイクバック


メシールのフォアハンドテイクバックは、かなりコンパクトです。映像で見ると分かりにくいのですが、オンコートでの脳内イメージで言うと、「右肩の前でごく小さな旋回半径でテイクバックしている」程度です。下の連続写真のテイクバックをみると、写真1枚目から3枚目までは、体でラケットが隠れるぐらいのテイクバック始動となっています。そのあと、テイクバックのピークでも、体の線よりもラケットが背中側には回ってきていません。脳内イメージで言うと、体の前(右肩の前あたり)にラケットがあるような感覚だと思います。(GIFアニメーションはこちら。)












GIFアニメーションはこちら。

この、脳内イメージをもう少し詳しく書くと、次のような感じです。
  • テイクバックは右肩の前で小さな回転半径で行う。
  • 右肩の前で折りたたんだ腕を伸ばすことでフォワードスイングを行う。
  • フォワードスイングをリードするのは、右腕の力ではなく、左肩の回転の力。
右肩でボールを押し出すイメージは、逆に言うと、相手のボールと体の距離を取る際に、右肩で距離を取る(右肩の前でボールを打つ)感覚になります。(あくまで、脳内イメージです。)これは、利き腕の方で距離をとれるので、とても打ちやすいはずです。


テイクバックで右腕をコンパクトにたたんでいますので、どうしてもフォロースルーも小さくなりがちですが、それではいけません。テイクバックが小さい分、逆にフォロースルーを大きくとる必要があります。

その際、そのフォロースルーを導く力は、左肩の回転(えもんかけの回転)です。右腕の力でフォワードスイングやフォロースルーをしてはいけません。

Mecir's Tennis (98) Mecir's Forehand #1 -Gif Animation (movie)

2013年1月2日水曜日

Dunlop Biomimetic Max 200G (購入しました)

なんとなく長い間気になっていたDunlop Biomimetic Max 200Gですが、ついに一本購入しました。今回は、このBiomimetic Max 200Gについての簡単なレポートです。
ご存知のとおり、どういうわけか、同じラケットを購入しても、米国と日本では、ずいぶんと価格が違います。円高の影響もあるのでしょうが、米国で買う方がずいぶんと安く購入できるのです。「もし、Biomimetic Max 200GがNeomax 2000と全く同じ、またはせめてよく似た打感だったら気に入っているNeomax 2000の予備ラケットに使えるかも」と思って、米国に出張した際に購入してみました。

今回も、テニスグッズ購入で時々利用しているTennis Warehouseからの購入です。

まず、ラケットの見た目の印象ですが、Neomax 2000Gが深い緑色を基調にしているのに対して、Biomimetic Max 200Gは明るい緑色のラインです。Maxply McEnroeと同じようにジョン・マッケンローのサインが入ったシグニチャモデルでした。(そういえば、シニアツアーでジョン・マッケンローがこのラケットを使っている写真を見たことがあります。)


ラケットのスペックは、以前の記事に書きましたが、Neomax 2000とBiomimetic Max 200Gではほぼ同じです。違いは素材だけです。が、ラケットの形状は、二つのラケットを重ねてみると分かるのですが、Neomax 2000Gの方がやや丸い形でした。Biomimetic Max 200Gはやや縦長です。

さて、肝心のBiomimetic Max 200Gの打感ですが、残念ながら、あのNeomaxの独特な打感ではありませんでした。もちろん、かつてのMax 200Gとも違います。あそこまでのねっとりとした打感ではありません。

とはいえ、Maxply McEnroeのような硬さは感じませんでした。打感が柔らかくなったMaxply McEnroeと言う印象でしょうか。

Maxply McEnroeよりははるかに使いやすいので、時々利用しています。また、思い出したころにレポートします。

2012年12月31日月曜日

メシールのテニス(97) テイクバックの指さしは正確には「肘(ひじ)さし」

(メシールのフォアハンドGIFアニメーションはこちらです。)

フォアハンドのテイクバックでの左手の指さし(メシールのテニス(97))には、一つ、落とし穴があります。それは、指を指していても左肩が開いてはダメだという事です。図を見れば一目瞭然だと思いますが、指さしをしても左手の肘がボール方向を向いていなければ意味がありません。


メシールのフォアハンドは、左手の指先がボール方向を向く場合や向かない場合があります。
写真は、1988年全米オープンのメシールの試合前のストロークです。(連続写真ではなく、別のスイングです。)



なお、これは別の記事で書く予定ですが、ボールのヒットポイント(打点が高いほど左の指先がボールを示し、打点が低い場合は指先は内側を向く傾向にあります。いずれにしても、左ひじはボールの方向を向くのです。



フェデラーのフォアハンド(こちら)も、おおよそ同じイメージです。

メシールのテニス(96) テイクバックは弓矢の原理(改定)

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

フォアハンドのテイクバックで左手がボールを指さし示している写真をよく見ます。テニススクールで、初心者に教える、あれです。

メシールのフォアハンドでは、この左手の役割は、とても大切です。初心者っぽいなどと、笑うことはできません。

体の回転でスピンをかけてボールをヒットする最近のテニスでは、左手でボールを指さないフォームも多くなっているようです。しかし、メシールのフォアハンドでは、これは必須です。

イメージとしては、弓矢の構えです。左手は伸びてボールを指し示し、右手は体の前で肘を後ろに引き、構えます。



左手に力が入っていないと、右手でボールを打つための準備(パワー)をするために、右手に力が入りすぎます。その結果、右手は縮こまり、右脇が締まりすぎてしまいます。

つまり、「左手は指先でボールを指せばよい」という事ではないのです。単に、左手の力を抜いて、指さしているだけであれば、何もしていないのと変わりません。スイングを左手が誘導できるようにしっかりと左肩を入れた指さしが必要です。



実際のメシールのフォアハンドは、(初心者のように)左手でボールを指さしはしませんが、必ず左手が前に出て、体を誘導しています。(指さしについては、メシールのテニス(97)をご覧ください。)左肩がしっかり入ればこれでよいのですが、指を指すと左肩を入れるのが楽なので、最初は指さしをすることをお勧めします。(逆に、指さしをしないと、上記の「単に左手を前に出しただけ」になりやすくなります。)


なお、このテイクバックで大切なのは、早く、この体勢を準備すること。つまり、軸足となる右足の位置を、少しでも早く決めることです。特に、フォア側に振られたボールでは、右足を早く決め、ボールと体の位置関係を確定して、この「弓矢のポーズ」に入らねばなりません。

「右足の位置を早く決めること」が、安定したフォアハンドの基本となります。

(メシールのフォアハンドGIFアニメーションはこちらです。)

2012年12月28日金曜日

メシールのテニス(95) 一般的なスピン系のフォアハンドとのフォワードスイングの違い(続編)

メシールのテニス(94) 一般的なスピン系のフォアハンドとのフォワードスイングの違いにおいて、メシールのフォアハンドは、体の回転が先で、腕の回転が後と書きました。また、腕の回転が遅れて出てくるのではなく、体の回転が一般的なスピンボールの打ち方よりも早いと書きました。

これは、言い換えると、「体の回転が早すぎて、体が開いてしまうことがある」ということです。

実際、メシールのプレーを見ていると、フォアハンド(とくに、相手のボールが緩い場合)に体が先に開いているように見えることがあります。(それが相手から見るとフェイントになるという利点もありますが。)

相手のボールが速い場合には、すべてが一瞬の出来事になりますので、この時間差はあまり問題になりません。どちらかというと、相手のボールがそれほど速くはなく、時間的余裕がある場合が問題です。

ボールが飛んでくるよりも体の回転が早いので、確かに、ボールにタイミングを合わせるのは簡単ではありません。

この場合、何をタメとして残すのか。答えは、右腰です。体が先に回転して左肩が開いてしまっても、右腰は残します。右腰こそが、右腕といっしょにフォワードスイングを行うのです。(正しくは、腕はインパクト後に振るので、それまでは右腰が右腕の代わりにフォワードスイングします。)

右腰と右腕が最後に、ボールに合わせてフォワードスイングする。それは、右腰のフォワードスイングをインサイドアウトにすると、イメージがしやすくなります。体(左肩)はオープン側に開いていても、右腰はインサイドアウトする。この、メシールのフォアハンドのイメージを示したのが下図です。


最後の腕のフォワードスイングは、大きく(ボールを運ぶように)振り切ります。これにより、ボールのコースをコントロールし、さらに、ボールに体重が乗るために「重いボール」になります。スピン系の打ち方は、ここで速くラケットを左肩側に回します(スピンをかけるため)ですが、フラットドライブを重視するメシールの打ち方では、むしろ、「腕のフォワードスイングはインパクト後に大きくフォロースルーする」方が有効なケースが多いようです。

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

メシールのテニス(94) 一般的なスピン系のフォアハンドとのフォワードスイングの違い

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)


メシールのフォアハンドは、「手が遅れて出てくるように見える」とよく言われます。そして、それは正しいのです。

私は、いろいろな人からフォアハンドについてアドバイスを受けましたが、どうしてもそれが自分のものになりませんでした。なぜなら、アドバイスは、「今時のスピン系の打ち方」を前提としているからです。上図のように、腕が体と連動して(巻き付いて)フォワードスイングをする打ち方です。

この打ち方では、下の図に示すように、薄いグリップの場合は、ボールが左方向に飛び出してしまいます。そのため、体全体を1時~2時方向に向けることになってしまい、相手に背中を見せるような不安定なフォームになってしまうのです。

これを避けるためには、まず体を回転させ、その後から腕を振るイメージが有効です。図に、イメージを示します。腕が遅れて出てくる(腕のフォワードスイングが体のフォワードスイングの後になる)ので、少し、「手打ち」のように見えます。実際、スピン系のうち肩と比べて、腕のフォワードスイングで腕を(多少)使いやすいのが、メシールのフォアハンドの利点です。(ボールコントロールの余裕ができるのです。)

ここで大切なのは、体の回転のタイミングは、スピン系の打ち方よりも早い(速いではなく早い)ということです。スピン系と同じタイミングで体を回転させると、腕はそれよりも遅くなります。つまり、振り遅れてしまいます。腕を振るタイミングがスピン系と同じになるのです。言い換えると、体の回転のタイミング、すなわちフォワードスイングの起動は一般よりも早くなります。

先に体を回転してフォワードスイングをリードして、(腕には力を入れず)腕を体の回転で引き出してくるようなイメージが近いかもしれません。フォワードスイングを体の回転が支配しますので、腕で振るという感覚はないはずです。

したがって、テイクバックでラケットを引きすぎるのは禁物です。(メシールの静止画像で、テイクバックでラケットが背中側に回っているのは、テイクバックからフォワードスイングに切り替える際の、車のブレーキでいうところの「あそび」の部分なのです。)




2012年12月12日水曜日

メシールのテニス(93) テイクバックでラケットヘッドはどこを向く?(その2)

メシールのテニス(55) テイクバックでラケットヘッドはどこを向く?で、フェデラーのフォアハンドのテイクバックでは、ラケットヘッドが上を向いていると書きました。メシールは、下(真下ではないですが)を向きます。比較の写真を掲載します。

角度が違うのでわかりづらいと思いますが、テイクバックでのラケットの引き方が明らかに違うのが分かると思います。

メシールのテニス(92) フォアハンドのフォロースルー(左手の使い方がポイント)

メシールのプレースタイルを、フォアハンドを中心に分析してきました。その中で、まだ分析していなかったのがフォロースルーです。フォームの一番最後、フォロースルーでも、メシールのテニスを理解するための大切なキーがいくつかあります。

そのうちの一つが、フォロースルーでの左手の使い方です。

写真は、メシールのフォアハンドのフォロースルーです。左手に注目してください。

メシールのフォアハンドのフォロースルーは、左手を折りたたんで肩の高さに持ってきます。これが、極めて重要です。これにより、①背中が丸まることがありません、②ラケットを上に引き上げることができます。

①はボールを背中の力で押し出すために必要です。②は順回転のドライブボールを打つために必要です。

フォロースルーで左手を低く下げてしまうと、ボールを右手の力で打つことになってしまい、安定したボールを打てません。

(メシールのフォアハンドGIFアニメーションはこちらです。)

2012年12月10日月曜日

メシールのテニス(91) ボールを”強く打つ”事の大切さ

相手のボールがあまりくせのないボールであれば、メシールのようなフラットドライブ系のスイングでは、タイミングを合わせて面さえきちんと作れば、比較的ボールを打ち返しやすいものです。

しかし、それでは、狙ったところにボールは行きません。ちょっとしたズレでボールはバックアウトしたり、ネットしたりしてしまいます。

つまり、フラット系であっても、ボールを強く打たねばならないのです。

常にボールを強く打つこと。リターンであっても面を作って合わせるのではなく、強く打つことが必要です。

このことは、副産物として、いろいろな良いことがあります。

一つは、ボールを最後まで見るようになることです。強く打ちたければ、しっかりとボールをラケット面に当てなくてはなりません。

さらに、テイクバックが早くなります。早くテイクバックしないと、自分の力でボールを打つのが難しくなります。

テイクバックを早くするためには、右足(フォアハンド)の位置を早く決めねばなりません。逆に、しっかりボールをたたくという意識を持てば、自然に(無意識に)、右足の位置を早く決めようとするはずです。

なお、ボールをしっかり打つ際に、腕に力を入れてはいけません。腕の力を抜き、肩を回してラケットの重さでボールを打つことで、ボールをしっかりと打つ(運ぶ)ことができるのです。


2012年12月8日土曜日

メシールのテニス(90) 構え…右手こぶしの位置に注意!

どこかに書いてあったのですが、テニスの構えは、剣道と同じ。「相手に斬られるか、自分が斬るか」だと。確かに、一瞬でも早くボールに対応するためには、構えは大切です。

テニスだって、生きるか死ぬかなのです。そのぐらい、一瞬に命を賭けなくてはなりません。

構えのポイントはとても簡単です。ラケットのヘッドを相手に向ける。ヘッドをフォア側に、バック側に向けてはいけません。これにより、ボールがフォア側、バック側のどちらに来たとしても、瞬時にバランスよく反応できます。

図のNGのような構えでは、フォアハンド側にボールが来た時に、ラケットが180度以上移動します。この時間は、決してバカにはならないのです。

レディーポジションでは、ボールが飛んでくる方向にラケットヘッドを向ける。剣道と同じです。

図を見ればわかりますが、正しいレディーポジションでは、右手こぶしは右腰の前になります。体の前に(中心)にはなりません。両手を体の真ん中に構えると、ラケットはバックサイド側に大きく傾いてしまいます(左図)。

こんな簡単なことですが、つい、苦手または得意な方にラケットが傾いてしまうものです。レディーポジションでは。上級者になるほど、「隙がない構え」になるような気がします。


2012年12月6日木曜日

メシールのテニス(89) グランドストロークの打ち合いの段階での心構え

サーブレシーブを含めて、相手のボールが飛んできたときの心構え。言い換えると、シーケンスをまとめておきます。
  • まず、できるだけ早く軸足の位置を決める。フォアハンドなら右足、バックハンドなら左足。
  • 並行して、できるだけ早くテイクバックを完了させる。タメの時間は、長ければ長い方がよい。
この2点を早く終了させることに、まずは終始します。軸足の位置が正しく決まっていれば、相手のボールが遅くても、タメの時間は長すぎるという事はありません。

この形が決まっていると、左肩は入り、左手は体の前にあるはずです。時間的余裕もあります。

その後は、
  • 左手で体を回転(フォワードスイング)させながら、ボールを狙っているところに強く打つ。
事になります。スイングは、ゆっくりでよいのです。時間的余裕はあると、ゆっくり振る方が安定に、思うところに打てるからです。タメの余裕がないと、スイングの遅れを挽回するために、スイングそのものが速くなってしまいます。

相手のレベルが一定以上であれば、多くのボールはベースラインまで飛んできます。その場合は、意識として、「ゴールキーバーのようにベースラインを守る」というポジショニングを取ります。ベースラインの内側、サービスライン辺りまで行って攻撃するのは、じっくりと攻めた後です。グランドストロークを打ちあっている間は、ベースラインを守るのです。

相手のボールがワイドに来た場合にはどうするか?この場合に大切なことは、まずはボールを強く打つことです。つい、コースを狙いたくなりますが、コースを優先すると、ボールを置きに行ってしまいます。ボールを強く打てなくなります。強いボールを打つこと、それができる範囲でボールのコースを選ぶのです。

ボールのコースですが、相手コートのサイドラインを狙ってはいけません。サイドラインの内側を狙います。それ以上ワイドに狙うと、サイドスピンや縦回転のスピンが必要になります。もちろん、余裕が出てきたらそのような形もあり得るのですが、それは、パッシングショットを打つ時や最終的に攻めに出る時です。グランドストロークの打ち合いの段階では、サイドを狙ってはいけません。


メシールのテニス(88) 戦略とは何か?

ご存知かもしれませんが、テニスからテニスへ、と言うブログのサイトがあります。とても内容の濃い、深いことが書かれています。私は、いつも楽しみに読ませていただいています。

その中に、「作戦とフレイムショット」と言う記事があります。なるほど、と(いつも以上に)考えさせられました。

メシールは、そのプレースタイルから、戦略性を高く評価されていました。記事などでも、「メシールは、試合前に周到なゲームプランを作っているのだろう」などと書かれていました。

一方で、本人は、インタビューに答えて、こんなふうに言っています。「試合中(プレー中)は、何かを考えるという事はしない。ほぼ無意識にボールを打っている。きっと、飛び込み選手と同じなのではないか。」

なぜ、無意識にプレーしているメシールが、柔軟で戦略性が高いプレーをすることができたのでしょうか?その答えが、、「作戦とフレイムショット」と言う記事に書かれているような気がしました。

飛んできたボールに対して、どれだけの選択肢を持っているかが大切なのです。その選択肢が多いほど、戦略性が高くなるのです。メシールは、おそらく、ボールの力・パワーで相手を圧倒させようとしたことはないだろうと思います。メシールが目指したのは、どのプレーにも複数の選択肢を持ち、その都度最善と(本能的に)思うボールを打っていたのだろうと。

この戦略性こそが、メシールのテニスだと思うのです。

メシールのテニス(87) タメの大切さ

ボールに合わせてテイクバックを取るという事を書きました。ボールをヒットするタイミングを取るためには、有効な方法です。

しかし、ボールを(強く)ヒットする感覚は、テイクバックのタイミングではなく、フォワードスイングのタイミングです。それを司るのがテイクバックの最後であり、フォワードスイングのきっかけです。

いわゆる、テイクバックの『タメ』です。テイクバックからフォワードスイングに切り替わる際に、一瞬、スイングが止まったようになるのが『タメ』です。実際には、ほぼ止まらないこともあります。逆に、はっきりと止まることもあります。これは、相手のボールによっても違います。

タメをつくることで、フォワードスイングを強く振ることができます。逆に、タメがないと、テイクバックからフォワードスイングが連続となりますので、メリハリをつけにくく、スイングが不安定になります。

では、タメを作るにはどうすればよいか?

一つは、早くテイクバックを取ることです。早くテイクバックを完了すると、残りの時間は全てがタメになります。テイクバックを終了した体勢で、長い時間じっとしていれるのかと疑問を持つかもしれません。しかし、相手のボールがよほど遅くない限りは、そのような心配はありません。タメの状態で待っても、待ちすぎることにはなりません。

もう一つは、スイングの意識です。スイングは、タメからフォワードスイングをする過程が最も大切だというイメージを、テイクバック時から持たねばなりません。スイングはあくまでフォワードスイングのために行っているのであって、テイクバックのために行っているのではないという意識です。フォワードスイングのためにスイングすると思えば、そのきっかけとなるタメのタイミングが遅れるという事が起こりにくくなるはずです。テイクバックなんぞはさっさととってしまって、さっさとタメを作り、ボールが飛んできたときに如何ににフォワードスイングをしっかりするかが大切だと、そんな風にイメージを持てばよいのです。

早いテイクバックとタメがあれば、逆にフォワードスイングはゆっくりになります。ゆっくりでも十分に厚い当たりで打つことができます。メシールのスイングがゆっくりに見えるのは、実はそういうわけなのです。

最近のテニスでは、フォアハンドがループ系になっているので、タメが必要がないことが多いようです。図に示すように、ループ系スイングではタメを取る場所がない(必要がない)からです。メシールのテニスは、テイクバックでラケットが下から引きますので、折り返し点ができます。ここにタメが必要になります。図の赤丸の箇所がタメとなる場所です。

一方、バックハンドは、最近のテニスでも、下から引くことが多いのです。つまり、バックハンドではこのタメが重要となります。プロ選手のビデオを観ていても、フォアハンドはタメがないスイングでも、バックハンドではタメを取っている選手はたくさんいます。テイクバックからフォワードスイングへの切り替わりのタイミングを見ていると、よく分かります。


(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

2012年11月27日火曜日

テニスの心理学

中古書店で、ヴィック・ブレイデンのTennis2000という書籍を購入しました。分厚い本で、最初から最後まで読むのは難しそうですが、興味のある章だけを拾い読みしています。

ヴィック・ブレイデンは、私でも知っている有名なアメリカのテニスアカデミー運営者の一人です。

技術についての章も面白いですが、第9章の「テニスの心理学」という章を興味深く読んでいます。何かにつけて一番であることがすべてと思われているアメリカのスポーツ界において、この章で、ブレイデンは、誰もが1番になれるわけではないのだから、テニスにはもっと大切なことがあるということを述べています。

その中で、「テニスに現れる個人の人格について」という項目があり、以前書いた、「人格はプレースタイルを超えることができない」という記事を思い出しました。

ブレイデンは書きます。「テニスをすると、おさえつけられていたその人の持っている本来の性格が現れてくる」と。村上龍氏の言うところの「人格はプレースタイルを超えることができない(その人の人格が必ずプレーの中に見えてくる)」ということを、ブレイデンも言っているのです。

ブレイデンは、こんなことも書いています。「前の国連大使であるアンドリュー・ヤング氏は、同僚のテニスコート での振る舞いを観察して、その人の性格について貴重な情報を得たそうである。」

私は、こんなふうに考えます。

つまり、我々は、テニスを通じて、自分の日常での性格をコントロールできる可能性がある、と。日常では難しくても、テニスによって自分を変えていくのです。

私は、昔から、自分の感情をコントロールすることが苦手でした。特に、自分が追い込まれたり、頭に「かっ」と血が上ると自分のコントロールができなくなります。これは、テニスでも同じでした。ミスをすると、自分が許せなくなり、ラケットを投げたりしてしまうのです。

今の私は、試合中も、そして普段の練習も、常に自分を客観的に見ようとしています。試合でミスをしたら、その理由を考えます。今の自分の技術の中で最善の策は何であるかを考えます。最善の策の判断を誤ったり、分かっているはずなのにボールが飛んできた瞬間に異なる判断をしたりすると、自分に腹が立ちますが、同時にそのことを忘れずに次に活かすことを考えます。

このことが、今度は、日常の自分にも影響してきます。仕事上で同じことができるようになるとまでは言い切れませんが、普段から、「客観的に自分を見る」「その時々で自分の持つ最善の選択肢を選ぶ」ことを考えるようになります。それが、また、テニスにもフィードバックします。

私を含む多くのアマチュアプレーヤーは、日常の自分の鍛錬のためにテニスをするのではありません。しかし、では、我々は、何のためにテニスをするのでしょうか…?

メシールのテニス(86) フットワーク・ステップワークは必ず必要か?

ふと思ったことがあります。

今、グランドストローク(サーブレシーブの方がイメージしやすいかもしれません)をするとします。ボールが飛んできます。ちょうど、都合の良いことに、自分の体の方に飛んできました。しかも、おあつらえ向けに、フォアハンドで打つのにちょうどよい場所に来ました。

言い換えると、たまたま、足を全く動かさなくてもよいところにボールの方からやってきたのです。(そういうケースは、実際の試合でも、いくらでもあります。)

さて、ここでステップワークを使う必要があるでしょうか?スイング前に、ステップを踏む必要があるでしょうか?

メシールのテニスでは、「必要ない」と答えます。ステップワークは、しなくてもよいなら、無理にする必要はありません。いわゆる「べた足」で打てるなら、その方が時間が稼げてよいのです。

大切なのは、ボールに対して足の位置が決まっているという事です。メシールのテニス(77)で書いたように、相手の打ったボールの高さや深さによって、足の位置はいろいろです。が、いずれにしても、一歩も足を動かさずに相手のボールに対して正しい足の位置が作れるのであれば、無理にステップを踏み直す必要はないのです。

メシールは、グランドストロークで足があまり動いてない印象があります。昔、テレビ東京でWCTファイナル決勝(マッケンロー戦)を放送した時に、解説の渡辺康二さんが言っていました。

しかし、それが悪いことではないのです。それがメシールのテニスです。メシールのテニスでは、ステップを大切にするのではなく、ボールに適切な足の位置を作ることが大切なのです。ステップワークはそのための方法でしかありません。ステップワークそのものに価値を見出してはいけません。

メシールのテニス(85) ドライブボレーのコツ

メシールは、当時の他のプレーヤーと比較してもドライブボレーを使う率が高かったように思います。アガシのように強くボールをヒットして相手を追い込むのではなく、ボールのコースを散らせて相手を仕留めるタイプのメシールとしては、やっとのことで返してきたボールについてはドライブボレーで仕留めたくなるのは当然です。

ドライブボレーは、ボレーと言うよりもストロークです。ストロークだと思うと、普通の(自分のコートでワンバウンドしてから打つ)グランドストロークと球筋がそれほど違うわけではないのに、どうして難しく感じるのでしょうか。(私には、すごく難しいショットです。)

それは、テイクバックのタイミングが取れないからです。

メシールのテニス(83)で書いたとおり、グランドストロークでは、メシールのフォアハンドのテイクバックからフォワードスイングへの切り替えは、ボールがバウンドしたタイミングで行います。ボールのバウンドが存在しないドライブボレーでは、テイクバックからフォワードスイングにどこで切り替えたらよいのかが分からないのです。

では、どのタイミングでスイングをテイクバックからフォワードスイングに切り替えたらよいのでしょうか?言い換えると、フォワードスイングを開始するタイミングはどこでしょうか?

ドライブボレーでは、相手がボールをヒットする瞬間が、通常のグランドストロークのボールがバウントするタイミングになります。つまり、相手がボールをヒットするときには、すでにテイクバックが終わっていなければならないのです。

そんなことができるのか?相手がボールを打つ瞬間にテイクバックが終わっているという事は、相手がボールを打つ時には、自分のフォア側かバック側かどちらにボールが来るのかが分かっていなくてはなりません。

が、逆に言うと、それを予測して打てる時でないとドライブボレー(とくにロングボレー)は打ってはいけないということです。予測がはずれたら、つまり相手がうまくてこちらの予測を外してきたら?

その時は、ドライブボレーを諦めればよいのです。ないしは、少し遅れてスイングをすることになります。(望ましくないですが、ダメと言うわけではないので。)

相手がボールをヒットする瞬間にテイクバックが完了することは難しいので、実際には、相手がボールをヒットしたタイミングからできるだけ早いタイミングでテイクバックを完了する、というのが正しいと思います。

もう一つ、この時のテイクバックは、通常のグランドストロークと比較して、かなり小さくなります。体の前でテイクバックを完了させる感じです。何しろ、相手が打つ瞬間(またはその直後)にテイクバックを完了せねばなりません。大きなテイクバックを取る時間的余裕がないのです。

その代わりに、フォワードスイングの時間はたっぷりあります。とは言え、通常のグランドストロークと違って、テイクバック後に走らねばなりません。できるだけ早くヒットポイントに足を運び、その後でフォワードスイングを始めることになります。

その際に辛いのは、ここではテイクバックをとれないという事です。すでにテイクバックは終わっています。

ボールが飛んでくる間に大きくゆっくりとしたフォワードスイングをとること。逆に言うと、たっぷり時間があるフォワードスイングをしているというイメージが、ドライブボレーのイメージになると思います。移動しながら(または移動後の)フォワードスイングですから、ボールと体の距離がぶれやすいです。しっかりと丁寧に足を動かして、通常のグランドストロークと同じように肩の回転(メシールのテニス(80)のえもんかけの回転)でボールをヒットします。

いずれにしても、ドライブボレーは、あくまでグランドストロークです。足の長いボールが来たのを通常通りにストロークしていると思うことが大切です。ボールのところに移動するわけですが、その最後のステップが、グランドストロークの踏み込み足と同じになるという事です。

メシールのテニス(84) なぜメシールのスイングはゆっくりに見えるのか?

メシールのスイングは、他のプロ選手(当時)と比較してもゆっくりだと言われていました。解説者がよく、「どうしてあんなにゆっくりのスイングからあんなに鋭いボールを打てるのだろうか」とテレビで言っていました。(が、その理由を説明してくれた解説者はいませんでした。)

図は、一般的なフォワードスイング(上図)と、メシールのフォワードスイング(下図)を比較したものです。メシールのテニス(83)で書きましたが、フォワードスイングにおいてメシールは腕を使いません。フォワードスイングは、肩の回転だけで行います。

一般的なスイングでは、フォワードスイングでは肩の回転と腕の振りの両方を行います。したがって、上図にあるようにその二つの速度ベクトルの和がラケットの速度となります。

腕の振りがラケット速度に加算されないメシールのスイングでは、ラケットがゆっくりと動いているように見えるわけです。

もちろん、インパクト後には腕の速度が加算されますので、そこから先は一般的なスイングと同じスピードになります。

フォワードスイングで腕が使えないのは、コート上ではなかなか「つらい」ことです。スイングの微調整(つまりごまかし)はできません。肩の回転が遅れた時(つまり振り遅れた時)にも、腕の速度で調整する(ごまかす)こともできません。フットワークを誤って、ボールを捉える高さを間違えた時も腕で調整できません。

足の位置決めと肩の回転のタイミングを常に正しく行うことができること。(それにより、インパクト前には腕に仕事をさせないこと。)これが、メシールのフォアハンドの極意だと思います。

メシールのテニス(83) 肩の回転と腕によるスイング



メシールのテニス(80)で、フォアハンドストロークでは肩をえもんかけのように使うことを書きました。これは、肩を回転させるという事を意味しています。腕で振るのではなく、体のラケットでラケットをスイングするのです。

腕がラケットを振るのは、肩が回ってからです。

前半をフォワードスイング、後半をインパクトスイングと呼ぶことにします。

この時のポイントは、フォワードスイングは「前半」ですので、まだ「後半」があるという事です。言い換えると、肩の回転(えもんかけの回転)はインパクトまでの「準備」でしかないという事です。

これは、ボールを打つ感覚(イメージ)としては厄介です。肩の回転でボールを打つイメージを作ってしまうと、「後半」の前にボールが来てしまいます。振り遅れます。

また、肩の回転のタイミングは、相手のボールに関係なく同じでなくてはなりません。後半のインパクトスイングを安定させるためには、前半のフォワードスイングの勢いをそのまま使って打たねばならないからです。

タイミングと言う意味では、インパクトスイングの時の腕に、タイミングを合わせる仕事をさせることはできません。腕は「びゅんと振る」ことしかできないのです。(ただし、スピンの度合いやスイングの上下方向の角度は、逆に腕が付けることになります。肩の回転は、常に同じ方向になるからです。)

メシールのテニス(82)では、テイクバックはボールが飛んでくるのにあわせると書きました。その後、ボールがワンバウントしたときにフォワードスイングは始まります。では、インパクトスイングは、どのタイミング(きっかけ)で始めればよいのでしょうか。

それは、インパクトの瞬間からです。つまり、腕によるスイング(インパクトスイング)はインパクトからスタートするのです。

と言っても、それはあくまでイメージです。実際には、腕は(無意識に)フォワードスイング中に必要な準備をしています。ただしそれは、「準備」でしかありません。スピン系の場合はラケット面を伏せ気味にするでしょうし、逆クロスに打つ時や右足で踏み込むときはやや脇を締めてインサイドアウトでスイングするでしょう。

しかし、フォワードスイングでは腕はスイングはしていません。腕がスイングをするのは、あくまでインパクト後なのです。

そう考えると、えもんかけ(肩)の仕事は重要です。ボールをヒットするためのインパクト前の「勢い」を腕に頼ることはできません。ボールを叩くための勢いは、肩の回転が担当することになります。

もう一つ、フォロースルーでボールを叩く勢いを付けるのが肩甲骨です。肩甲骨の力でフォワードスイングに力を与えることができます。(くどいようですが、腕は仕事をしてはいけません。)

全体のイメージを整理しておきます。

  • ボールが飛んでくる。それに合わせてテイクバック。
  • ボールがバウンドする。それをきっかけに肩の回転でフォワードスイングを開始。
  • フォワードスイングのパワーは、肩の回転と肩甲骨の力で行う。
  • インパクトまでは、腕は使えない。すべて肩が仕事をする。
  • インパクトからフォロースルーへ。この時に初めて腕は仕事をする(腕を振る)。
腕の仕事のなんと遅いことでしょうか。ボールを打ち終わって、ボールが相手コートに向けて飛び始めているところで、やっと腕は仕事をするのです。そう考えると、フォアハンドのスイングは肩(と肩甲骨)で行う、と言い切ってしまってもよいかもしれません。もちろん、それは、あくまでイメージですが。

2012年11月26日月曜日

メシールのテニス(82) ボールが飛んできたときにすべきこと ~テイクバックのタイミングがなぜ重要か?

ベースラインで構えている自分の方に相手の打ったボールが飛んできた。ボールがこっちにやってくる。さて、何をすればよいのでしょうか。

まずは、足をそのボールに合わせて位置することです。腰より低い球であれば教科書通りのうち方、高く弾むなら右足を前に出して打つ、深くバウンドするなら右足を引きながら(場合によっては左足を浮かせて)打つ。前に書きましたが、力強く打つために飛んでくるボールに合った最適な足の位置が、それぞれにあります。

もう一つ、飛んでくるボールに合わせてラケットを引くという事があります。相手のボールが速くても遅くても、スライスでもフラットドライブでも、スピンでも。同じようにラケットを引く。これによって、同じタイミングでフォワードスイングを開始できます。

相手の打つ球は、毎回、異なります。相手によっても全然違います。一球一球にスイングを合わせる(調整する)ことはできません。調整しながら打つと、どうしても相手のコートにボールを安全に返すことが優先するために、ボールを強く打つことができないのです。その結果、そのポイント(ラリー)は相手に支配されてしまいます。

ボールを強く打つためには、相手のボールに関係なく、同じタイミングでラケットを引き、同じタイミングで(軸足を使って)フォワードスイングをすることが大切です。

ボールに合わせてラケットを引くのは、ステイしている所にボールが来た場合はもちろん、ステップが入った場合、ランニングショットの場合も、すべて同じです。同じように、ボールに合わせてラケットを引きます。走らされて打つ場合には、走りながらラケットを引きます。やみくもに引くのではなく、この場合も、ボールに合わせて引くのです。

ボールを強く打つことも大切です。上のようにテイクバックとフォワードスイングのタイミングがきれいにとれた時には、ラケット面がきちんとできていれば、面を固定して軽く振るだけでもよいボールが返ることがあります。しかし、それは、そのような打ち方を意図的にするのであればよいのですが、あくまで「強く振る」と言うスイングの1パターンでなければなりません。つまり、「一度、ボールを自分のものにしてから打つ」ということには変わりがないのです。

ボールが来た時(テイクバックをする時)・フォワードスイングするときに大切なこと。それは、上体のバランスがいつも同じであるという事です。

いつも同じフォームで打つということは、上体(背筋や体の傾き、胸の向きなど)が同じだという事です。高い球と低い球で、上体を変えてはいけません。(手は、もちろん別です。手の位置は、ボールによって変わります。)できるだけいつも同じ上体の状態で打つ。これにより、ストロークは形状記憶的に同じスイングを繰り返すことができます。

こうなればしめたものです。ラケット面の方向、スイングの方向などの微調整で、自分の思う場所にしっかりと(「ミスしないように安全に」ではなく)ボールを打つことができます。まさに、これこそが、メシールのテニスです。

相手のボールがよい場合(速い、深い、切れがある、重いなど)でも打ち方を変えてはいけません。やや準備が遅れたから、その分速いスイングで調整するというのは、メシールの打ち方ではありません。準備が遅れることはメシールのテニスでは許されないのです。「準備が遅れたらそのポイントは取れない」ぐらいの覚悟で、準備に最善の努力を払うことが求められます。

メシールのテニスは、足の位置、スイングなどはフレキシブルです。いい加減に打ってるように見えるぐらいです。だからこそ、上体の形、テイクバックとフォワードスイングのタイミングは常に同じにしておかねばなりません。それによって、自由にボールを打つことが可能になっているのです。

2012年11月4日日曜日

書評 「テニスは頭脳が9割 あなたのテニスが進化する120の哲学 」(田中信弥著)

田中信弥氏の「テニスは頭脳が9割 あなたのテニスが進化する120の哲学 」を読んだ。Amazonの書評ではかなり厳しい意見が書かれている。多くの意見は、メールマガジン(メルマガ)の読者からのようだ。メルマガとほぼ同じ内容だそうなので、有償でメルマガを購読している読者が期待して書籍を購入すると、がっかりするという事だろう。

私は、メルマガは購読していないので、逆に、新鮮に本書を読むことができた。

田中氏のDVD販売(非常に高額)やWebサイト(どこかの通販のようにあおり文章が満載)については、私も品位を書くという印象がある。「この人は、山師なのではないか」という印象を持たざるを得ない。

しかし、本書を読むと、その内容は私はほぼ同感・同意見だった。私には、田中信弥と言う方は、本当にまじめにテニスに向かい合っているという印象を受けた。

この書籍のタイトルには、嘘はない。誇大広告もない。テニスの勝敗は9割が頭脳で決まると書いているわけではない。テニスは頭脳が9割と書いているのである。そして、それは、ある意味では正しいように思う。アマチュアテニスプレーヤーは、もっと真剣にテニスに向かい合うべきだと私も思うから。

たとえば、自分は何のためにテニスをしているのか。家族との時間を犠牲にして、お金をかけて(しかも、トータルでテニスにかかる費用は意外にばかにならない)、何をゴールにテニスをするのか。

そういうことを考えるべきだと、田中氏は言いたいのだろう。そして、「テニスが進化する」とあるが、「テニス技術が進化する」とは書いていない。そう、この書籍では、テニス技術はさして進化しない。しかし、著者の伝えたいことを理解できれば、自分のテニスは進化すると思う。

たとえば、「テニスを進化させるまでは充電期間だ」というのは正しいと思う。目の前の結果だけを重視してはいけないという事だ。その通りだと思う。それは、アマチュアだけに許される特権なのだから。(このことは、以前の記事でも書きました。)

この書籍は、とてもまじめにテニスに向かい合っている著者のスタンスがよく見える。文章表現も、とても丁寧で無理がない。(Web等の田中信弥氏の文章と比較するとよく分かるが、この手の書籍には珍しく、誇大な表現や誤った表現のない、平坦で読みやすい文章になってる。)この書籍はおそらく、プロのエディタが編集を担当したと思う。

こんなに良い書籍が出版できるスタンスがあるのであれば、また、これだけの高い技術的・理念的な知識があるのであれば、著者にはぜひ、この書籍の延長線上でのビジネスをしてほしい。それは、著者が何よりも求めている日本のテニスを世界に通じるレベルに押し上げることに通じるからである。

この書籍の印税はすべて、東日本震災のために使われるそうだ。その気持ちと考え、アイデアは素晴らしい。しかし、それは、有償のメルマガ記事を書籍化することとは別の話だと思う。ボランタリーであるからと言って、クオリティーを下げることは許されることではない。それは、プロとしては恥ずかしい行為であり、田中氏自身が嫌う事ではないのか?

両方を読む読者がいるのであるから、メルマガの内容をもっと掘り下げた書籍にするべきであった。その結果が、価格に反映されてもよいではないだろうか。

このあたりに、田中信弥氏の(現在の)人物の限界が見えるような気がして、残念だ。しかし、これから、もっと高いところに立てる可能性がある方であるのは間違いない。それに大いに期待したい。

「テニスを進化させるまでは充電期間だ」という事と「私はこのDVDをみて、すぐに優勝することができました!」という宣伝文句は、両立しない。美しい志と、貧しいビジネス意識ほどの差が、この二つのキャッチフレーズの間にはある。

上記のAmazonの書評では、「この書籍は読む価値がない」というような厳しい意見が複数ある。しかし、私は、この書籍は読む価値がないとは思えない。(メルマガ購読者は別として)私は、この書籍は、テニスを愛する人であれば読むに値する内容であると思う。そして、今一度、テニスにどのようなスタンスで向かうのかを考える良い機会になると思う。

メシールのテニス(81) グランドストロークでは足の仕事は二つあります

グランドストロークにおいて、足には仕事が二つあります。

①ボールの位置まで動く(ステップ)ことと、②スイング(フォワード)を起動することです。①は誰でもよく分かっているのですが、②の仕事をよく忘れてしまいます。しかし、安定したグランドストロークでは、②が大切です。

なぜなら、フォワードスイングを足ではなく、腕で始めてしまうと、スイングに無理が生じます。力任せのスイングは、たいていの場合は、②が正しくできていない時になります。逆に、スイングを軸足からスタートして、腰、腕と動かして(回して)いくと、スムーズで無理のないきれいなスイングになります。

①と②の順序は、おおよそ以下の通りです。

まず、ボールが飛んでくると、①で足のステップワークでボールのところに移動します。最後にステップする足は軸足です。フォアハンドであれば右足、バックハンドでは左足です。軸足を、早めに固定することが大切です。

私は、フォアハンドで、時々、固定する軸足の場所で悩むことがあります。ボールから遠くなりすぎたり近くなりすぎたりして、試合中に、スイングが安定しないことがあるのです。

その場合には、ボールの飛球線上に軸足(右足)を置くことにしています。そうすると、体がボールに近くなりすぎることはあっても、遠くなりすぎることはないからです。近くなりすぎた時には、右足を固定したままで(メシールのテニス(77)で示した真ん中の図)、右脇を締めて、ワイパー系のスイングでボールを打ちます。とりあえず、これで、ミスをせずにボールを打ちかえすことができます。

フォアハンドで、その後左足を踏み出すかどうかは、相手の打ったボールによります。バックハンドも同じです。一般には、よほど深くなく、また高く弾まない「普通の」ボールは、前足を踏み込んで打ちます。逆に、深いボール、跳ね上がるボールは踏み出さずにワイパー系のスイングで打ちます。

さて、右足(バックハンドの場合は左足)を固定したときに「タメ」ができますが、このタメができた後、右足には、もう一仕事してもらわねばなりません。それが、②のスイングの始動です。

スイングを始動するということは、ボールを打ち始めるタイミングを決めることです。それは、極めて重要な仕事です。②は、つまり、ボールを打つタイミングを足に決めさせるという事を意味しています。

なお、注意することは、②はあくまでフォワードスイングの起動(きっかけづくり)だけを足が担当するという事です。スイングそのものは、背筋と肩を作るえもんかけ(=肩甲骨)の回転で行います。

これはとても重要なことですが、同時に難しいことでもあります。特に、これまで、腰や肩、腕でスイングを起動していた場合には、かなりの脳内イメージチェンジが必要となります。タイミングの取り方が変わるのですから、一から練習せねばなりません。

ただし、これは、オフコートでも練習できます。何しろ、足があればよいのですから。頭の中で、向こうからボールが飛んできたとして、足を使ってスイングを起動すればよいのです。いつでもどこでもできる練習です。

なお、①と②の二つの仕事を足にさせると、実は、下半身はかなり疲れます。私の年齢では、翌日(翌々日)に筋肉痛になります。それでも、この仕事は、メシールのテニスでは、どうしても必要なことなのです。

2012年10月26日金曜日

メシールのテニス(80) えもんかけとフォアハンド

Youtubeでとあるテニスのレッスンサイトを見つけました。そこで、面白いことを解説していたのでコートで実践したところ、メシールのテニスっぽかったので紹介します。残念ながらどのサイトだったかわからなくなったので、見つけたらポインタ(URL)を掲載することにします。

そのサイトで言っていたのは、次のようなことです。
  • フォアハンドを打つ際には、両肩が「えもんかけ」になったつもりで打ちなさい。
えもんかけとは、いわゆるハンガーのことです。両肩がハンガーになったつもりで両肩を回転させるのです。
  • その際、両腕は、えもんかけの両端からぶら下がったひもだと思いなさい。
つまり、両腕は「ぶら~ん」とぶら下げて、両肩で回転をしなさいというのです。なるほど、これは道理です。この打ち方により、両腕に力が入らなくなります。また、両肩を回すことで、右手だけでボールをヒットすることを回避できます。同時に、左手をうまく使うことができるようになります。フォアハンドでは、左手の役割が重要です(メシールのテニス(68))。

さらに、これは私のイメージですが、もう一つ付け足そうと思います。

  • 両端からぶら下がったひもが回転時に遠心力で広がらないようにフラフープで押さえておきなさい。
イメージしにくいので、図を掲載しておきます。ひもをぶら下げてえもんかけを回転させると、回転時の遠心力でひもが広がります。これは、脇が開くことにつながります。これを避けるために、大きな輪でひもの広がりを防いでおくわけです。

2012年10月25日木曜日

メシールのテニス(79) フォアハンドの遅い打点について

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

1987年(だったと思います)のジャパンオープン2回戦でメシールと対戦した福井烈が、試合後のインタビューでメシールについて、このように言っていました。

「メシールの(フォアハンド)ストロークは、打点が遅いんです。シロウトさんによくいるでしょ、打ち遅れて打点が後ろになる人。あの感じでボールを打ってくるんです。本当に疲れた。」

メシールのフォアハンドは、薄いグリップ(コンチネンタルかイースタングリップ)です。薄いグリップは打点が後ろだと、よく言います。本当でしょうか?

答えは、①打点が後ろの打ち方と②打点が前の打ち方がある、だと思います。つまり、二つの打ち方を使い分けることができるのです。厚いグリップには①が難しいので、これは、薄いグリップの利点です。

今回は、①について書こうと思います。

①の打法、つまり打点を後ろにするフォアハンドは、それほど難しくありません。もともと、腰のところでラケットを引くわけですから、テイクバックは体の後ろになります。そのままラケットを振り出せば、打点を後ろにすることができます。打点は、「右足の前」になります。

大切な点は、打法ではなく、どのような場合にこの打ち方を使うかです。

メシールのビデオを見ていると、(当然と言えば当然ですが)この打法を常に使うわけではありません。次に示す、いくつかの条件が整ったときに使うようです。
  • 相手のボールが高く跳ね上がるときには使えません。フラット系の低く弾むボールで有効です。
  • 相手のボールが速く、力がある場合に使います。遅いボールの場合は、左足を踏み込んで打点を前にする方がボールに力が乗ります。(打点を後ろにする理由がありません。
コースは打ち分けやすいので、ボールを引き付けて、コースを隠すには有利です。しかし、気を付ける点もいくつかあります。以下の点に注意する必要があります。
  • ボールの打点がほぼ一点しかありません。振り遅れたら「万事休す」です。絶対に振り遅れないこと。
  • ボールに順回転をかけにくいので、どちらかというとフラット系になります。
  • ボールへの力加減が難しいので、ボールが短くなったり、アウトしたりしやすい難点があります。
丁寧に打つ打法ですから、やや右脇を締め気味にするのがよさそうです。腰の回転主導で打つようにします。腕を主体で脇が甘い打ち方では、微妙なコントロールを失いやすくなります。つまり、もともと難しいボールコントロールがますます難しくなります。

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

メシールのテニス(78) フォアハンドの右足とフォワードスイング(多彩なフォアハンドのために)

メシールのテニス(75) フォアハンドの右足で、右足の位置を決めることの重要性を書きました。右足を決めることは、フォワードスイングにも重要です。

右足の位置を決める。そのあと、フォワードスイングをするきっかけ(力)はなんでしょうか。それは、腕の動きではなく、右足の動きです。右足が地面を押し出し、その力で体の回転や重心の移動が発生します。

腕を使うのは、その次です。足の後です。

スイングのタイミングやきっかけは右足がつかさどります。だからこそ、右足の位置を決めることが大切なのです。

その際には、右足を突っ張ってはいけないことはもちろんです。右足に、地面を押すだけの力をためなくてはなりません。右足は柔らかく曲げておくことが必要です。

  1. 右足の位置を決める。膝を柔らかく(足をつっばらない)。
  2. テイクバック(実際には右足の位置を決めながら並行して行う)。
  3. 右足でフォワードスイングを起動。(腕はもちろん、腰の回転で始動しない。)
  4. 腰の回転でフォワードスイング。
  5. 両肩を回転させる。(4と5は実際にはほぼ同時になるでしょう。)
  6. 腕を使い始める。
この手順でフォアハンドスイングをすると、最後の腕の使い方がかなり自由になります。腕が自由なほど、多彩なボールを打つことができるのです。5の両肩の回転については、メシールのテニス(80) えもんかけとフォアハンドをご覧ください。

2012年10月24日水曜日

メシールのテニス(77) スクエアスタンスとオープンスタンス(フォアハンド)


メシールのテニス(75)で、フォアハンドの右足の位置について書きました。その際に、左足は①スクエアスタンスで前方に踏み出して打つ、②オープンスタンスで打つ、の2つの打ち方があることを、図に示しました。図を再掲載します。①が左図、②が中図です。③はNGです。オープンスタンスでは、体重を左足に移動してはいけません。

さて、①の場合と②の場合は、どう使い分ければよいでしょうか。簡単に書くと、①はフラットドライブ系、②はスピン系で使います。②の打ち方について書きます。

②のスピン系は、いわゆるワイパースイングです。1980年代のテニスファンでイメージしやすいのはマッツ・ヴィランデルです。その特徴を整理すると、次の通りです。
  • 右肘をたたんで、右脇を締める。インサイドアウトのスイングワーク。
  • 手首をワイパーのように使う。
  • 右足は柔らかく。突っ張らないように。
  • 左足は、右足よりも後ろでよい。(図を見てください。)
  • 打点は高いところで。頭よりも高いところで打ってもよい。(低いところでは、やや打ちにくいです。)
  • フォロースルーでは右肘を前に突き出す。右手首よりも右肘がネット側に来る(ワイパースイング)。
  • 打ち終わったときの体重は右足にかかる。

メシールのフォアハンドはフラットドライブが目立つので②のような打ち方はしないというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。ヴィランデルほどはっきりとしたワイパースイングをしていないだけです。例えば、全仏オープンの様な土のコートでは、この②の打法でフォアハンドを打っています。左足の位置は、図に示すように右足のほぼ横、または少し後ろにあります。

②の打法方の利点は、他にもあります。それは、「高い打点で打ちやすい」という事です。①の打ち方は体重が乗るので重いボールが打てますが、高い打点が苦手です。②は、高い打点が得意な打ち方です。①と②を使い分けることで、ボールの高さに対応することができます。

②のもう一つの利点は、フォア側に振られた時に有利だという事です。なぜなら、打つ時に左足が後ろに残っていますので、打ち終わった時にセンターに戻りやすいのです。①では、そのような対応は容易ではありません。

2012年10月23日火曜日

メシールのテニス(76) フォアハンドの右足と目

メシールのテニス(75) フォアハンドの右足で書いた「まず右足の位置を決める」というのは、よい方のバイプロダクト(副産物)があります。それは、「右足を固定することで頭の位置が固定できる。頭の位置が固定することでボールを見ることができる」ということです。

相手のボールが速くなるときに、一番難しいのが「バランスを保つ」ということです。相手のボールがゆるくて時間的余裕があるときは、こちらの体制はいつでも整えることができます。

しかし、早い場合には、バランスを崩されがちです。バランスが崩れると、そのひずみがいろいろなところに出てきます。ボールを最後まで見ることができなくなるというのも、その弊害の一つです。

相手のボールが速くても、まず右足を決める。その上に頭を”のせる”。そして、ボールをヒットするまでボールをしっかりと見る。ボールを見ることは、ラケットの真ん中でボールを打つだけではなく、体全体のバランスを崩さないという意味でも大切です。

右足を固定してボールを見るという習慣は、いつでも練習できます。ショートラリーであっても、遅いボールを打つ相手とのストロークでも、あまり上手ではなくてボールがあちらこちらに散らばる相手とでも、練習はできます。

2012年10月22日月曜日

ラケットインプレッション ダンロップ社NEOMAX2000とバイオミメティックMax200G

ダンロップ社製のNeoMax2000を使い始めて、1年以上が経ちました。とても気に入っていて、ずっと使っています。少し前に、3本目を買ってしまいました。

さて、同じダンロップ社のバイオミメティックMax200Gです。

素材が違うのは分かっていましたが、それ以外のスペックが同じなので、もしかして…と思い、衝動買いしてしまいました。

さて、コートで打ってみた感じは…。

ダンロップ社NEOMAX2000とバイオミメティックMax200Gは別のラケットです!(笑)

他のサイトにもありましたが、バイオミメティックMax200Gは、DUNLOP MAXPLY McENROEのペイントジョブを変えただけ…のような感じがします。打感は、NeoMax2000よりも、はるかに「硬い」感じです。(MAXPLYよりは少しだけ柔らかいかも。)

NeoMax2000の方が、往年のMax200Gの打感に近いのは、おそらく誰もが認めると思います。

メシールのテニス(75) フォアハンドの右足

(メシールフォアハンドのGIFアニメーションはこちらです。)

ある一定レベルになると、相手の打つ球は速く、重く、鋭くなります。頭でいろいろ考えている余裕はなくなります。相手が打つ⇒ボールが飛んでくる⇒構える⇒打つ。この間で、フォームがどうのと考える時間はありません。あっという間の出来事です。

したがって、「フォームは完成している」と言う前提で、「ボールがフォア側に飛んできた短い時間に何を考えなくてはいけないか」が、今回のテーマです。

それは、「右足の位置を決める」という事です。その際に、右足を突っ張ってはいけません。「柔らかく右足を決める」のです。

別の記事に書きますが、フォアハンドはオープンスタンスでも打つことができます。フラット系は左足を踏み出し、スピン系は右足を踏み出します。

余談になりますが、オープンスタンスで打つことは、(今のテニスでは)なにも問題ありません。右足を踏み出して打つ(オープンスタンス)のがだめなのではないのです。オープンスタンスで打つのに、体重が右足から左足に移動するのがよくないのです。最後まで右足に体重が乗るならば、オープンスタンスでボールを打ってもよい(むしろその方がよいこともある)のです。

したがって、まず右足を決めると、その後、左足を踏み出すか、そのまま右足体重でオープンスタンスで打つか、どちらでも選択できます。つまり、右足を決めることは、どちらのうち方にも対応できるのです。

右足を決めるというのは、他にも利点があります。位置を決めやすいという事です。簡単に言うと、飛んでくるボールの飛球線に対して、右足の位置を決めてしまえばよいのです。あくまでイメージですが、飛球線上に右足を固定するという感覚がよいかもしれません。(実際には、飛球線に対して右側に右足を置くはずです。)

なにしろ、あるレベル以上になると、ボールと右足の位置関係が少しずれただけで、ボールはとんでもない方向に飛んでいきます。常に、ボールと右足の位置関係を同じにしておきたいのです。(相手のボールが遅いと、簡単に微調整ができるのですが。)

まずは右足の位置を決める。これが、ポイントです。