メシールのテニス(73)で、お尻を突き出し、上体を前に倒す事を述べました。これは、アプローチショットにも関わってきます。アプローチショットは、ドライブボールが必須(フラットではボールが落ちないために、ネットまたはバックアウトしやすい)ですので、やはり、上体を倒します。この際、ボールを押し出すのではなく、ボールに回転を書けることが必要です。ラケット面は下を向き、フォワードスイングで右肘が前に出ます。
右肘が出ないと、ボールをフラットに押し出してしまうことになります。手首でこねると、ボールが速く失速してしまいます。
腕を体と一緒に回転させることで、右肘が自然と突き出されるのです。
昔懐かしいチェコスロバキア(現在はスロバキア)のプロテニスプレーヤーであるミロスラフ・メシールのブログです。メシールにテニスについて思ったことを自由に書いています。なお、私は、テニスの専門家ではありませんし、上級者でもありません。
2012年7月27日金曜日
メシールのテニス(73) 体重のかけ方
メシールのテニス(71)と(72)で述べたフォームについて再考したいと思います。
メシールのテニス(72)では、上体を立たせた打ち方はフラット向きだと書きましたが、厳密にいうと、上体を立てるのはよくありません。左図は、よくない例です。相手のボールが速い時などの例外的なケースを除いては、ボールに順回転を与える方が安定します。特に、相手のボールが遅い場合はフラットでボールを打つと、バックアウトまたはネットする可能性が高いのです。つまり、原則は右側の姿勢が正解です。
重心を後ろ(お尻を突き出す)ことで上体が前に倒れます。あごが体の前に出ます。
この姿勢で構え、そのまま体の軸を回転させてボールをヒットします。図には示しませんが、これにより、いくつかの効果が生まれます。
2012年7月9日月曜日
2012ウィンブルドン男子決勝 マレーVSフェデラー
2012年ウィンブルドン男子決勝であるマレーVSフェデラー戦の、リアルタイムレポートです。
第1セット。セットの序盤でフェデラーのマシンはマレーのボールへの調整に時間がかかったが、第3ゲームか第4ゲームあたりから足(フットワークも)の微調整も完了。3-3あたりから、フェデラーペースになってきた。フェデラー4-3からのマレーのサービスゲームがデュースに。マレーは、いいファーストサーブを入れ続けないと苦しい状況に。せっかくのゲームポイントでマレーのドロップショットは拾われる。ショートゲームは、よほどでないとフェデラーには通用しない。フェデラーが再度ブレークされてから、フェデラーはバックハンドをハードヒットする作戦に。第1セットはフェデラーが落としたが、このスタイルの変更が、第2セットにどうつながるのか?
第2セット。フェデラーはバックを強打し続けるが、むしろ、フォアハンドがやや打ち負けてきている。マレーがブレークポイントをここまですべてしのげているのは、まさに英国民の後押しか?マレーは、第2セット、ミスが少ない。本来は、フェデラーの方がミスをしてはいけないのだが、マレーのプレーの堅実さが目立つ。ポイントを取られる時も、最低限の抵抗をしている。自分からミスをしない。一方で、フェデラーの深いボールが、やはりまだアウトする。
解説で言っている通り、マレーのコーチであるレンドルはついにウィンブルドンをとれなかった。マレーの夢は、レンドルの夢でもある。マレー5-6の15-0からのショットは、そんなレンドルの想いがこもっているのかもしれない。その後、30-15から珍しいマレーのミスショット。こうなると、深いボールがアウトになるかインになるか、その違いですべてが決まる。しかし、最後、素晴らしいラリーからフェデラーが一本でセットを取る。先日のジョコビッチの時と同じプレーだ。
フェデラーが強いマレーのハードヒットショットに振り遅れることなく対応した時、予想通り、フェデラーのペースになる。第3セットの最初のマレーのプレーがカギとなる。このフェデラーに翻弄されてしまっているか。それとも、自分のプレーを辛抱強く続けることができるか。ミスさえ減らせば、マレーのプレーはフェデラーに十分に通用する。
第3セット。フェデラーの攻撃が多彩になる。解説の土橋さんが言うように、フェデラーのスピンボールの質がよくなって、ボールがバックアウトしにくくなってきている。マレーは、それに合わせてはいけない。正攻法が一番の攻撃力となる。フェデラーがなどのマレーのサーブでブレークポイントまで追い詰める。しかし、マレーはサーブ力で逃げる。このあたりは、力の勝利だ。クレーコートではありえない展開。しかし最後は、フェデラーが逃げ切った。マレーのファーストがかなりの確率で上がらないと、マレーは苦しい。
第4セット。2‐2からフェデラーがマレーのサーブをブレーク。最後のポイントは、第3セットの最後のポイント同じせめぎ合い。このせめぎ合いになると、フェデラーは世界で一番うまいように思う。最後のフェデラーが放ったバックハンドパッシングショットは、このショットを打つためにフェデラーはいったい何本の練習をしてきたのかと思わせた。何本ラリーが続いても、フェデラーはこのバックハンドショットを必ず打つことができる。マレーは、このままワンブレークで敗れてしまうのだろうか。
第4セットの5-3からのマレーのサーブ。よくキープしたが、そこまで。流れを食い止める雰囲気には全くならず、フェデラーの集中力は決勝でも十分に発揮された。アウエーにもかかわらず、このプレー。素晴らしい王者だと思う。ロジャー・フェデラー。
第1セット。セットの序盤でフェデラーのマシンはマレーのボールへの調整に時間がかかったが、第3ゲームか第4ゲームあたりから足(フットワークも)の微調整も完了。3-3あたりから、フェデラーペースになってきた。フェデラー4-3からのマレーのサービスゲームがデュースに。マレーは、いいファーストサーブを入れ続けないと苦しい状況に。せっかくのゲームポイントでマレーのドロップショットは拾われる。ショートゲームは、よほどでないとフェデラーには通用しない。フェデラーが再度ブレークされてから、フェデラーはバックハンドをハードヒットする作戦に。第1セットはフェデラーが落としたが、このスタイルの変更が、第2セットにどうつながるのか?
第2セット。フェデラーはバックを強打し続けるが、むしろ、フォアハンドがやや打ち負けてきている。マレーがブレークポイントをここまですべてしのげているのは、まさに英国民の後押しか?マレーは、第2セット、ミスが少ない。本来は、フェデラーの方がミスをしてはいけないのだが、マレーのプレーの堅実さが目立つ。ポイントを取られる時も、最低限の抵抗をしている。自分からミスをしない。一方で、フェデラーの深いボールが、やはりまだアウトする。
解説で言っている通り、マレーのコーチであるレンドルはついにウィンブルドンをとれなかった。マレーの夢は、レンドルの夢でもある。マレー5-6の15-0からのショットは、そんなレンドルの想いがこもっているのかもしれない。その後、30-15から珍しいマレーのミスショット。こうなると、深いボールがアウトになるかインになるか、その違いですべてが決まる。しかし、最後、素晴らしいラリーからフェデラーが一本でセットを取る。先日のジョコビッチの時と同じプレーだ。
フェデラーが強いマレーのハードヒットショットに振り遅れることなく対応した時、予想通り、フェデラーのペースになる。第3セットの最初のマレーのプレーがカギとなる。このフェデラーに翻弄されてしまっているか。それとも、自分のプレーを辛抱強く続けることができるか。ミスさえ減らせば、マレーのプレーはフェデラーに十分に通用する。
第3セット。フェデラーの攻撃が多彩になる。解説の土橋さんが言うように、フェデラーのスピンボールの質がよくなって、ボールがバックアウトしにくくなってきている。マレーは、それに合わせてはいけない。正攻法が一番の攻撃力となる。フェデラーがなどのマレーのサーブでブレークポイントまで追い詰める。しかし、マレーはサーブ力で逃げる。このあたりは、力の勝利だ。クレーコートではありえない展開。しかし最後は、フェデラーが逃げ切った。マレーのファーストがかなりの確率で上がらないと、マレーは苦しい。
第4セット。2‐2からフェデラーがマレーのサーブをブレーク。最後のポイントは、第3セットの最後のポイント同じせめぎ合い。このせめぎ合いになると、フェデラーは世界で一番うまいように思う。最後のフェデラーが放ったバックハンドパッシングショットは、このショットを打つためにフェデラーはいったい何本の練習をしてきたのかと思わせた。何本ラリーが続いても、フェデラーはこのバックハンドショットを必ず打つことができる。マレーは、このままワンブレークで敗れてしまうのだろうか。
第4セットの5-3からのマレーのサーブ。よくキープしたが、そこまで。流れを食い止める雰囲気には全くならず、フェデラーの集中力は決勝でも十分に発揮された。アウエーにもかかわらず、このプレー。素晴らしい王者だと思う。ロジャー・フェデラー。
2012年7月8日日曜日
2012ウィンブルドン男子決勝 マレーVSフェデラー(予想)
マレーとフェデラーの決勝の予想。
グランドスラムはこの何大会か連続で、ジョコビッチとナダルが主役であった。2012年のウィンブルドン、久しぶりにこの主役のいないグランドスラム。しかし、さすがだ。今年の決勝の二人は、主役の代わりに主役になれる二人なのだ。
フェデラーは優勝すると7度目のウィンブルドン優勝となり史上最多となる。しかも、優勝と同時に世界ナンバー1となる。
マレーは、イギリス人として76年ぶりの優勝を狙う。なんと、ポロシャツなどで有名なフレッド・ペリー以来の優勝となるのだ。もちろん、私も、フレッド・ペリーのプレーを見たことがない。
この決勝戦の結果を予想するのは難しい。ロンドンオリンピックを控えて、究極のホームであるマレーにどんな風が吹くのか、予想もつかない。
しかし、この試合のポイントはフェデラーだ。フェデラーが高い集中力で、準決勝のジョコビッチ戦と同じプレーができれば、おそらくマレーは翻弄され、一方的な試合にすらなるかもしれない。具体的には、相手の裏をかくボール配球と、ベースライン辺りへの深い球だ。フェデラーは、おそらく、マレー戦でもジョコビッチ戦と同じ戦法をとるだろう。
マレーが力でフェデラーを抑え込もうとしたときに、それができなかったら・・・。流れは確実にフェデラーにとなる。しかし、それ以外の戦法で、マレーが勝利する筋道が見えないのも確かだ。マレーは、観客の応援を背に、フェデラーのコンピュータが狂い始めるまで攻め続けるしかないだろう。
グランドスラムはこの何大会か連続で、ジョコビッチとナダルが主役であった。2012年のウィンブルドン、久しぶりにこの主役のいないグランドスラム。しかし、さすがだ。今年の決勝の二人は、主役の代わりに主役になれる二人なのだ。
フェデラーは優勝すると7度目のウィンブルドン優勝となり史上最多となる。しかも、優勝と同時に世界ナンバー1となる。
マレーは、イギリス人として76年ぶりの優勝を狙う。なんと、ポロシャツなどで有名なフレッド・ペリー以来の優勝となるのだ。もちろん、私も、フレッド・ペリーのプレーを見たことがない。
この決勝戦の結果を予想するのは難しい。ロンドンオリンピックを控えて、究極のホームであるマレーにどんな風が吹くのか、予想もつかない。
しかし、この試合のポイントはフェデラーだ。フェデラーが高い集中力で、準決勝のジョコビッチ戦と同じプレーができれば、おそらくマレーは翻弄され、一方的な試合にすらなるかもしれない。具体的には、相手の裏をかくボール配球と、ベースライン辺りへの深い球だ。フェデラーは、おそらく、マレー戦でもジョコビッチ戦と同じ戦法をとるだろう。
マレーが力でフェデラーを抑え込もうとしたときに、それができなかったら・・・。流れは確実にフェデラーにとなる。しかし、それ以外の戦法で、マレーが勝利する筋道が見えないのも確かだ。マレーは、観客の応援を背に、フェデラーのコンピュータが狂い始めるまで攻め続けるしかないだろう。
2012年7月6日金曜日
2012ウィンブルドン男子準決勝 ジョコビッチVSフェデラー
2012ウィンブルドン男子準決勝(ジョコビッチVSフェデラー)は、フェデラーのテニスがすばらしかった。
テニスは、深いボールを打つことが基本だという事を、改めて教えてくれたフェデラーのプレーだった。両者のストロークのボールがバウンドした記録を見たらわかるだろう。フェデラーのボールは、大事なところで深かった。ベースラインから1m以内でバウンドした。
そして、もっと素晴らしいのは、ジョコビッチの深いボールを、フェデラーが必ず対応したことだ。試合前から、ジョコビッチのボールは深いとフェデラーは覚悟していたように見えた。そして、深いボールをミスすることなく、必ず打ち返した。しかも、相手のチャンスボールにならないように。
この点が肝心なところで、フェデラーの深いボールに苦しめられたジョコビッチとの大きな違いだった。
体力的には、フェデラーはもうジョコビッチにはかなわない。しかし、リスクマネージメントにおいては、フェデラーは世界でも群を抜いている。
テニスは、エラーをしたらポイントを取られる。エラーをしたら負ける。しかし、世界のこのクラスでは良いショットを打たなくてはポイントが取れない。フェデラーは、ミスをしない一番ギリギリのところでボールを打つ。これ以上狙ったらエラーになる、そのギリギリのラインだ。
ジョコビッチは、このリスクマネージメントに負けた。自分が打ったよいボールがなぜ返球されるのか、その後も攻めきれないのはなぜか、訳が分からず敗退したに違いない。
限界説も飛び交うフェデラーだが、このテニスを続ける限りはまだ十分に戦える。ただし、心技体がベストの状態で整わないと、このタイトロープを渡るテニスを一試合に渡り継続することはできない。これからもフェデラーの集中がどこまで続くのか。ぜひ見てみたい。
テニスは、深いボールを打つことが基本だという事を、改めて教えてくれたフェデラーのプレーだった。両者のストロークのボールがバウンドした記録を見たらわかるだろう。フェデラーのボールは、大事なところで深かった。ベースラインから1m以内でバウンドした。
そして、もっと素晴らしいのは、ジョコビッチの深いボールを、フェデラーが必ず対応したことだ。試合前から、ジョコビッチのボールは深いとフェデラーは覚悟していたように見えた。そして、深いボールをミスすることなく、必ず打ち返した。しかも、相手のチャンスボールにならないように。
この点が肝心なところで、フェデラーの深いボールに苦しめられたジョコビッチとの大きな違いだった。
体力的には、フェデラーはもうジョコビッチにはかなわない。しかし、リスクマネージメントにおいては、フェデラーは世界でも群を抜いている。
テニスは、エラーをしたらポイントを取られる。エラーをしたら負ける。しかし、世界のこのクラスでは良いショットを打たなくてはポイントが取れない。フェデラーは、ミスをしない一番ギリギリのところでボールを打つ。これ以上狙ったらエラーになる、そのギリギリのラインだ。
ジョコビッチは、このリスクマネージメントに負けた。自分が打ったよいボールがなぜ返球されるのか、その後も攻めきれないのはなぜか、訳が分からず敗退したに違いない。
限界説も飛び交うフェデラーだが、このテニスを続ける限りはまだ十分に戦える。ただし、心技体がベストの状態で整わないと、このタイトロープを渡るテニスを一試合に渡り継続することはできない。これからもフェデラーの集中がどこまで続くのか。ぜひ見てみたい。
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