2016年1月17日日曜日

Mecir’s Tennis (282) フォアハンドのテイクバックではラケット、前腕、上腕、体幹で台形を作る


メシールのフォアハンドのテイクバックで、ラケットヘッドが0時から1時ぐらいの方向を向いています。つまり、ラケットヘッドはネット方向を示しています。

これが何を意味しているのでしょうか。「フォアハンドのテイクバックではラケット、前腕、上腕、体幹で台形を作る」ということです。テイクバックでは、この台形が維持されます。

イメージとしては、ラケット、前腕、上腕、体幹が作る台形(を含む平面)でテイクバックするイメージです。そのために、ラケットは写真のタイミングではまだネット方向を向くわけです。

ここで大切なことが数点あります。

まず大切なのは、肘の角度を変えないということです。この写真でも、上腕と前腕の角度は120度ぐらいですが、この角度を維持します。決して90度またはそれよりも小さい角度に腕をたたんではいけません。テイクバックが完了したら、つまりフォワードスイングに入ったらその限りではありません。

もう一つ重要なのは、ラケット面がこの台形の面内にあるということです。つまり、手首の角度は、内側に曲がりすぎても、外側に曲がりすぎてもいけません。ラケット面が台形内になるようにまっすぐにします。これは、言い換えると、レディーポジションでラケット面が10時から11時ごろの方向を向くことになります。上腕と前腕を含む面内にラケット面を置くと、その方向になるはずです。

フォワードスイングでは腕の角度は変わります(角度が大きくなります)。また、ラケット面はこの台形面から後ろ側にずれます。(ラケット面が台形面に対して遅れます。)しかし、この台形面のイメージはフォワードスイングでも維持します。それによって、スイングが安定します。

繰り返しになりますが、大切なのはテイクバックにおいては腕を線(または折れ線)で意識するのではなく、面で意識することです。腕を面で意識することでテイクバックでのラケット面が安定します。また、フォワードスイングでも腕のぶれが小さくなります。

このイメージの時に、右わきは開くでしょうか、閉まるでしょうか。答えは、「ケースバイケース」だということです。ボールが低い場合は脇は閉まりますし、高いときはやや開くでしょう。ことさら脇の開きを気にする必要はありません。打ちやすいように脇を開ければ(または閉じれば)よいのです。



2016年1月9日土曜日

Mecir’s Tennis (281) 疲れてきたときに注意すべきこと

長い時間練習していると、体力がなくなってきてだんだんとスイングがおかしくなる(ブレてします)ことがあります。自覚できるぐらいフォームが崩れ、スイングの力がどんどんボールに伝わらなくなるのがわかります。スイングの力がボールに伝わらないため、その分無理にスイングします。スイングに無理が生じると、正しいスイングからずれてきます。ずれてくると、インパクトでボールに力が伝わりません。

悪循環です。どうしてそうなってしまうのでしょうか。

理由の一つとして、「テイクバックでラケットヘッドが上がってしまう」ということがあります。言い換えると、テイクバックで腕を使ってしまうのです。

本来は、テイクバックでは腕を使いません。体の回転に引っ張られてそのまま腕も後ろに回転します。しかし、疲れてくると、この原則がぶれてきてしまうのです。

しかし、疲れてきてインパクトが弱くなったりぶれたりすると、それを補って強い球を打とうして、無意識にだんだんとテイクバックで腕を使ってしまうようです。

もう一つの理由として、フォワードスイングで腰の回転と腕の回転が一致してしまうということがあります。腰の回転に対してわずかに腕が遅れることで、ボールにパワーを伝えることができることを以前書きました。(同時に、腕が遅れることで腕でスイングをコントロールできます。)これをつい忘れてしまい、腰と腕が同時に動くため、パワーが伝わらなくなるのです。
  • 腕を使わず腰の回転でテイクバックをしているか
  • テイクバックでラケットヘッドが下がっているか(上がっていないか)
  • 腰の回転にわずかに腕が遅れて出ているか(腕が腰の回転に同期していないか)
をチェックするのがよいと思います。