2014年3月27日木曜日

2014 ソニーオープン 錦織の快進撃

2014年のソニーオープン(アメリカ・マイアミ)での錦織のプレーは、快進撃と呼んでよいだろう。世界ランク21位の選手が、15位、4位、5位に勝ったのだから十分に評価できる。

4位のフェレールに勝った2日後に、5位のフェデラーにも勝利した。ともにフルセットマッチの試合だったが、錦織のプレーは2つの試合では別人のようだった。

フェレールのゲームでは恐る恐る打っていたボールを、フェデラー戦ではフルパワーで打ち込んでいたのだ。こんな世界のトップ選手でも、思い切ってボールを打てる試合と、アウト・ネットを気にしながらボールを打つ試合があるのだと思うと面白い。

それは、相手によるのか、自分の体調か、それともコートコンディションによるのか。おそらく、それらすべての組み合わせなのかもしれない。

このことは、アマチュアプレーヤーにも勇気をくれる。トッププロでもボールを100%の力で打てないことがあるのだ。アマチュアでそういうことがあっても、当たり前。言い換えると、試合で大切なことは、まずは「ボールをこわごわ打つのではなく、思い切って打つことができるように自分を調整する」ことだ。それがどうすればよいのかは、私にはよくわからないけれど。

フェデラーとの試合はゲームは競っていた(フルセットで第3セットも4-4まではタイ)にも関わらず、錦織の試合後のコメントは自信に満ちていた。それは、錦織にとってこの試合が楽しかったからに違いない。

最後のバックハンドクロスは、本当はリスキーで難しいショットだと思う。しかも、エラーすると、デュースになってしまう。しかし、錦織には躊躇は全くなかった。まさにエラーするという発想がないショットだ。

試合直後の錦織は、意外なほど落ち着いていた。むしろ、精神的苦しんだ試合のほうが勝利の喜びは大きいのだろう。抑圧されたコーラ瓶の空気が栓を抜いたときに爆発するように。試合を楽しんだ錦織は、勝利の喜びよりも自分のプレーができた幸せな感覚のほうが大きいのだろう。

ボールを強く打つことができれば、コースやコーナーを狙うこともできる。そうすれば、テニスは楽しくなる。エラーするのではないかというマイナス思考ではなく、どうやってポイントを取るかというプラス思考でプレーできる時ほど、テニスは楽しいことはない。

昨年のウィンブルドンで私は「錦織は優勝する有資格者」と書いた。今回のソニーオープンでは、「有資格者」どころか「候補者」といってよいだろう。次の試合はジョコビッチだが、フェデラー戦と同じように錦織がボールを打ち切ることができるなら、勝利するチャンスは十分にあるだろうし、それよりも、なによりも、錦織自身が試合を楽しむことができるだろう。

2014年3月3日月曜日

Mecir's Tennis (221) サーブレシーブのTIPS

レディーポジションは「女の子のもじもじポーズ」ですが、その際に、ラケットとへその距離を少しとります。そして、ボールが飛んでくるときに手を体にひきつけます。

これによって、むしろ体が前に出てステップインする力になります。

ステップインを足で行うと、バランスが微妙に変わります。それよりも、腕(手)を引き付けることでそれをステップインの力に変えてしまうのです。

同時に、それはテイクバックのスタートにもなります。静から動はどのスポーツでも難しいですが、手の引付により、レディーポジションという静からステップインという動に簡単に移ることができるのです。

Mecir's Tennis (220) ただ一つ守るべきこと

相手のボールによって、フォアハンドはいろいろです。

ボールが遅い場合、よく跳ねる場合はテイクバックを大きくとるでしょう。腰を十分にひねって体の横、遅い打点でボールを打ちます。

相手のボールが低く速い場合、特に相手のボレーに対するパッシングショットでは右肩はあまり深く入らず、オープンスタンスで打点も前になります。

相手のボールによって、フォアハンドの打ち方は変わります。が、変わらないことが一つあります。

それは、テイクバックでラケットヘッドがネット方向を向くという脳内イメージです。どんなことがあっても、それがショートラリーの練習であっても、テイクバックでのラケットヘッドはネット方向を向きます。

どんなことがあっても、ラケット面を開いてはなりません。大げさに言うと、テイクバックではそのことだけを考えていればよいぐらいです。

それを達成するイメージとしては、体ではなくラケットを中心に考えることです。テイクバックでは、ラケットを固定してしまい、それに合わせて体を動かせばよいのです。ラケットは両手でしっかりと位置を固定するイメージです。