2012年1月17日火曜日

メシールのテニス(55) テイクバックでラケットヘッドはどこを向く?

ロジャー・フェデラーのフォアハンドは、セミイースタン(イースタン)グリップで、今(2012年)のテニスでは、メシールに近いのではないかと思っていました。しかし、やはり、かなり違うようです。
それは、テイクバックでの、ラケットヘッドの向きです。


図を見てほしいのですが、メシールのテニスでは、フォアハンドのテイクバックで、ラケットヘッドは下を向きます。(真下というほどではないですが、水平よりははるかに下向きです。)それと比べて、現在の、ほとんどのプレーヤのテイクバックでは、ラケットヘッドは上を向いています。

例えば、フェデラーのフォームを見てみてください。静止画なので分かりにくいですが、これは、フェデラーの練習時のフォアハンドのテイクバックです。上の図のラケットヘッドが上を向いているのと同じであることが分かります。
メシールのフォアハンドでは、同じテイクバックで、ラケットヘッドが下を向きます。その後、(特に、腰よりも高い位置のボールでは)体の後ろでヘッドが立ってループスイングになります。(ボールが腰よりも低い場合には、ループではなく直線状で打つこともあります。これは、スピンよりもフラット系の場合です。)

私が、メシールのフォアハンドが「美しい」と感じるのは、どうやら、この点にあるようです。とはいえ、なぜ、テイクバックでラケットヘッドが下を向くと「美しい」と感じるのかは、まだ、自分でもよく分からないのですが…(笑)。ただ、(当時)メシールのストロークは、「懐が深い」と言われていた理由が、これであることは間違いありません。

いずれにしても、こんなテイクバックをするプレーヤーは現代テニスでは、ほとんどいないのですから、言い換えると、私のブログは、ほとんどのテニスプレーヤーには役に立たないということになるかもしれません(笑)。でも、不思議です。このフォアハンドは、それほど理にかなっていないとも思えないのですが、なぜ、今、こういうテイクバックをする選手がいなくなってしまったのでしょうか。懐の深いストロークが打てるはずなのですが…。

かつては、レンドルも、コナーズも、程度は違えど、同じようなテイクバックだったのです。また、今のプレーヤーでも、バックハンドはヘッドを落として引く選手はたくさんいるのです。

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