2016年2月2日火曜日

Mecir’s Tennis (283) テニスはボールをネットを越えて相手のコートに打つ競技

気を付けの姿勢でまっすぐ立ってみてください。そのまま、背筋を伸ばしたまま、しかも体を前傾にせずに、上体をまっすぐ立てたまま膝を屈伸していってみてください。

膝を曲げていくと、どうしても上体を前に倒したくなります。そのほうが楽だからです。この場合、足の裏の体重は、当然ですが指先側にかかります。

上体を直立したまま膝を曲げようとすると、足の裏の体重を指先側ではなく足の裏全体にかけることになります。どちらかというとお尻を突き出した形で、やや後ろ体重になっているのではと思うような形での沈み込みとなります。(しかし、実際にはのけぞるようにはなっていないものです。)

これが、メシールのスタイルです。見ようによってはやや不格好に見えるかもしれませんが、一方で、メシールのフォームを美しいと思う(上体がまっすに伸びた)フォームの基本形です。

これは、テニスはボールをネットを越えて相手のコートに打つ競技出会えることを考えると、理にかなったフォームです。なぜでしょうか。

もし、あなたが下から上にボールをこすりあげて回転をかけ、ネットを越えたボールが相手コート側でドロップするように打つなら、このような直立の上体にこだわる必要はありません。むしろ、それは、打ちづらくなるでしょう。

しかしもしあなたがラケットでボールを運ぶように打つメシールのようなテニスをするならば、このフォームは有効です。理にかなっています。なぜでしょうか。

このフォームでは、なんとなく体がのけぞってしまい、ふんぞり返ったような印象を受けるかもしれません。もし、ふんぞり返ってボールを打つと、打ったボールはどちらに飛んでいくでしょうか。まっすぐ横(地面に平行)でしょうか、地面と平行よりも下を向くでしょうか、逆に平行よりも上を向くでしょうか。

答えは、上を向くです。ふんぞり返っているのですから。そして、それでよいのです。

フラットドライブ系のストロークで悩ましいのは、意識がつい、ボールを地面と平行に打つイメージを持ちやすいことです。当然それではボールはネットを越えにくくなります。フラットドライブでは、どうしてもネットすれすれのボールになりやすく、その点がリスキーになってしまいます。

お尻を突き出し、上体を立てることで、ボールを打つ方向のイメージが自然にネットより高いところになります。言い換えると、上り坂に対してボールを地面(上り坂の斜面)に平行に打つようなイメージになります。

あくまで上り坂に平行なのであって、平坦な地面に対して上向きに打っているわけではありません。平坦な地面に対してえ上向きに打つのは、スピンボールのイメージです。

フラットドライブ系は、フォームを少し間違えると常にネットを意識させられます。スピンボールでネットすれすれを打つのは難しいのですが(回転量と方向を少しでも間違えるとネットしてしまうため)、フラットドライブ系はまっすぐ横に打つのはそれほど難しくありません。だからこそ、逆に、常にネットの上(たとえば1mぐらい)を狙って打つことが大切なのです。それにより、脳内イメージで随分と暗転したストロークを打つことができるようになるのです。


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