2012年10月24日水曜日

メシールのテニス(77) スクエアスタンスとオープンスタンス(フォアハンド)


メシールのテニス(75)で、フォアハンドの右足の位置について書きました。その際に、左足は①スクエアスタンスで前方に踏み出して打つ、②オープンスタンスで打つ、の2つの打ち方があることを、図に示しました。図を再掲載します。①が左図、②が中図です。③はNGです。オープンスタンスでは、体重を左足に移動してはいけません。

さて、①の場合と②の場合は、どう使い分ければよいでしょうか。簡単に書くと、①はフラットドライブ系、②はスピン系で使います。②の打ち方について書きます。

②のスピン系は、いわゆるワイパースイングです。1980年代のテニスファンでイメージしやすいのはマッツ・ヴィランデルです。その特徴を整理すると、次の通りです。
  • 右肘をたたんで、右脇を締める。インサイドアウトのスイングワーク。
  • 手首をワイパーのように使う。
  • 右足は柔らかく。突っ張らないように。
  • 左足は、右足よりも後ろでよい。(図を見てください。)
  • 打点は高いところで。頭よりも高いところで打ってもよい。(低いところでは、やや打ちにくいです。)
  • フォロースルーでは右肘を前に突き出す。右手首よりも右肘がネット側に来る(ワイパースイング)。
  • 打ち終わったときの体重は右足にかかる。

メシールのフォアハンドはフラットドライブが目立つので②のような打ち方はしないというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。ヴィランデルほどはっきりとしたワイパースイングをしていないだけです。例えば、全仏オープンの様な土のコートでは、この②の打法でフォアハンドを打っています。左足の位置は、図に示すように右足のほぼ横、または少し後ろにあります。

②の打法方の利点は、他にもあります。それは、「高い打点で打ちやすい」という事です。①の打ち方は体重が乗るので重いボールが打てますが、高い打点が苦手です。②は、高い打点が得意な打ち方です。①と②を使い分けることで、ボールの高さに対応することができます。

②のもう一つの利点は、フォア側に振られた時に有利だという事です。なぜなら、打つ時に左足が後ろに残っていますので、打ち終わった時にセンターに戻りやすいのです。①では、そのような対応は容易ではありません。

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