2014年12月1日月曜日

Mecir’s Tennis (255) 実践編・テイクバックのタイミング(侍は半身で構える)

今までは、メシールのスイングの分析をしてきました。参考にしていたのは、試合前のゲームの映像。手持ちのビデオでは、試合前のゲームから収録されているものは少なく、数少ない練習の風景から分析をしてきました。

これからは、実践編として、ゲームの映像などから分析した内容を説明したいと思います。

今回は、テイクバックのタイミングです。つまり、ボールが飛んできてどのタイミングでテイクバックをするのか。言い換えると、ステップワークとテイクバックのタイミングの関係です。
  • まずテイクバックをしてからステップワークをするのか(ラケットを引いたままステップするのは、ずいぶん体勢が辛そうなフォームです。)
  • まずステップワークをしてからテイクバックするのか(テイクバックが遅れるのではないか)
答えはそのどちらでもありません。1987年のWTCファイナルズ決勝でマッケンローと対戦した時のメシールのビデオに、それがはっきりわかる答えがありました。

まず最初に、メシールはレディーポジションではラケットを腰の下(へその下)で構えます。何度も書いている「女の子のもじもじポーズ」です。ラケットヘッドは下を向いています。また、ラケットヘッドは0時方向(ネット方向)を向いています。つまりヘッドはボールの方向・相手の方向を向くわけです。

肩をしっかりと両側に張り、腕の力を抜きます。腕をだらりと下げ、背中を丸めないようにします。背筋をしっかりと立てます。

次に、メシールは、フォアハンドでもバックハンドでも、ボールが飛んでくると、まず「刀を抜きます」。つまり、腕は動かさず、体の回転でテイクバックを始めます。(その様子は、まるで刀を抜いているかのようです。)その際、ラケットヘッドが下を向くのは、何度も書いている通りです。ただし、刀を抜いてはしまいません。刀を鞘から少し抜いた形のまま、フォアハンドまたはバックハンドにステップワークします。そして、ボールのバウンドなどのタイミングに合わせて、その体勢からテイクバックを行います。こちらは、ボールをヒットするためのメインテイクバックです。

つまり、テイクバックが2段に分かれているようなイメージです。

侍が、刀の鞘に手を置いて半身(はんみ)になり、少しだけ刀を抜いた状態で「つかつかつか」とステップする様子を頭に描いてください。まさにこんなイメージです。

もちろん、ステップワークでは背中はまっすぐに立っています。




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