2012年11月27日火曜日

メシールのテニス(85) ドライブボレーのコツ

メシールは、当時の他のプレーヤーと比較してもドライブボレーを使う率が高かったように思います。アガシのように強くボールをヒットして相手を追い込むのではなく、ボールのコースを散らせて相手を仕留めるタイプのメシールとしては、やっとのことで返してきたボールについてはドライブボレーで仕留めたくなるのは当然です。

ドライブボレーは、ボレーと言うよりもストロークです。ストロークだと思うと、普通の(自分のコートでワンバウンドしてから打つ)グランドストロークと球筋がそれほど違うわけではないのに、どうして難しく感じるのでしょうか。(私には、すごく難しいショットです。)

それは、テイクバックのタイミングが取れないからです。

メシールのテニス(83)で書いたとおり、グランドストロークでは、メシールのフォアハンドのテイクバックからフォワードスイングへの切り替えは、ボールがバウンドしたタイミングで行います。ボールのバウンドが存在しないドライブボレーでは、テイクバックからフォワードスイングにどこで切り替えたらよいのかが分からないのです。

では、どのタイミングでスイングをテイクバックからフォワードスイングに切り替えたらよいのでしょうか?言い換えると、フォワードスイングを開始するタイミングはどこでしょうか?

ドライブボレーでは、相手がボールをヒットする瞬間が、通常のグランドストロークのボールがバウントするタイミングになります。つまり、相手がボールをヒットするときには、すでにテイクバックが終わっていなければならないのです。

そんなことができるのか?相手がボールを打つ瞬間にテイクバックが終わっているという事は、相手がボールを打つ時には、自分のフォア側かバック側かどちらにボールが来るのかが分かっていなくてはなりません。

が、逆に言うと、それを予測して打てる時でないとドライブボレー(とくにロングボレー)は打ってはいけないということです。予測がはずれたら、つまり相手がうまくてこちらの予測を外してきたら?

その時は、ドライブボレーを諦めればよいのです。ないしは、少し遅れてスイングをすることになります。(望ましくないですが、ダメと言うわけではないので。)

相手がボールをヒットする瞬間にテイクバックが完了することは難しいので、実際には、相手がボールをヒットしたタイミングからできるだけ早いタイミングでテイクバックを完了する、というのが正しいと思います。

もう一つ、この時のテイクバックは、通常のグランドストロークと比較して、かなり小さくなります。体の前でテイクバックを完了させる感じです。何しろ、相手が打つ瞬間(またはその直後)にテイクバックを完了せねばなりません。大きなテイクバックを取る時間的余裕がないのです。

その代わりに、フォワードスイングの時間はたっぷりあります。とは言え、通常のグランドストロークと違って、テイクバック後に走らねばなりません。できるだけ早くヒットポイントに足を運び、その後でフォワードスイングを始めることになります。

その際に辛いのは、ここではテイクバックをとれないという事です。すでにテイクバックは終わっています。

ボールが飛んでくる間に大きくゆっくりとしたフォワードスイングをとること。逆に言うと、たっぷり時間があるフォワードスイングをしているというイメージが、ドライブボレーのイメージになると思います。移動しながら(または移動後の)フォワードスイングですから、ボールと体の距離がぶれやすいです。しっかりと丁寧に足を動かして、通常のグランドストロークと同じように肩の回転(メシールのテニス(80)のえもんかけの回転)でボールをヒットします。

いずれにしても、ドライブボレーは、あくまでグランドストロークです。足の長いボールが来たのを通常通りにストロークしていると思うことが大切です。ボールのところに移動するわけですが、その最後のステップが、グランドストロークの踏み込み足と同じになるという事です。

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