2013年10月31日木曜日

Mecir's Tennis (201) (かなり重要)右手の肘の角度が変わらないこと

このブログでは、メシールのテニス技術、特にフォアハンドを分析してきましたが、これまであまり議論してこなかった重要な技術があります。それは、右肘の使い方です。右肘の使い方はメシールのフォアハンドの最も重要な特徴です。そして、現代テニスではほとんど使われない技術でもあります。今回は、日本の錦織との比較で、フォアハンドの右肘について述べたいと思います。

まず、錦織とメシールのフォアハンドのテイクバックを比較してみてください。全く異なっていることが分かると思います。以前、メシールとフェデラーのテイクバックを比較して、ラケットヘッドの向きについて述べました。メシールのテイクバックでは、ラケットヘッドが下を向きます。(真下という意味ではありませんが、水平よりは下を向きます。)一方、フェデラーのテイクバックではラケットヘッドは上を向いていました。厚いグリップの錦織の場合は、それはもっと顕著です。ラケットヘッドは、テイクバックでほぼ真上を向きます。錦織だけではありません。現代テニスの厚いグリップのフォアハンドでは、ほとんどのプレーヤーのラケットヘッドは上を向きます。


これがどのような影響(効果)があるか。それは、フォワードスイングで分かります。メシールは、フォワードスイングで、肘の角度が殆ど変りません。これは、肘を挟んで腕を一体化させ、肩を支点にして腕を使っていることを示しています。写真を見てください。(分かりやすいように、腕の角度を線で示しました。)






そして、ラケットは下から上に振り上げられます。まるで、ボーリングのようです。繰り返しになりますが、肩を支点にして腕の角度を変えず、ラケットを下から上に振り上げています。そのためには、ラケットヘッドが下を向いていることが望ましいのです。

現代テニスは、テイクバックからフォワードスイングにかけて、ラケットの(ヘッドの)軌道がループを描きます。メシールのフォアハンドでは、ラケットヘッドが振り子のように下を向いて、テイクバックとフォワードスイングで同じ軌道を描きます。なんという、簡単で素直なスイングでしょうか。

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