2013年11月12日火曜日

Mecir's Tennis (204) 体幹(体の軸)が大切

2013年のATPワールドツアー・ファイナルズの準決勝(ジョコビッチ対バブリンカ)をテレビで観戦しました。その年の最後を締める、チャンピオンを決める大会は、今はATPワールドツアー・ファイナルズっていうのですね。私(のようなオールドファン)には、やはり、マスターズという言葉の方がしっくりきます。

その年のベスト8が出場し、予選リーグの後、それぞれのリーグの1位と2位でトーナメントを行うことは、昔と変わっていません。

バブリンカはスイスの選手で、フェデラーとともにスイスを支えている男子選手です。フェデラーと同様に片手打ちのバックハンドで強いスピンボールを打つことができます。

特に私が見た試合では、バブリンカの調子がよく、ジョコビッチと互角に打ち合っていました。攻めと守りのメリハリもよく、とてもよいテニスをしてました。

が、それでも、ジョコビッチには勝てない。勝てる気がしないのです。ジョコビッチのテニスが盤石で、それを崩すためには結局はリスクの大きなショットを何本も打たなくてはならず、それをすると自滅してしまうのです。

バブリンカとジョコビッチ、何がそんなに違うのだろうか。

そう思いながら見ていたのですが、ポイントの一つは、「体の軸」だと思いました。最近でいうと、体幹というのが正しいかもしれません。


 
ショットによっても違うのですが全般に、ジョコビッチのストロークは軸がぶれません。基本的には、体幹の線(背中の筋)が地面に垂直を保たれています。一方で、バブリンカは時々軸がぶれます。この違いは、甘いボールではなく、厳しいボールの時に顕著に表れます。ジョコビッチは、深いボールや走らされて打つ場合でも、体幹を維持します。そのため、ボールがぶれないのです。一方、バブリンカは、厳しい体勢でボールを打つ時にどうしても軸がぶれます。その微妙なブレの結果がアウトボールになったり、ネットボールになったりするのです。
 
軸のブレがボールの安定感につながるのであれば、軸がブレるかどうかの小さな違いが実は勝ち負けを分けるほどの大きな違いであることが分かります。そして、もう一つ、厳しいボールに対しても体幹を維持することが実はとても難しく、体力が必要であることを忘れてはなりません。
 
そのためには、普段の練習から、体幹を維持すること、背中の筋を地面に垂直に維持することを心がけなくてはなりません。肉体的なトレーニングと同時に、そのことを意識してトレーニングすること(試合では意識しなくても体幹が維持されるようになるまで体に覚えこませること)が大切です。
 
確かに軸を維持して打つのは負担が大きく、つい軸がぶれたまま打ちたくなります。が、トップ選手は、そこを鍛錬して、軸がぶれない体勢を維持しながらボールを打ちます。これが、トップになるかどうかの一つの大きな差だと思います。

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