2014年7月7日月曜日

2014 ウィンブルドン 白のウェア

ウィンブルドンの選手のウェアについて、アンダーウェアまで白で統一するようにというオールイングランド・ローンテニス・アンド・クロケット・クラブの通達について、選手から不満の声が上がっているという。フェデラーも、「規則には従うが、(個人的な意見としては)厳しすぎるのではないか」とコメントしているそうだ。

クラブ側のこの通達の趣旨は、「ウィンブルドンはコマーシャリズムには流されない」ということなのか。それとも別の理由があるのか。ウィンブルドンは、素晴らしいプレーを見せる(魅せる)プレーヤーがいてこその大会だ。クラブ側は、プレーヤーが納得するような説明をするべきだと思う。

オールイングランド・ローンテニス・アンド・クロケット・クラブが白にこだわる理由は、伝統か、格式か、それとも権威か。

ウィンブルドンが特別な大会であることは、世界中の誰もが認めるところだ。それでも、やはり、伝統や格式、権威を誇示する必要があるのだろうか。そういえば、最後まで白のボールにこだわったのもウィンブルドンだった。あの有名な、スラセンジャーの白のボールだ。(さすがに、ボールの色まで白に戻すことはしていないが。今のところは。)

オールイングランド・ローンテニス・アンド・クロケット・クラブが白にこだわる理由は、伝統か、格式か、それとも権威か。

おそらく、本音は権威なのだろう。数少ない、残された英国の権威の象徴がそこにある。グローバル化の流れと一致するのが難しい権威という目に見えない力に、クラブはどこまでこだわり続けることができるか。今や、それは、「昔懐かしい伝統」では済まなくなりつつある。いや、正しいかどうかに関係なく流れに逆らってこだわり続けることこそが、もしかしたら伝統の言葉の意味するところなのかもしれない。

今となっては、ジョン・マッケンローのセンターコートでのタッキーニのウェアはなつかしい。特に、赤の肩のラインのウェアは、多くのテニスファンが忘れることができないだろう。あのウェアを見るだけで萎縮した選手が、あのころどれほどいたことだろうか。

そういえば、伝統に逆らって黒のパンツでコートに立とうとして白に換えるように指示されたのも、マッケンローだった。小さな大会であれば、おそらくデフォ(棄権)していただろうマッケンローも、さすがにウィンブルドンでは棄権ができなかった。

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