2014年11月4日火曜日

Mecir’s Tennis (250) フォアハンドでは右脇を締めてはいけない(2)

フォアハンドで右脇(わき)を締めてはいけない(1)で、メシールのフォアハンドでは、テイクバックで右脇を締めてはいけないということを書きました。その理由について、別の角度から考察してみたいと思います。

まずは、錦織のフォアハンドテイクバックを見てください。
見事なまでに(?)右脇が締まっています。その結果、ラケットヘッドは6時方向を超えて7時または8時方向を向いています。

これは、ウエスタングリップ(とくに錦織のようなヘビーウェスタン)ではこれでよいのですが、イースタングリップでは「テイクバックでラケット面が開く」というもっとも避けなくてはならないテイクバックになってしまいます。

下の写真は、フェデラーのフォアハンドテイクバックです。イースタンに近いフェデラーの場合には、テイクバックでラケットヘッドは5時方向(6時よりも早い時間帯の方向)を向いています。つまりラケットヘッドは真後ろよりも体の前側を向いているわけです。


ここで重要なのは、フェデラーの場合には右脇が締まっていないということです。錦織のように「右腕を折りたたんでいる」というイメージはありません。(もちろん、だからと言って、右脇を完全に開いてしまっているというわけでもありませんが。)
  • ウエスタングリップではテイクバックで右脇が締まりラケットヘッドは6時よりも遅い方向を向く
  • イースタングリップではテイクバックで右脇が締まらずラケットヘッドは6時よりも早い方向を向く
その理由は何でしょうか。絵や図にすると難しいので、実際に自分の体で試してみたら簡単にわかります。

自分の正面方向を3時とします。(フォアハンドの場合は、ネットと並行方向が3時、ネット方向が0時です。)

右脇を締めると右手は「開く」状態になり、右手を後ろに引くと前腕は3時から6時の間の方向を向くことができます。一方、右脇を開いて、三角巾をつるした状態にしてみてください。別の言い方をすると、右脇をやや開いて、右ひじをネットと反対方向に突き出します。すると、右手は自然に0時か1時方向を向きます。無理をすれば2時、3時…と開いていくことはできますが、腕に負担がかかりますので、自然に0時から1時方向になるわけです。
錦織のテイクバックとフェデラーのテイクバックを、再度比較してみてください。右脇の締まりとラケットのヘッド方向が全く異なることがわかります。

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