2015年12月29日火曜日

Mecir’s Tennis (276)  勇気をもって上半身の力を抜こう(1)

メシールのフォームを見ていると、上体(上半身)の力がとても抜けていることに気が付きます。その代わりに、何度も書いていますが、上半身(体の軸)がまっすぐです。突っ立っているようにすら見えます。

上半身の、特に腕の力を抜くのは勇気がいります。一つ間違えるとボールを強く打つことができない気がするからです。

もし、上体の力を抜いてもパワーのあるボールを打つことができないとすると、①正しいフォームでボールを打っていない、②上半身(腕)以外に力を入れるべきところ(例えばひざとか腰とか)を正しく使うことができていない、ことが理由と考えられます。

とくに、フォアハンドでは、ボールを打つ際に上半身で気を付けることは、次の通りです。

  • 高い打点と低い打点で手の中で力を入れる場所を変える。
  • 腕の力を抜くことで腰(および肩)の回転に対して少しだけ腕が遅れて出てくるようにスイングする。
高い打点の場合には、掌の人差し指側(親指側)に力を入れます。逆に低い打点の場合には、薬指側(小指側)に力を入れます。腕に力を入れていない分、てのひらの使い方を間違えるとラケット面が微妙にずれやすいので、この点は重要です。

腕が少し遅れてくることで体のフォワードスイングと腕のスイングに微妙なずれが生じます。これが、ボールへのパワーになります。腕に力が入っていなくても、このずれからパワーをもらうことができます。

しかも、腕が遅れて出てくることで、腕の動きは体の回転から自由になります。ボールを操作することができます。スイングは体の回転で打つ・腕を使ってはいけないとよく聞きます。いわゆる「手打ちはよくない」というあれです。しかし、それは嘘です。体の回転に引っ張られて後から出てくる腕(手)は、自由に使ってよいのです。手打ちすることで、ボールを好きな方向に打ち分けることや、微妙なラケット面操作が可能になります。

繰り返しますが、それらを許しているのは、上半身・腕の力が抜けていることと、体の軸がまっすぐであるということが条件となります。

そして、上体(体の軸)がまっすぐになるためには、膝を柔らかく使うことが必須です。

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