2015年12月29日火曜日

Mecir’s Tennis (278) 侍の刀のようにテイクバックしよう(1) 腰と腕の微妙な関係

以前、構えるときに侍が刀を構えるようにと書きました。フォアハンドのテイクバックでも同じです。右腰の刀と同じようにラケットを右腰においてテイクバックします。つまり、テイクバックでは腕を使わず、腰の回転によって腰の位置に置いたラケットが(つまり腕が)一緒にテイクバックします。

その分、フォワードスイングは「懐が深く」「ラケットが遅れて出てくる」イメージになります。ラケットがまるで体の後ろ側にあるようなイメージがするかと思います。

その際に気を付けることがあります。それは、フォワードスイングでは体の回転(腰の回転)と腕の振りを完全に一致させてはいけないということです。

テイクバックでは両者が一致しているので、ついフォワードスイングも同じように考えてしまいがちですが、そうではありません。

フォワードスイングで腕の振りが体の回転についてくる(少し腕が腰の回転よりも遅く出てくる)のはよいのです。腕の振りはあくまで腰の回転に引きずられて(先導されて)スタートします。絶対に腕を独立に動かしては(フォワードしては)いけません。

ただし、腕の回転は腰の回転に対して少しだけ遅れて出てきます。そこに腰の回転と腕の回転の「ずれ」が生じます。

その「ずれ」を作るためには、テイクバックの際にそのことを意識しておく必要があります。テイクバックの段階で「今は腰と腕は一緒に動いているが、フォワードスイングでは少しずれが生じるんだぞ」と意識せねばなりません。

このことを忘れると、ドンピシャのタイミングのボールについては打ちやすいが、それ以外のボールには対応できないスイングになってしまいます。どんなにスピードがあってもまっすぐに飛んでくる相手のボールは打ちやすいが、スピードはないのに高く弾んだような緩やかなボールが打てない、というようなことが起こるのです。

まとめると、腰と同時に(腰に引っ張られて)テイクバックする腕は、しかしテイクバックの最後で腰の動きから独立になります。とはいえ、フォワードスイングでは腕は腰に引っ張られて出ていきます。フォワードスイングの最初、腕の力は使いません。が、腕は、ボールコントロールする分だけは自由度を持っていなくてはなりません。

フォワードスイングでは、この微妙なずれの感覚(腕の自由度の間隔)が重要なのです。

なお、テイクバックからフォワードスイングにかけて、腕が腰から解放されるためには、腕の力が抜けていることが必要です。腕の力が入っていないと、まず腰の回転があり腕がそれに(力が入っていないので)ついていきます。しかも、腕に力が入っていないので、腕は軽やかに自由に動き始めることができるのです。

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