2011年2月20日日曜日

メシールのテニス(6) フォアハンド2

メシールのテニス(4)のフォアハンドの補足です。

メシールのテニス(4)で、フォアハンドのポイントいくつか挙げました。これを復習しつつ、(4)を実践するために気をつける点をいくつか、まとめてみようと思います。

話が突然変わりますが、エドバーグの弱点はフォアハンドと言われていました。「右脇が空く」のです。薄いグリップのフォアハンドでは、特に肩ぐらい(またはそれよりも高い)ボールに対しては、右脇が空かざるを得ません。なのに、なぜ、エドバーグ(だけ)が「右脇が空く」のでしょうか。なぜ、メシールは、右脇が空くと言われなかったのでしょうか?

おそらく、右脇が空くのは、フォワードスイングではなく、テイクバックのタイミングだったのではないでしょうか?メシールのフォアハンドのテイクバックでは、確かに、右脇は空きません。テイクバックで、右脇は締まり、右腕は体の近くを通っています。たとえ、肩(よりも高い)高さでボールをヒットする場合でも、テイクバックでは右脇は空きません。(フォワードスイングではもちろん空きます。)

さて、(ボールの高さに関係なく)テイクバックで右脇を締めるには、どうすればよいでしょうか?ここで、問題は、私だけの癖かもしれないのですが、右脇を締めてテイクバックをすると、体と腕がテイクバックからフォワードスイングにかけて、ずっと、一体になってしまうのです。いいかえると、腕の自由度が0になってしまうのです。右脇は締まってくれるのですけどね。腕の自由度が0になると、特に高いボールに対しては、全く打てなくなってしまいます。究極の「手打ちの逆状態」です。

どうも、薄いグリップのフォアハンドでは、このバランスが難しい。テイクバックで右脇が空くとスイングが不安定になり、テイクバックで右脇が締まりすぎると、フォワードスイングでも右脇が締まった状態のまま腕の自由度が0になってしまう。私自身のことになりますが、特に、昔は後者で苦しんだのですが、最近は前者で苦しんでいます。

さて、このどちらにもならない「適切な」スイングにするためのイメージが必要です。どんなイメージがよいのでしょうか?まだ、正しいかどうかわからない項目もあるのですが、現在の私なりのイメージを、いくつか紹介しておきます。これが、私なりの「メシールのフォアハンド」のイメージです。

(1)テイクバックでのラケットの始動については、私は「刀を抜く感じ」をイメージすることにしています。刀を抜くイメージの場合は、右脇がひらかないことと、体の回転でラケットを始動できるなど、イメージによるよい効果が多いからです。テイクバックでラケットヘッドが下を向きやすいことも利点です。左手をラケットに添えるイメージも、プラスイメージの一つです。

(2)テイクバックで(1)のイメージがとれていれば、フォワードスイングはなにも意識しなくてもよいのかもしれません。低い球であればそのまま脇が締まってスイングするでしょうし、高い球であれば(前述の通り)ある程度、右脇が空いても大きな問題はないでしょう。(逆に、そうしないとボールを打つことができません。)ただし、今、右脇が空きにくくなるイメージを一つ、考えています。それは、体重を右足の内側に乗せると言うことです。右足の内側に体重を乗せることで、自然と体が開かなくなり、同時に右脇も空きにくくなるようです。これは、特に、フォアハンド側に走ってからボールを打つ場合に、重要になります。この場合、体が流れやすく、また、ボールとの距離が取りにくいこともあって右脇も空きやすいからです。したがって、ボールをヒットするときには、右足の内側に体重が乗り、右足を絞り込むイメージが有効であるようです。

(3)ラケットワークのイメージとは直接は結び付かないかもしれませんが、ボールとの距離感も大切です。私は、フォアハンドのボールとの距離感を、右足(の先)でとるようにしています。実際に右足の前でボールを打つわけではないのですが。イメージとしては、自分に向かって飛んでくるボールを右足のつま先で”受け止めます”。ボールが体から離れてしまうと、フォワードスイングで右脇が空いてしまうからです。右脇を締めて打つためには、ボールの飛球線上に右足があるぐらいのイメージがよいようです。(ただし、このイメージについては、さらに研究中です。)

(4)さらに、フォワードスイングでは、もうひとつ、(これも検討中なのですが)ラケットを面からではなくフレームから振るイメージを作ろうとしています。親指側のフレームです。本来は、ラケットスイングの方向とラケット面の法線が並行になるのが当然ですが、イメージとしてはラケットスイング方向にラケットフレームが来るわけです。ラケット面法線は、ラケットスイング方向と垂直になります。実際にはそんなことは無理(そのままだと、ラケット面ではなく、ラケットフレームでボールを打つことになる)なのですが、このイメージを持つと、グリップを持つ手首の角度を120度ぐらいに保ちやすいのです。(120度については、メシールのテニス(4)に書きました。)この点は、もう少し研究してみます。

(5)上の(2)で、フォワードスイングは自由にと書きましたが、一つだけ、注意することがあります。それは、右肘を上に上げないと言うことです。高い球の場合は、ある程度脇が空くのは仕方がないですが、空き過ぎるのはもちろんよくありません。その場合、右肘を下向きに維持するのがよさそうです。右肘を上げないと言うことは、自然と右脇が空かなくなります。また、その際、肩に力を入れない(いかり肩にならない)ように気をつけます。いかり肩になると、腕の自由度が上がり過ぎて、右脇が空きやすくなります。右肘は、「下の方で」下向きを維持するように気をつけます。このために重要なイメージは、「ボールを右腰で打つ」というイメージです。右腰、右ひじが、一体となって打つことで、右肩が上がってしまうのを避けることができます。

(6)これらを守ると、ラケットスイングの起動は、ほぼ、「下から上」のイメージになります。(1)の刀を抜くイメージに対して、(6)は「ボールを下から上に切り上げる」というイメージです。縦に切り上げるイメージですから、体の回転はあまり意識しなくてもかまいません。体の回転をかけると、横に切るイメージになってしまいますので、回転を意識しない方が望ましいのです。むしろ、下から上への切り上げをイメージしたほうがよいようです。

(7)上の(5)に示した右肘を落とす方法の一つとして、「ラケットを持たない腕である左肘を落とす」と言うことがあります。人間の体は、無意識に左右を対象とするようにできているらしく、左肘を落とすと、右肘も自動的に落ちる傾向があるようです。左肘を落とすということは、いいかえると、左の手首を上げると言うことでもあります。左手を折りたたむと言ってもよいでしょうか。これは、メシールのフォアハンドでも見られる特徴です。左手を折りたたむことで左肘は下がり、これによって右肘を反動的に下げる効果があるのではないかと思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿