薄いグリップの場合には、テイクバックからフォワードスイング(インパクトまで)ででラケット面が上を向いてしまいがちです。上を向くといっても、真上を向くわけではありません。ほんのわずか、角度にして、5度から10度ぐらいでしょうか。地面と垂直な面からやや上を向いてしまうことがあります。
これは、特に初心者によくみられる傾向です。それには2つ理由があります。
一つは、初心者は、スピン系のボールではなく、フラット系のボールを打つことが多いからです。フラット系のボールでネットを超えるボールを打つためには、ボールを斜め上に打ち上げねばなりません。どうしても、ラケット面はやや上を向きます。もう一つは、初心者の場合、、速度の遅いボールを打つことが多いからです。速度の遅いボールは、ネットから直線的に飛んできません。高くバウンドして、上から下に落ちてくるところを打ちます。その結果、飛球線は上から下になり、ラケットスイング方向は下から上になります。ラケット面は、スイング軌道と垂直になりますので、自然にラケット面は上を向きます。
さて、薄いグリップのフォアハンドは、一定レベルになると、この「ラケット面が上を向く」という段階から脱却せねばなりません。想像ですが、フォアハンドがイースタングリップで、この段階で苦しんでいるプレーヤーは多いのではないかと思います。(といっても、薄いグリップのフォアハンド自身は少なくなっているので、プレーヤーの数は少ないでしょうが。)
私は、この2年間、このパラダイムシフト(おおげさ?!)に苦しんできました。メシールのテニス(27) ラケット面はいつからいつまでボールに垂直になるか?に書いたように、ポイントはラケット面がどこからどこまで垂直になるか(それ以外のときには、面を伏せる)ということなのですが、これは机の上の理屈です。コート上で実際に実践する脳内イメージを必要としていました。
メシールのテニス(33) 脳内イメージに書きましたが、脳内イメージは、それぞれの人のモノです。私がうまくいったイメージが、他の人でもうまくいく保証はありません。
そのことを前置きしたうえで、私がフォアハンドストロークでラケット面が上を向かないように、メシールのテニス(27) ラケット面はいつからいつまでボールに垂直になるか?に書いたようなラケット面ワークができるようになるために発見した脳内イメージは、次のようなイメージです。
それは、テイクバックからフォワードスイングにおいて、ラケットヘッドをネット方向(0時方向)に向けるというイメージです。実は、これは、メシールのテニス(31) メシールのフォアハンド(大胆な脳内イメージ)ですでに述べています。3つの図の真ん中の図が、そのイメージです。ラケットヘッドが、ネットの方向を向いているのがわかります。
実際に、コートで試してみると、当然ですが、ラケットヘッドは、全くネットの方など向いていません。(上の図の左図が実際のフォームです。)
ここが、脳内イメージの面白いところです。頭の中ではラケットヘッドがネットを向いているのですが、実際にはそうはなっていない。ただし、これにより、ラケット面が上を向くのを防ぐことができるのです。利き腕でラケットを持って(イースタングリップで)試してみてください。ヘッドをネット方向に向けると、ラケット面を上に向けることができないはずです。
繰り返しになりますが、脳内イメージというのは面白いものです。実際にそうなっていなくても、目標を達成する道具になるのですから。
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