2011年6月1日水曜日

メシールのテニス(27) ラケット面はいつからいつまでボールに垂直になるか?

スピンボールを打つ瞬間でさえ、ラケット面はボール垂直に当たります。正確には、ボールの飛び出す方向と垂直に当たります。イメージの中では、スピンの回転量が大きいほど、ラケット面がボールの飛び出す方向(以下、ボール進行方向と書きます)に対して伏せていると思っていますが、それは、インパクトの前後の話です。インパクトの瞬間は、ラケット面は垂直です。

これは、スピンボールの話です。



メシールのようなフラット(フラットドライブ系)の場合は、堂々と(笑)、ラケット面をボール進行方向に押し出すことができます。フラット系なのですから、このことは、誰も疑わないでしょう。

今回のポイントは、では、メシールのストローク(とくに、フォアハンドストローク)は、どこからラケット面がボール進行方向に対して垂直になっているか、です。

どうも、この点において、フラット系のグランドストロークの誤ったイメージがあるように思います。

フラット系が厚い当たりでボールを押し出すのは、あくまで、インパクトの直前から(インパクトを挟んで)直後まで、ラケット面がボール進行方向に垂直になっているからです。その幅は、実は、驚くほど短いはずです。

しかし、”フラット系は当たりが厚い”という言葉のイメージに引きずられて、フラット系でのボールの打ち方において、スイング全体でラケット面がボール進行方向に垂直になると、勘違いしがちです。これは、明らかに誤りです。

メシールのようなフラット(フラットドライブ)でも、ラケット面は、フォワードスイング(の上記のインパクトを挟んだ短い時間を除いて)では、面は伏せられています。地面方向を向いています。ただし、スイングそのものがボール進行方向を向いているだけです。

スイング軌道がボール進行方向を向いているということと、ラケット面がボール進行方向を向いているということは、異なるのです。

スピン系のストロークでは、ラケット面はもちろん、ラケット軌道もボール進行方向と異なります。したがって、スイングの中で、インパクトポイントは点になります。フラットドライブ系は、その点では有利です。スイング軌道とボール進行方向が一致するため、インパクトポイントが線になるからです。

しかし、ラケット面からみると、実は、フラット(フラットドライブ)でも、インパクトポイントは点なのです。図を見れ分かりますが、ラケット面がボール進行方向に垂直になるのは点だからです。(それでも、スピン系よりは、幾分は有利でしょうが。)

このことを間違えてイメージすると、逆に、図の誤ったイメージを作ってしまいます。それは、実は、フラットドライブ系のストロークを不安定にしている、一番の要因なのです。コナーズのフォアハンドは、この誤りイメージによるものだと思っています。その結果、コナーズのフォアハンドが不安定だったことは、ご承知の通りです。

私事で恐縮ですが、私は、この誤ったイメージにずいぶん長い間、引きずられてしまいました。テイクバックで、ラケット面をスイング方向に(無意識に)垂直にしていたのです。この癖を修正するには、かなりの時間がかかりました。(というよりも、そのことを理解することに、長い時間がかかりました。)今でも、その癖に苦しめられています。

大切なことは、テイクバックにおいて、以下にインパクトで面を垂直にできるように面を伏せることができるかということです。低い球は、有利です。フォワードスイングの軌道のまま、テイクバックをすればよいからです。難しいのは、腰よりも高い球なのです。

インパクトでラケット面をボール進行方向に垂直にするのが難しければ、頭の中では、ラケット面を少し伏せたイメージでもよいと思います。(実際には、垂直に当たるはずです。)図の黄色線(=ボール進行方向)は、ボールが飛んできた方向でもあります。したがって、面を伏せて、ボールの飛んで来た方向と同じ軌道でスイングをする(ボールを打ち返す)。メシールのフラットドライブは、なんとシンプルなのでしょう!そのイメージだとネットしてしまいそうなのであれば、その分、ボールを押し出せばよいのです。ラケット面を伏せているのですから、図の誤ったイメージになることはありません。ボールを押し出しすぎて、ベースラインをアウトしてしまうこともないのです。

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