2011年5月31日火曜日

メシールのテニス(26) メシールのフォアハンド(腰よりも高い球 その2)

手打ちはいけない、と教わります。が、その反対もいけません。手打ちをしないようにするがあまりに、体に手がぴったりとくっついてしまうと、それはそれで、窮屈な打ち方になります。

腰よりも低い球は、かなり長い間、腕を体に同期させて打つことができます(し、それが正しい打ち方です)。実際、ボールをヒットする直前まで、つまり、フォワードスイングの直前まで、腕は体に同期しています。したがって、フォアハンドの腰よりも低い球は、比較的安定して打つことができます。

問題は…腰よりも高い球です。もともと、薄いグリップのためにわきが開きやすく、その分不安定な腰よりも高いフォアハンド。最も難しいストロークといってもよいと思います。

腰よりも高いフォアハンドストロークのポイントの一つは、フォワードスイングの後半で、”手打ち”するイメージを持つことだと思います。前半(インパクト少し前まで)は、低い球同様に、体と腕は同期します。ただし、インパクト直前に、腰よりも低い球と比較すると、ほんの少し早く、体の同期が解除されます。これは、下にも書きますが、腰より低い球はボールを押し出すのに対して、高い球はボールをこするからです。その分だけ、早めに手打ちイメージになるのです。

そのほかに気を付ける点を、列挙しておきます。

テイクバックでは、ラケットは寝かさずに(緩やかに)立てること。そのためには、腕とラケットに、120°程度の角度ができるはずです。腰よりも低い球と同じイメージで、ラケットと腕がまっすぐに近い関係になると、テイクバックにおいてボールよりもラケット面がボールの飛球線よりも下になります。その結果、フォワードスイングにおいてラケット面(の法線)が水平よりも上を向いてしまい、その結果、ボールは上に飛び出します。打点が高いので、ボールが上に飛び出すと、バックアウトしてしまいます。フォワードスイングでも、この120°の角度は、維持したままでボールをヒットします。

テイクバックではラケット面が上を向いては、絶対にいけません。イメージとしては、ラケット面を伏せるイメージで大丈夫です。(グリップが薄いと、ラケット面を伏せたイメージでも、実際には、ラケット面はほとんど伏せていない(ほぼ90度になっている)ためです。)さらに、そのイメージのまま、フォワードスイングを行います。打点が高いので、ラケット面を伏せたイメージでも、ボールがネットする心配はありません。

テイクバックは、右足を引くタイミングで行います。右足とラケット(テイクバック)が連動します。高い球のフォアハンドは、不安定になりやすいため、右足をしっかり・どっしりと固める必要があります。また、その際の、右足とボールの位置関係は、細心の配慮が必要です。この位置関係が少しでもずれると、フォワードスイングにおいて微調整はほとんどできないために、ボールコントロールは不安定になります。

スイング軌道とボール軌道が一致すること。ということは、スイング軌道は、かなり水平になります。下から上ではありません。下から上に打つと、ラケット面が上を向いてしまうはずです。(そうして、ボールは、かなり上向きに打ち出されます。)もともと、高いところで打つということは、相手のボールに威力がある場合です。(威力がない場合には、ボールを腰よりも低い位置で打てるはずですので。)

低い球はボールを押し出すため、リストの形をインパクト前後で、維持できます。高い球は、ボールを多少こするため、インパクト時において、リストワークが発生します。このリストワークのタイミングがずれると、ボールはコントロールできなくなります。ボールが腰よりも高い場合は、このインパクトにおけるリストワークが、最も神経を使う部分となります。

インパクトの位置は、不安定な高い球の場合には重要(したがって、右足の位置が重要)です。場合によっては、右足を踏み出しながら打っても構いません。(実際、メシールは、頻繁に、右足を踏み出しながら、腰よりも高い打点のフォアハンドストロークを行います。)右足を出すことで、テイクバックでラケットが体の後ろに来すぎるのを防ぐことができます。左肩も入りすぎません。(左肩を入れるべしと、よく、テニスのレッスン書にありますが、入りすぎることもあるのです。)

腰よりも低い球と同様、打点が遅れないように気を付けてください。他のすべてのフォアハンドストロークと同様に、高い球のフォアハンドでも、”打点は前の方”です。

テイクバック、インパクト、フォローするのどのタイミングにおいても、右肘が伸びきらないように注意します。常に右ひじを曲げておくイメージでよいと思います。

バウンドした相手の球が高いと、どうしても、こちら側は気持ちが”受け”になってしまいます。ボールが上から襲ってくるような感じです。その結果、右肩が下がってしまうことがあります。メシールのフォアハンドでは、テイクバックで右足に体重がかかるので、なおさら右肩が下がりがちです。しかし、両肩は、絶対に水平になっていなくてはなりません。メシールのグランドストロークで、どちらかの肩が下がることはありません。気持ちの上でも”受け”にならず、ボールに向かっていかなくては、つい、右肩が下がってしまうと思います。恐れずに、ボールに向かっていくことです。右足の位置が正しければ、必ず、ボールは安定してヒットできるはずです。

フォロースルーでラケット面は下を向きますが、スイングそのものは、下に下がってはいけません。基本的には、左耳の横あたりまで上がってくるはずです。腰より低い球の場合は、ボールをしっかり押し出すイメージですが、腰より高い球の場合は、ある程度、ボールをこするイメージがあってかまいません。

なお、上で、腰よりも高い位置で打つボールは、威力がある場合だけだと書きましたが、実際には、相手のボールが弱く、コートの真ん中で高い打点で打つことがあります。いわゆる、チャンスボールです。チャンスボールは、実は、必ずしもチャンスボールではなく、なぜなら、打点が一点しかないからです。ある一点で、上下に動くボールをヒットせねばなりません。(ボールが上がっているタイミング、トップで静止しているタイミング、落ちてくるタイミングなど、いろいろでしょう。)この場合も、腰よりも高い打点の場合は、上に書いたように、緩やかにラケットヘッドを立てて、ちょうど、インパクトポイントがラケットヘッドの高さになるようにテイクバックし、そのまま横に振ることになります。腰よりも高い位置で打つ以上、ラケットが下がるということはあり得ません。その場合は、スイングが下から上になってしまい、またはラケット面が上を向いてしまい、コートの後ろではなく中央あたりから打っているために、ボールはバックラインを超えてしまうと思います。

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