2011年5月22日日曜日

メシールのテニス(21) サーブ(その1)

オンコートでアマチュアプレーヤーのサーブを見ていると、多くのプレーヤーのサーブのフォームの中には多くの無駄な動きが入っていることに気が付きます。アマチュアっぽいフォーム、と言えばよいでしょうか。私自身のサーブのフォームもそうです。ビデオで自分のサーブを見ると、いかにもアマチュアのサーブです。サーブのフォームがどんなに特徴的なプロテニスプレーヤーであっても、アマチュアプレーヤーよりは動作がシンプルなのです。

その理由はよくわかりませんが、次のような理由になると思います。アマチュアであっても、サーブは2本連続デフォルトまたはネットするとポイントを失います。どんなフォームでもよいので、まずはサーブを入れることが重要になります。

そうすると、フォームのどこかに無駄な、または過った動きがある場合には、それを修正するための、別の動きが入ります。その結果、いわゆるつぎはぎだらけの、とにかくフォルトしないためのフォームが完成するというわけです。屋上屋を重ねるという言葉を思い出します。

グランドストロークの場合には、多少の無駄な動きやフォームの誤りがあっても、なんとか相手のコートにボールは入るものです。したがって、屋上にさらに屋根を作る必要がサーブよりも小さいのだと思います。サーブは、グランドストロークと比較して一瞬にして終わりますので、ちょっとした(微妙な)誤差が、大きな結果の違いになって現れます。ゴルフでいうと、ドライバーショットでしょうか。

つぎはぎだらけのフォームから脱却して、メシールのようなきれいなサーブを打つためには、なによりも正しいフォームを身につけなくてはなりません。正しいフォームで打つことで、誤った動きを修正するために別の誤った動きを重ねる必要がなくなり、全体としてきれいなサーブを打つことができます。きれいなフォームは、安定したサーブにつながります。

実際の試合(とくにシングルス)では、リターンミス、ダブルフォルトを含めて、サーブで決まるポイントが非常に多いので、サーブは重要です。サーブの調子が悪いと、ゲーム全体のリズムも悪くなるからです。

メシールのサーブは、迫力はありませんが、きれいな(美しい、とは少し違い意味になりますが)フォームです。どの試合でも、70%以上のファーストサーブ率を誇っており、ウインブルドンではサーブアンドボレーをするだけの威力のあるサーブです。プロフェッショナルな技術という点は別として、アマチュアの参考として学ぶところが少なくないメシールのサーブを、次回以降で分析してみようと思います。

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