しかし、実際の試合ではスピンの効いた強い球を腰よりも高い位置で打つことが多いので、上記の打ち方だけでは対応できません。試合のDVDを分析して、”生きた球”をどのようにさばくのかについて、分析が必要です。
まだ、完全に分析はできていませんが、気が付いた点をまとめてみます。
①テイクバック:ラケットの引き方については、”練習”と同じです。ヘッドを落とし、ラケット面を体の方に向けて、肘から引きます。ここは、”練習”と変えてはいけません。
②テイクバックトップ:相手のボールに勢いがあるときには、それに応じた大きなテイクバックが必要になります。この際、テイクバックは、①の延長になります。つまり、真後ろにそのまま引きます。ラケットは地面と水平まで上に上がってきます。ラケットヘッドは真後ろ向き(実際には、手とラケットがまっすぐにならないので4時から5時の方向)で、ラケット面は地面の方向を向きます。基本的にはオープンスタンスで、肩を結ぶ線がネット方向よりも内側には来ない(背中をネット側に向けない)ので、体の構造上、ラケットヘッドが6時よりも深く(7時や8時)には入りません。肩と腕の線ですら、6時の線上に来ます。
③フォワードスイング:フォワードスイングは、”練習フォーム”とは異なります。ラケットは、縦振りではなく、横振りになります。つまり、この場合は、テイクバックとフォワードスイングは軌道が異なることになります。気を付けることは、フォワードスイングでは、ラケット面が上を向かないということです。”練習ボール”は、ボールに威力がないためにボールが上から下に落ちてくるか、または打点が低いために、フォワードスイングは下から上になり、インパクトにおいてラケット面がやや上を向きます。しかし、相手のボールに威力がある場合は、ラケット面の軌道は下から上ではなく、むしろ地面と平行に近くなります。そのために、スイングの軌道もほぼ地面と平行になり、ラケット面は地面に垂直になります。この”ほぼ”が実際にはどの程度傾くかは、相手のボールの勢いなどによって変わります。
スピンをあまりかけないメシールのフォアハンドでは、ラケット面の微妙な違いがボールコントロールに大きく影響します。ラケット面が少しぶれただけで、ボールはバックアウトしたり、ネットしたりします。ラケット面の微妙な制御については、メシールは、ラケットの重さをうまく利用しているようです。重いラケットを使うことによって、ラケット面をぶれにくくしています。なお、ラケット面がぶれないためには、フォワードスイングにおいて、右肘がまっすぐ伸びないようにすること、右脇が開きすぎないようにすることの2点にも注意しなくてはなりません。
以上、”練習ストローク”と比較して異なるのは、テイクバックトップでラケットを水平まで上げること(ラケット面は下向きで、ラケットヘッドは4時~5時)、フォワードスイングが縦振りではなく横振りになること(その結果として、フォロースルーでラケットヘッドが左耳あたりに来る)という点になります。右肘と右脇にも注意を払います。
0 件のコメント:
コメントを投稿