2011年6月4日土曜日

メシールのテニス(29) サーブ(その3)

一つのプレー要素(例えば、サービス)において、いろいろな技術が語られる時、それらが矛盾していたり、整合していないと、どうしたらよいのか、混乱します。しかし、様々に解説される要素技術がすべて整合していると、スムーズに受け入れやすく、また、実践しやすい(身に着けやすい)ものです。

メシールのスピン系のサーブは、その典型でしょう。スピンサーブの要素技術が、すべて、そのまま具現化されています。

スピンサーブの技術は、一般に、次の様に解説されます。①スイングの際に右肘を前に出さない、②スイングの際にラケットグリップエンドを前に突き出さない、③右肘を曲げる、④スイングの方向とボールを打ち出す方向は異なる(例えば、30°程度)、などです。

メシールのテニス(22)において、メシールのサーブを、背中から見た図で図解しました。今回は、上から図解をしてみます。上の①~④が、すべて、そこで実現しています

ここで、ポイントは、ボールの方向とスイング方向がずれているということです。スピンボールでは、ボール方向とスイング方向がずれるということを言われていますが、ラケットを(せか課から見た図に示すように)傾けることと、スイングが右前方方向であることは、コンシステント(整合)しています。また、右ひじを曲げることも、肘やラケットのグリップエンド方向がスイングに対して垂直になることも一致します。

これらは、すべて一致しており、頭の上でラケットを寝かせてボールを打つ(手首とインパクト位置がずれている)ことは、むしろ、スピン系ボールを打つためには、望ましいことなのです。

図にあるように、ラケットと手の間に角度をつける癖がないプレーや(つまり私)にとって、手とインパクトポイントが上下になっていないことには、違和感があります。力が入りにくいからです。ついつい、力が入りやすい腕とラケットをまっすぐにしてボールをインパクトしたくなります。
しかし、図にあるように、ラケットスイングする方向がラケットの中心軸線と垂直にになり、ボールを押し出す方向とは異なる方向にするのであれば、比較的簡単に修正ができます。

もう一つ、大切がことがあります。表現が難しいのですが、「右ひじの曲げ方」です。これはフォアハンドストロークにも共通するのですが、”右ひじを曲げる角度を、レディーポジションからテイクバックにおいて、あまりかえない(できるだけ一定にする)”ということが、安定したサーブを打つ際に重要です。実は、この原則を、メシールは守っていません。正確には、テイクバックでは、最後にトロフィー
ポーズを作る直前までは、あまり肘を曲げていない状態を維持しています。私は、メシールのテニス(22) サーブ(その2)でいうところの②のタイプ(メシールは①のタイプ)なので、その違いかもしれません。

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