2014年1月2日木曜日

25年を挟んだトランプのカード合わせ(マレー&レンドル、フェデラー&エドバーグ、ジョコビッチ&ベッカー、錦織&チャン…)

1980年後半のメシールが活躍した時代には、世界の男子プロテニスはタレントがそろっていました。マッケンローやレンドル、ベッカー、エドバーグ、ヴィランデル、コナーズといったNo.1経験選手はそれぞれ個性的で、さらにはメシール、マイケル・チャン、ヤニック・ノア、ルコントといったユニークな選手がバイ・プレーヤーとして揃っていました。今から思うと、テニスの歴史の中でも際立った華やかな時期だったのではないでしょうか。

それが理由かどうかはわかりませんが、この世代の選手たちが、現在の男子テニスプレーヤーのコーチととなるケースが続いています。マレーはレンドルをコーチとして迎いいれて二人の念願のウィンブルドンを勝ち取りました。それを習うかのようにジョコビッチがベッカーと、フェデラーがエドバーグをコーチとして契約したのです。日本の錦織圭がマイケル・チャンと契約をしたニュースを見ました。シャラポアとコーチ契約をしたコナーズは、あっさりと契約解除されたようですが、それにしても・・・どういうことでしょうか、このコーチ契約ラッシュは。

後は、ナダルがマッケンローかヴィランデルと契約すれば、一揃い当時と現代の選手でセットができるのではないかと思ってしまいます。

以前も書きましたが、この時代の名プレーヤーは、みんな何か弱点とそれを補う素晴らしい長所を持っていたことが特徴でした。マッケンロー、コナーズとエドバーグのフォアハンド、レンドルのボレー、ヴィランデルのサーブなどは、私が見ていても到底美しいといえるものではなかったのです。

今のプレーヤーは、いわゆるトップ4を含めて全員がオールラウンドプレーヤーであり、大きな欠点を持っていません。テニス技術は、明らかに今の選手のほうが上だと思います。技術的には、レジェンドよりも専任コーチの方が最新技術のコーチングには向いているのではないかと思います。

一方、現在のトッププレーヤーは当時の選手たちと比べてもメンタルも安定しており、マナーもよく、メンタル面でも現在のトッププレーヤーの方が全般に優れている印象があります。実際、誰かがコメントしていましたが、「当時のトッププレーヤーたちは選手間での仲が悪かったが、今は違う」そうです。今のトッププレーヤーのほうがはるかに「大人」だと思います。

そう考えると、私には彼らがレジェンドから何をコーチされるのだろうかと思ってしまいます。勝手に想像してみました。

もしかしたら、今のトップ選手はあまりに力が均衡してしまい、そこから抜け出すためのきっかけを手探りしているのかもしれません。その時に、実績が豊かなレジェンドたちから何かヒントを得ることができるのではないかと思ったのかもれません。実際、レンドルとマレーのコンビは全米オープンやウィンブルドンでの優勝を考えると成功しているといえるでしょう。マレーの成功で、もしかしたら、レジェンドたちから新しい何かを学ぶことができると、ほかのトッププレーヤーも考えているのでしょうか。

今後、どのコンビが成功するのか、1980年代後半のテニスシーンを楽しんだ私には、2014年の男子プロテニスのゲームを観戦する楽しみが一つ増えました。

ミロスラフ・メシールは、以前の記事にも書きましたが、2014年もデ杯の監督をするようです。したがって、おそらく、特定の選手のコーチング職には就かないでしょう。社会主義国である(であった?)スロバキアらしく、国の選手の育成がメシールの本業なのでしょう。が、しかし、あの美しいテニスを、理にかなったテニスを、誰かに伝えていってほしい。そういう気持ちを私には拭うことができないのです。

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