2014年9月4日木曜日

2014年全米オープン 男子準々決勝 錦織vsバブリンカ

WOWOWでの放送が朝だったので、目が覚めてから第4セットと第5セットをテレビで観た。錦織が第5セットでマッチポイントを取った時、錦織の表情がアップになった。

なるほど、勝つ人の表情はこうなんだと思った。それは、「よし、次のポイントを取れば勝てる」というような表情ではなかった。勝つか負けるかは、結果でしかない。結果を意識するのではなく、その過程を意識している表情。自分の中で次のポイントをどうとるか、次のプレーはどうするかだけを考えている表情だった。その頭の中に「勝利」という文字は全くなかっただろう。

錦織は最初のマッチポイントをものにして、バブリンカに勝利した。これまでの対戦成績が0勝2敗と分が悪い世界第4位の第4シードに、世界11位の錦織が初めて勝利したのは、全米オープン準々決勝のセンターコートという場だった。

試合直後のインタビューでも、錦織は言った。「最終セットでは何度もブレークポイントをしのいだが、最後にいきなりこちらのブレークポイントが来た。」次のゲームを取れるか、落とすか、そんな結果を起点として考える発想であればこのコメントは出てこない。

テレビ解説者の岩渕さんも言っていたが、勝利の後の振る舞いも、この試合に勝って満足というのではなく、次の試合のことを考え始めているという振る舞いだった。勝利を喜ぶのではなく、勝利に満足しながらすでに次のゲームについて考えはじめている。そういうスタンスだった。

ラオニッチとのナイトセッションでは深夜2時を超え、バブリンカとのデイセッションではナイトセッションの時間まで食い込む時間のロングゲームゲームをとなった。4時間を超える試合をハードコート上でセンターコートで戦った後、これからますます厳しくなる準決勝、決勝を戦うには、この短い間でどこまで体が回復するかが一つのポイントになると思われる。

→2014年全米オープン男子4回戦 錦織vsラオニッチ

0 件のコメント:

コメントを投稿