2014年8月14日木曜日

Mecir's Tennis (238) 上腕を下げる+三角巾=インサイドアウト

最近の(厚いフォアハンドグリップの)テニスでは、テイクバックでラケットヘッドが上を向く傾向にあります。これは、言い換えると、最近のテニスでは上腕が水平よりも上を向くということです。

右ひじを支点としてその水平面で見ると、手や手首は水平面よりも上にあるわけです。錦織、フェデラー、ナダル(右利き)のテイクバックを見てください。すべて右手首は右ひじよりも高いところにあります。またラケットヘッドは上を向いています。




実は、メシールのテニスでは、上腕は必ず下を向きます。打点が高い場合でも、上腕は地面に水平までです。したがって、テイクバックでラケットヘッドが上を向くことはありません。

これは、メシールのスイングがインサイドアウトであることと無関係ではありません。薄いグリップで、テイクバックでラケットを立てると、スイングをインサイドアウトに振ることができないのです。上腕が下がっているからこそ、そこからインサイドアウト(かつ下から上に)スイングできます。


テイクバクで上腕を下に向けることで、いかにインサイドアウトにスイングするかが、メシールのフォアハンドの大きなポイントです。このような打ち方の場合、腕に力がいれにくいというのがポイントです。右ひじを曲げてラケットを立てると、体の回転と腕の回転が同期するため、フォワードスイングの最初から腕の力を使うことができます。メシールのような打法では、腕に力が入るのはボールインパクト直前からです。

そのためには、Mecir's Tennis (157) 3対7と言うよりも0対10のテイクバックとフォロースルー(その2)に書いた通り、肩の回転を使うことです。腕を三角巾のように肩からつるし、肩の回転でフォワードスイングを行います。そして、インパクトから初めて腕を使うのです。したがって、腕は肩の回転から遅れて出てくることになります。

上のメシールの写真をもう一度見てください。右側では腕は肩よりも遅れています。左側の写真では腕が肩よりも前に出ています。そして、上腕は下を向いています。スイングがインサイドアウトであるのは、インパクト(左)の写真でラケット面が外(2時方向)を向いていることからわかります。

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