2011年7月8日金曜日

メシールのテニス(32) サーブ(その4) 野球の投球フォームの弊害

ずっと思うように打つことができずに苦労(苦戦)している私のサーブ。特に、安定したスピン系のサーブを打つことができません。どうしてなのか、ずっとわからず試行錯誤していたのですが、最近、少し理解できてきたので、解説してみようと思います。

昔、若いころに野球をやっていた(特にピッチャー)の場合は、肩が回るので有利だと言われていましたが、どうも、必ずしもそうではないというお話です。

実際、サーブのフォームは、投手の投球動作と似ているところは多いと思います。肩が回ることもその一つであり、それだけを考えると、確かに、野球の経験は有利な点もあります。

しかし、野球の投球フォームとテニスのサーブ(スピン系)では、決定的に違うことがあります。この点が、私を長い間苦しめている点です。(私は、中学校の時に、野球部でピッチャーでした。)

それは、右肘(右利きの場合)の使い方です。これが、野球とテニスでは、全く違うのです。以下、テニスの用語を使って説明します。

野球では、投手は、フォロースルーにおいて、いかに右肘を前に突き出すかが大切です。これにより、腕が弓のようにしなり、ボールにスピードと伸びが出ます。私もこの癖が、体に染みついています。



画像は西武ライオンズの涌井投手の連続写真です。下段の左から2枚目~4枚目の図を見れば明らかですが、右肘を突き出すことで右腕が弓なりにしなっています。

この準備として、投手は、テイクバックトップで右肘を投球するのと反対方向に突き出します。上段の一番右の図がそうです。

では、テニスはどこが違うのでしょうか?

実は、テイクバックトップは、腕の曲げ方がテニスと野球とで、似ています。フェデラーのサービスの写真を見てください。



涌井の投球フォームとは写真の角度が違うのでわかりにくいですが、右から2枚目で、フェデラーの右肘は後ろに突き出されており、涌井の上段右端の写真とよく似た形です。

また、テイクバックトップからフォロースルーに代わるタイミング(涌井の下段左端とフェデラー右から4番目)も、まだ、よく似ています。

しかし、フォロースルーは両者ではかなり違います。フェデラーの左から3番目の写真を見ると、フェデラーの右肘は、手首やラケットと比較しても、後ろ側にあります。涌井の下段左から2番目~4番目とは、右肘の位置が、全く違います。

野球では、フォロースルーにおいて如何に右肘を前に突き出すかが大切でしたが、テニスではその正反対です。テニスのサーブでは如何に右肘を「後ろにおいておくか」が大切なのです。これを守らないと、スピン系のサービスを打つことはできません。

若いころに野球(投手)をしていた私は、(年齢の割には)比較的早いスライスサーブを打つことはできます。それは、スライスサーブの場合は、右肘を突き出してもよいからです。

しかし、その癖が残っている限りは、どんなに頑張っても、スピンサーブを打つことはできません。

この癖を修正するのは、子どものころからの”投球フォーム”を変えるのですから、なかなか厄介です。今、2つの方法を試しています。

一つは、テイクバックからフォロースルーまで、できるだけ長い時間、ラケットヘッドをネットの方向(0時の方向)に向けるように心がける、という方法です。

もう一つは、右肘を”ちょうつがい”の支点としてスイングする方法です。右肘が支点となるので、右肘は動かず、したがって、自動的に右肘がネットと反対方向を向いたままになるという方法です。

両方とも、脳内イメージの問題ですから、実際にはそうはならないでしょう。しかし、このイメージで、右肘が前に出る癖を直せないかと期待しています。

コート上では、今のところはまずまずはうまくいっているのですが、あまり強いスピンがかかっているわけでもないので、まだ、改良の余地はありそうです。

さらに、オンコートで試してみます。

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