2011年9月16日金曜日

メシールのテニス(45) 安定したフォアハンドストローク(その6) テイクバックで左手をラケットに添える

メシールは、フォアハンドのテイクバックで、かなり後ろまで左手を添えています。図を見てください。
これには、いくつか理由があります。

①最も大切なことは、テイクバックで左肩が開かないことです。左手が体の回転と一緒に回転しますので、自然に左肩がネット方向に向くはずです。これにより、両肩を結ぶ線とボールの飛球線が、平行になりやすくなります。下の図を見てください。両者が平行になると、フォワードスイングでラケット面がボールをまっすぐに押し出しやすくなります。一般には、体の回転を使って円状のスイングでボールを捉えます。メシールの場合は、スイング軌跡がより直線的です。そのために、ボールを強くたたきにくいでもりっとはありますが、ボールを自分の狙った方向に運びやすくなります。また、ラケット面のちょっとした角度を調整することで、ほとんど同じスイングでクロス、ストレート、逆クロスを打ち分けることができるのです。
②もう一つの理由は、ラケット(面)がぐらつかないことです。薄いグリップのフォアハンドでは、微妙なラケット面のぐらつきが致命傷になります。正確で精度の高いラケット操作が要求されます。そのために「仕事をさせる」ことが有効です。右手だけで操作をすると、それだけ精度が低くなります。(右手は、ボールを打つという仕事がありますので。)

③テイクバックのタイミングが遅れにくいという利点もあります。本来、仕事の少ない左手にテイクバックのタイミングを取る仕事をさせることで、忙しい右手よりもテイクバックのコントロールがしやすいはずです。その分、テイクバックが遅れたり、ボールの高さに合わせてテイクバックをしたりするという操作がしやすくなるはずです。

私の感覚では、テイクバックにおいてこんなに左手を添えていてもいいのかなと思うぐらい、左手は長い間ラケットに添えておいてよいようです。このあたりのさじ加減は、ビデオで自分でチェックするのがよいと思います。

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