イースタンやコンチネンタルグリップのような薄いグリップのフォアハンドは、打点を後ろにしてボールを打つことができます。これは、相手の強いボールに差し込まれたときでも返球できるなどの利点はあります。
しかし、薄いグリップで打点が後ろになるのは、本来は望ましい打ち方ではありません。メシールのテニス(14) 懐が深いということでも書いたとおり、打点が後ろになると、フォアハンドは不安定になります。相手のボールの変化(速い球と遅い球が交互に来るような場合)に、ボールのコントロールができなくなってくるのです。また、ラケットを振りきることができないので、ボールのスピードや深さをコントローすることも、難しくなります。
「打点が後ろでも打ててしまう」のは、厄介なことです。なぜなら、これは、「つい、打点を後ろにしてしまう」ということが起こるからです。たとえば、相手のボールが速い時、気持ちが守りに入ってしまった時、体が疲れて足が動かない時…など、なんとか打ち返せるがために、打点が後ろになってしまうのです。
薄いグリップのフォアハンドでは、極力、打点を前にせねばなりません。そうして、ボールを、自分の意図する方向に運ばねばなりません。毎日ボールを数多く打つことができるプレーヤーには造作もないことでしょうが、週一テニスのアマチュアプレーヤーの場合は、よく、このような状況に陥ってしまいます。
では、どうすれば、フォアハンドで打点を前に置くことができるか。
一つ、よい方法があります。今、メシールのテニス(27) ラケット面はいつからいつまでボールに垂直になるか?を思い出してみてください。フラットドライブ系のストロークは、ラケット面が常にボールに対して垂直のようなイメージがありますが、それは間違いです。インパクトの前後ではラケット面は伏せられています。(スピン系と違うのは、インパクトのときにラケット面がボールに垂直になる時間が、スピン系よりは長いというだけです。)
つまり、ラケット面がボールに垂直になる(=インパクト)を前においてやるように、意図的に操作すればよいわけです。これは、テイクバックからフォワードスイングでラケット面をできるだけ長い間伏せるということです。長い間面を伏せれば伏せるほど、インパクト点は前に移動します。
実際にラケットを持ってみればわかりますが、テイクバックからフォワードスイングでラケット面を伏せる時には、テイクバックが小さい方が有利です。大きなテイクバックからフォワードスイングの場合には、どうしても、スイング中にラケット面が起き(立ち)やすいのです。
小さなテイクバックの場合は、スイングの中心が前方になりますので、それだけ、ラケット面を伏せてインパクト(ラケット面が立つ)場所を前に移動できます。
これにより、強制的にインパクトが後ろになるのを防ぐことができるはずです。
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